MaaS分野に新型コロナウイルス感染症拡大がおよぼす影響と各メーカーの対応

新型コロナウイルス感染症拡大の渦中において、自動車会社も減産や社員の臨時休暇などの対応を取っており、生産能力の減少が発生しており、結果として下請け企業まで負の影響を受ける事態となっています。

多くの国において、新型コロナウイルス感染症拡大の対策として「Stay Home」が必要とされています。結果として人々は本来、オフィスへの通勤やプライベートでの外出などをおこなっていた機会を制限される状態にあり、MaaS分野のビジネスの低迷がおこっています。

成長分野として注目されていたライドシェアビジネスも、この外出制限により事業の規模縮小と売り上げ低迷の状態にあります。逆に外出制限によりフードデリバリの分野は拡大するなど、これまでの予測とは異なる現象を如何に分析し、今後のMaaS分野の成長に活用するかが課題として急浮上しています。

新型コロナウイルス感染症は、感染力が高くこれまでに流行した疫病よりも徹底した対応が必要とされています。また、具体的な終息は未だ見通しが立たず、これから自動車メーカーは感染症拡大をモビリティの面から対応するアプローチを開始しています。

日本国内では、ホンダやいすゞが社内前部の運転席側と後部座席に仕切りを設けた感染防止を目的とした車両を医療機関向けに提供し始めています。このアプローチにより密閉空間である自動車内においても飛沫感染などの経路を遮断することが可能となります。

また、外出自体が困難な高齢者や感染症対策で外出を控えている方向けに、タクシー会社などが買い物代行サービスを開始しています。

新型コロナウイルス感染症発生により、私達はソーシャルセキュリティーにおける対策として移動分野の変革を必要としつつあります。


電源コンセントに接続するだけで消費電力量をリアルタイムで確認出来るIoT機器「Nature Remo E lite」

自宅の電源コンセントに装着すると家庭の電力消費量をリアルタイムで計測・確認できるIoT機器「Nature Remo E lite」がNatureより発売されました。

現在、電力自由化の普及と並行して電力・ガスなどのスマートーメーターによる使用量計測が進められています。「Nature Remo E lite」はスマートメーターの計測値を室内のWi-Fi経由で取得し、スマートフォンアプリでモニタリングすることを可能としています。

この新しいモニタリング機能を使用するには建物内に設置された機器と通信するBルートと呼ばれる通信の契約を送電会社と結ぶ必要があります。このBルート使用の契約は無料となっています。

現在の新型コロナウイルス感染症拡大防止の為の外出自粛により、家庭内で過ごす時間が増加しています。結果として家庭内の消費電力が増加する傾向にあり、省エネの為のステップとして消費電力をリアルタイムで把握することで、家庭内の電気機器のオン・オフを試し節電効果を実証するなど、スマートな方法で省エネ・節電を実践することが出来ます。

中高生たちがデザインした「未来のクルマ」刺激的で斬新なアイデアがもたらすもの

中高生たちがデザインした「未来のクルマ」刺激的で斬新なアイデアがもたらすもの

2020年4月、中高生らを対象にした創造力あふれるカーデザインを競う公益社団法人自動車技術会のコンテストである「カーデザインコンテスト」の第8回の受賞者が発表されました。第8回のテーマは「10年後の暮らしを楽しくする乗り物」が設定され、日本国内の中高生から10代ならではの自由で遊び心のある作品が多く応募されました。

第8回カーデザインコンテスト カーデザイン賞「Fun!mock」(栃木県立足利工業高等学校3年)

栃木県立足利工業高等学校3年生が提案したのは3輪駆動でバイクのような爽快感と身体にフィットするイスがハンモックの様な座り心地を提供する流線型のカーデザインです。

フロントガラスやサイドガラスは無く、開放的な形状の自動運転と快適性をカタチにしたものになっています。

第8回カーデザインコンテスト ダヴィンチ賞「I’m Eye」(都立工芸高等学校2年)

都立工芸高等学校2年生がダヴィンチ賞を受賞したデザインは目で操作する車椅子をカタチにしています。いわゆる自動運転のアプローチとは異なり、目の動きを察知しクルマをコントロールする仕組みとなっています。

中高生だからこそ生まれる自由なデザイン

自動車の運転を経験しビジネスの場に身を投じている大人だからこそ生まれる経験を元にしたデザインや技術への取り組みはモビリティの世界における基礎となっています。

それに対し、若く想像力をカタチにする中高生のデザインは、コンセプト設定からデザインの具現化まで、私達大人からすると型破りのものばかりです。勿論、それらの全てが未来において実現可能という事ではないでしょう。

しかしながら、彼らの発想力から生まれたデザインの幾つかはきっと未来の新しいモビリティの形態へ寄与するものとして、正面から受け止め参考にする価値があります。

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世界におけるスマートシティ計画の取り組み MaaS活用のアプローチが必須か

