今回は国内MaaS(Mobile as a Service)×IoTの国内活用事例を紹介致します。

人・モノの移動に関わるインフラは通信が高度に成長した現在において、一番のボトルネックなのかもしれません。情報がWebを経由し世界中の多くの場所へ伝わり活用される一方、特に人の移動は相対的に非常に遅いという現実があります。

勿論、人の移動の全てが自動化される未来は未だ私達へ提示されてはいませんが、モビリティに関わる分野において、自動運転やドローンの活用、空飛ぶクルマなど、新たなアプローチを実現化するための挑戦は多くの分野において活発におこなわれています。

MaaSの分野は沢山の可能性と多くの課題が共存している最もチャレンジスピリットが必要な分野なのかもしれません。

今回ご紹介する事例をご覧いただきMaaSの示す近い未来の形を思い描いていただければと思います。

NTTとゼンリン、資本提携で地図情報高度化へ 自動運転・MaaS分野の協業へ

NTTとゼンリン、資本提携で地図情報高度化へ 自動運転・MaaS分野の協業へ

日本電信電話株式会社(以下、NTT)と、国内地図情報大手の株式会社ゼンリン(以下、ゼンリン)は、2020年3月31日までに、資本業務提携を行い、IoT・AI時代に向けた地図の高度化に取り組むとしています。

NTTは自社のセンシングデータリアルタイムに高精度空間情報に統合し、多種多様な産業基盤の有するデータとの融合や未来予測を実現する「4Dデジタル基盤」の研究開発に既に着手しています。

ゼンリンは同社の持つ豊富な地図情報・位置情報の最適化を更に進め、流通している情報の「量と質」を最適化し、MaaSや自動運転におけるデータ活用を強く進めています。

両社は、NTTの高精度測位技術やインフラ維持管理のノウハウと、ゼンリンの保有する全国の収集情報を含む地図制作ノウハウを活用し、これまで以上に高精度な「高度地理空間情報データベース」を2020年度より共同で構築していくとしています。

NTTはトヨタと既に資本業務提携を結んでおり、スマートシティ実現の加速化を進めています。ゼンリンもAIを活用し地図データの更新の効率化・最適化を目指しています。両社の取り組みは自動運転分野における環境整備において強く意味を持つものと予想され、次世代のモビリティ分野における存在感を発揮することが期待されます。

東京メトロが多様なモビリティ事業と連携し「my!東京MaaS」の取り組みを開始

東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)は既存の鉄道や航空、タクシーなどの多様なモビリティ事業者と連携し、東京都内における大都市型のMaaS(Mobility as a Service)として移動のしやすさやパーソナライズされた東京の実現へ向け、「my! 東京MaaS」の取り組みを開始すると発表しました。

東京メトロは最初のステップとして、2020年7月に東京メトロアプリをリニューアルし、複数の交通機関を連携させるマルチモーダルな経路検索機能を実装予定です。この実装により、鉄道に限定せずタクシー・バス・シェアサイクルなどの多様な移動方法も検索結果に含んだ経路検索が可能となります。

東京メトロは、これまで以上の「移動のしやすさ」や移動に通じての「健康応援」、「ビジネス加速」移動を新たなエクスペリエンスにする「東京を楽しむ」の4つのテーマを設定しています。これらのテーマより多様な視点にたった取り組みを推進するとしており、MaaSの分野における新たな価値創造が期待されます。

「移動のしやすさ」の追求においては、タクシー配車アプリとして広く知られる「JapanTaxi」等と連携するとしており、利便性の向上やビジネスの促進による都市の活力向上へ繋がります。

東京都内における各移動機関の新サービスや高度化の取り組みが進む中で、ユーザー視点においては移動における快適性の向上やリアルタイムの最適な経路情報を元にした移動は大きく飛躍する余地が充分に有ります。

東京メトロの取り組みによって、利用者の移動に対しての認識の変化が生まれ、結果として都心における人の移動の可能性が大きく飛躍することで、プライベート・ビジネスどちらのシーンにおいても新たなエクスペリエンス実現が期待されます。

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「ドローン物流から空飛ぶクルマへ」日本航空の描く想定シナリオ

「ドローン物流から空飛ぶクルマへ」日本航空の描く想定シナリオ

2020年3月に開かれた空の移動革命に向けた官民協議会において、民間各社がビジネスモデルに関するプレゼンテーションを行い、日本航空は空港を拠点とした新たな事業構想として、ドローン物流から空飛ぶクルマへ、地方都市から大都市へとサービスを展開する事業化シナリオを提示しました。

この想定シナリオは全4段階で構成されています。第1段階では、小型の貨物用ドローンを使用し無人地帯で既定路線における輸送に着手し、第2段階では中型・大型のドローンを使用、安全性が確立されれば「貨物から人へ」輸送対象が移行されるとしています。

第3段階では、人が乗車する大型ドローンを導入し、パイロットが同乗・操縦しポート間の既定路線における人の輸送に着手します。この段階においてはオンデマンド型も導入し、ユーザーエクスペリエンスの進化も図るとしています。

第4段階は一気に有人地帯へサービス範囲を拡大し、大型ドローンを遠隔操縦し人を運ぶとしています。

空飛ぶクルマ事業は導入期の「地方都市交通インフラ(社会課題解決)」と拡大成長期の「大都市空港離発着の2次交通インフラ(収益最大化)」の2つのフェーズに分類されると想定されています。

導入期では、過疎地の移動手段や災害救援など主に地方でのインフラのサポートとして機能し、拡大成長期では、都市内の移動手段や首都圏空港アクセスとしてなど、ビジネスへの貢献へと移行します。

成長拡大期の航路設計として、「羽田ネットワーク」と「成田ネットワーク」が候補とされており、羽田ネットワークでは羽田空港を起点に10セグメント程度の拠点ケースが想定されています。

成田ネットワークも、羽田ネットワークと同じく10セグメント程度の拠点ケースが想定されていますが、更に長距離の航続距離を可能とするため、性能向上がネットワーク形成の必須要件となり、大きなハードルとされています。

本シナリオにおいては、技術面・ビジネス面で多くの課題が存在しています。例を挙げますと、気象情報のリアルタイム把握や衝突回避の自動化、さらにはサイバーセキュリティ強化等、安全に関わる技術的側面における課題です。

この技術的側面における課題を乗り越えなければ「貨物から人へ」は実現出来ず、シナリオの前半段階で頓挫してしまいます。

更にビジネス面での課題も存在しています。離発着地を増やすためにはインフラ投資が必要となり、また既存の空港においてネットワークを使用する場合、空港インフラを如何に拡張するかという問題も残ります。新たなアプローチ故に当然ですが、資金面においても既存インフラの活用・共存においても画期的な取り組みが必要となりそうです。

東京大学発スタートアップのテトラの「空飛ぶ車」最終飛行審査に進出 日本製eVTOLの躍進へ

東京大学発スタートアップのテトラ・アビエーション株式会社(以下、テトラ・アビエーション)は次世代交通のカタチとして注目される「空飛ぶクルマ」を開発中しているスタートアップ企業です。

テトラ・アビエーションはリーダーの中井佑氏を中心とし、学生や元大手重工メーカーの社会人など10人で構成されています。同社はフラグシッププロジェクトを「teTra」と名付けており、2023年に「空飛ぶクルマ」を実用化することを目標と掲げています。

今回テトラ・アビエーションは、103カ国855チームが参加した空飛ぶクルマの国際コンテスト「GoFly」の最終飛行審査に自社開発のeVTOL(電動垂直離着陸機)で挑み、最終飛行審査に進んだ24チームとして日本から唯一勝ち残りました。

テトラ・アビエーション社のeVTOLは2018年6月に行われたこの「GoFly」の第一次審査で世界トップ10に選出されており、最終飛行審査での素晴らしいパフォーマンスと結果が期待されます。「GoFly」の賞金総額は約2億円となっています。

テトラ・・アビエーションは2019年10月にアメリカ半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のAIスタートアップ支援プログラム「NVIDIA Inception Program」のパートナー企業にも認定されています。

様々なスタートアップ企業が空飛ぶクルマの開発に挑戦するなか、テトラの日本製eVTOLの躍進が期待されます。

日産欧州部門のリーフ完全自動運転車バーション開発が最終段階へ イギリスで230マイルのテストドライブ完走

日産自動車の欧州部門が開発を進めていた電気自動車リーフの自動運転車バージョンの開発が順調に進み、遂に最終段階に入ったというニュースが入ってきました。

今回、試験場でのテスト走行を無事終了し、イギリス国内の公道230マイル(約370km)を完全自動運転で完走したということです。

リーフには、渋滞時や一定の速度で走行する際にドライバーをサポートする機能が搭載されており、今回、英国政府が後押しするプロジェクトにおいて、完全自動運転車バージョンの開発が進めてられています。

今回完成した実験者はGPS、電波探知、カメラなどの最新技術が搭載され、日立ヨーロッパ社(Hitachi Europe Ltd.)が開発したAIも搭載されています。この日立製AIは自動運転操作を行い、更に走行中に起こった様々な出来事を機械学習し、自発的に運転技術を向上させていきます。

今回の230マイル走破において、人が搭乗していたものの運転は全て自動で行われ、充電ステーションでの充電のみ人が行ったという事です。ここまでくると充電もクルマが自動でおこなう事も可能になるのかもしれません。

イギリス国内の道路は複雑な環状交差点の多い都市部や、中央線すらなく路面の把握が難しい田舎道などがあります。今回の走行テストでは実験車はそれらの道路を全てトラブル無く走行したと発表されています。

このプロジェクトは日産欧州部門独自のものとのことですが、日産全体が自動運転車の開発を積極的に進め、発売を発表する日も近づいていると考えられます。