世界におけるスマートシティ計画の取り組み MaaS活用のアプローチが必須か

Iot(モノのインターネット、Internet of Things)の技術を活用し、都市の多種多様なインフラを効率化し、人々のQOLを向上させる新しい都市のカタチであるスマートシティ。このスマートシティの構築を目指す動きが世界中で加速しています。

国全体をスマートシティ化するシンガポール

シンガポールのスマートシティへのアプローチは非常に積極的です。国家主導で国ごとスマートシティ化を目指しています。シンガポールの面積は東京23区よりわずかに大きい程度の721平方kmです。この面積に560万人超が住むシンガポールだからこそ出来るアプローチと言えます。

上述の通り、シンガポールは決して広くない、寧ろ狭い面積に人々が集中している人口密度が高い都市国家の代名詞です。それゆえ、慢性的な渋滞などモビリティにおける改善すべき問題点を抱えています。

この問題を解決するにはMaaSの活用が必須となります。またモビリティシステムの改善・効率化が結果としてスマートシティ構築のアプローチとベクトルが一致する部分が多く、今後のシンガポールのスマートシティ化の取り組みに注目が集まります。

経済・IT特区として成長を遂げる中国深圳のスマートシティ化

中国深圳は同国の経済とITにおける特区としてこれまで大きな成長を実現し存在感を示してきました。中国内の企業だけではなく、世界中のテクノロジーに関わる企業がこの地域に多く集まり、まさにアジアのシリコンバレーとして機能する大注目のエリアです。

中国もシンガポールと同じくスマートシティ化が国家的なプロジェクトとして進行しています。中国内の主要な6都市の近郊においてスマートシティ化の計画が進められています。他国とは異なる規模の人口を抱える中国における複数都市のスマートシティ化は、プロジェクトの規模もまさに規格外です。

中国におけるスマートシティ化もやはり自動運転分野が重視されており、MaaSの標準化がベースとなることは間違いありません。

日本国内におけるスマートシティへの取り組み

日本でも官民連携のプラットフォームを構築しスマートシティを実現する取り組みが進んでいます。上述のシンガポールや中国の取り組みと比べると普及への道のりは若干遅れている感はありますが、課題としての認知の度合いは日々高まっています。

日本国内における構造的な課題として高齢化・過疎化などがあります。スマートシティへの取り組みはいわゆるクオリティ・オブ・ライフの向上を目指すよりも、既存の解決が困難な問題を改善するためのアプローチとしている感があります。

日本国内におけるスマートシティ構想は、各自治体は勿論、トヨタやNTTなどが業務資本提携に合意するなど各企業の動きが見られます。多くは東京・大阪などの巨大都市ではないロケーションにおいて取り組まれている印象がありますが、これらの成功が実現すると首都圏におけるスマートシティの実現により、新たな動きが見られる期待があります。

空の通信環境が新たに必須となる空飛ぶクルマ分野におけるソフトバンクの取り組み

自動車は地上の道路を走る乗り物という当たり前・常識が新しい概念・ステージへ変わろうとしています。世界中の企業のクリエイティブなチャレンジといえば「空飛ぶクルマ」。その実態は垂直離発着が可能な次世代モビリティです。

当然ながら世界各国の自動車に関わる法律・ルールは公道を走行する事が前提ですので、「空飛ぶクルマ」実現のために各国政府が実現のための実証実験や法律の改正や規制緩和をスタートさせています。

モビリティの概念を変える「空飛ぶクルマ」ですが、上述の規制緩和や意欲的な技術革新へのチャレンジと同時に、空の通信環境の整備が新たに必要となります。

この空の通信環境の整備に取り組む日本の会社が存在します。その名はHAPSモバイル。HPASモバイルはソフトバンクとアメリカ合衆国のAeroVironmentによって2017年12月に設立された合弁会社です。

HPASモバイルが取り組むのは空飛ぶ基地局です。HAPS(High Altitude Platform Station)は成層圏における通信のプラットフォームの役割を担います。成層圏は地上から約20kmの空域です。このエリアに無人航空機を飛ばし、そこから電波を届けるアプローチとなります。

一般的な国際線の飛行機が高度約12kmを飛行しているので、HAPSはその倍近くの高度から電波を届けることになります。静止衛星を使用して通信するよりも距離が短い分より短い時間(0.3ミリ秒)で通信出来るというメリットがあり、またソーラーパネルを設置する事で太陽光発電と蓄電の活用で、安定した飛行と通信が可能となるという大きなメリットが存在します。

これまで私達が考える通信はその多くが地上におけるものでした。ソフトバンクは自動運転分野への積極的な投資が話題となりモビリティ革新における存在感を示してきましたが、実際には空の領域においても次世代通信を構築しつつあり、この分野をリードしていく存在の最有力の候補となりつつあります。