企業によるAIの活用の事例やニュースが増えてきています。

今後AIにマーケティングの仕事を奪われるという話題もある中で、実際AIがマーケティングでどのように利用されるのかイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。

本稿では、AIがなぜマーケティングで重要なのか、AIをマーケティングに活用するためのステップ、実際にAIを活用した事例をご紹介します。今後AIに仕事を奪われないためにも是非参考にしてください。

Contents

なぜAI(人工知能)はマーケティングで重要なのか

マーケティングでのAI(人工知能)の活用事例が増えています。なぜAIが重要になってきているのでしょうか。

マーケティングで重要な要素の一つがデータ分析です。

消費者の行動データなどを分析することで最適なメッセージを届けたり、高度なレコメンドをすることが可能です。世界ではデジタルデータ量が増加しています。米国の調査会社IDCによると世界で生成されるデジタルデータ量は59ゼタバイトまで増加するといわれています。

今後データが増加する中で、それを扱う業務や分析するための手間が増えていくことが予想されます。その中でマーケティングデータを精度高く、効果的に活用するために重要となってくるのかAIです。

マーケティングとは?知っておくべき歴史や戦略、AI時代に必要なこと>>

マーケティングでAIを活用することの3つのメリット

つづいて、マーケティングでAIを活用することで得られる代表的な3つのメリットをご紹介します。

マーケティングでAIを活用する3つのメリット

・キャンペーンROIの向上
・リアルタイムでパーソナライズ
・意思決定が迅速になる

 

キャンペーンROIの向上

1つ目はキャンペーンのより高度な数学的検証を可能にすることで、高いROIが期待できることです。

AIで消費者インサイトを分析し、リアルタイムで適したメディアへの露出を行ったり、最適な予算配分を行ったり、一貫した顧客エンゲージメントを実現することでキャンペーンの効果を向上させることができます。

リアルタイムのパーソナライズで顧客関係の強化

2つ目は、リアルタイムで顧客関係を築けることです。AIリアルタイムに消費者のライフスタイルを分析して、それぞれの顧客に合わせて適切なタイミングで適切なメッセージを配信することができます。

人の作業を介さずにリアルタイムで顧客にパーソナライズができることがポイントです。

意思決定の迅速化

3つ目は意思決定の迅速化につながるということです。

AIは人間よりも早くキャンペーン結果を分析したり、様々なデータから結論を導くことができます。AIが導き出した結論やデータを用いることで人は施策の詳細や戦略検討など、人がすべき業務にリソースを集中でき、意思決定を迅速にできるようになります。

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AIが活用されているマーケティング7領域

AIはすでにマーケティングの様々な領域で活用されています。様々な領域で活用されていますが、ここではAIが活用されている7つの領域をご紹介します。

AIが活用されている7領域

・広告配信
・広告コピー
・Webデザイン・ロゴデザイン
・MA(マーケティング・オートメーション)
・SEO・ライティング
・人流分析
・需要予測

 

広告配信

1つ目は広告配信です。広告を配信する際の課題の一つが、適切なメディアで、適切なタイミングでの配信が難しい点です。

AIを活用したプログラマティック広告を利用することでターゲットオーディエンスを分析し、適切な枠への配信、入札をリアルタイムで調整できます。

また、消費者の行動やサービスの利用履歴などの分析から、誰に、どのようなタイミングでメッセージを届けるのが最も効果的なのかというターゲティングへの貢献も期待できます。

広告コピー

2つ目は広告コピーです。従来広告コピーはすべて人の手により制作されていました。

しかし、AI広告コピーメーカーでは過去のコピーを分析しているため、誰向けに、何を伝えるのかを選択するだけで最も効果的なコピーを自動で生成します。また、ターゲットに合わせてコピーをパーソナライズして表示することも可能です。

Webデザイン・ロゴデザイン

3つ目はデザイン制作です。

テンプレートを選択し、利用目的などの質問に答えるだけで自動的にAIがWEBサイトデザインやロゴデザインを制作してくれます。デザインやプログラミングの知識がなくてもWEBデザインやロゴデザインを簡単に作成できます。

MA(マーケティング・オートメーション)

4つ目はMA(マーケティング・オートメーション)です。

MAとは、顧客開拓、顧客育成のために顧客データを可視化、自動化するためのツールです。

MAでAIを活用することでリードのスコアリングや最適化されたかなどコミュニケーション戦略を実行することができます。

SEO・ライティング

5つ目は、SEO・ライティングへの活用です。

まず内部対策としては、24時間WEBサイトを監視したり、自動的にコンテンツを更新することなどが可能です。また、ディープラーニングのマルコフ連鎖を用いることで、自動でテキストコンテンツを生成することができる。

人流分析

6つ目は人流分析です。

WEBサイトだけでなく、店舗などリアルの場でもAIは活用できます。店舗の訪問顧客の行動分析によって、店舗のレイアウト改善、発注量の最適化やサイネージ広告の最適な配置の検討などが可能になります。

需要予測

7つ目は需要予測です。

気象情報やカレンダー等のデータと売上実績や商品情報を組み合わせることで、将来の需要予測をすることができます。このような予測を活用することで発注量を最適化し余分な在庫を減らすことも可能です。

AIを活用したマーケティング戦略構築までの5ステップ

それでは具体的にマーケティングの戦略構築までの取り組むためのステップをご紹介します。

マーケティングの戦略構築の基本についてはこちら>>

1.現状のマーケティングの流れをチェック
2.問題点の特定(AI導入・活用ポイントの策定)
3.技術要件の定義
4.開発・テスト導入
5.本番導入

1.まずは現状のマーケティングの流れをチェック

最初のステップは現状のマーケティングの流れをチェックしましょう。どのタイミングで顧客を集客し、リードを創出するのか、その後顧客化にどのようにつなげるのかという全体の流れを整理し、把握するようにしましょう。

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2.問題点の特定(AI導入・活用ポイントの策定)

マーケティングの全体の流れが整理できたら、次は問題点を特定します。

例えば、集客が想定しているよりも少ないのか、それとも顧客育成へのアップセルがうまく行っておらず、離脱してしまっているのか、施策で手間がかかりすぎてしまっている部分など、課題を明確にします。

課題を明確にすることで、どのプロセスにAIを導入すべきかが明確になります。

3.技術要件の定義

どのポイントでAIを導入するのが明確になったら技術的要件を定義します。導入に最適なツールや、開発のためのエンジニアの必要性を明確にしましょう。

4.開発・テスト導入

技術的要件を定義できたら、具体的に導入を検討していきます。ここで重要なのは、いきなり導入するのではなく、テストとして導入することです。ツールを導入するにはある程度の費用がかかりますし、システムの変更に大きく手間もかかります。

そのため、まず小さなキャンペーンなどで試しに導入し、どの程度のインパクトにつながるのかなどを検証しましょう。

5.本番導入

テストの検証ができたら、実際の本番環境で導入します。この際ただ導入するのではなく、社内への利用ルールを明確にしたり、導入した後の効果測定を行いながら、効果の最大化を狙いましょう。

AIを使えるマーケターになる4ステップ

それではマーケターがAIを使えるようになるための学習のステップをご紹介します。学習のステップは「AIの基礎を学ぶ」、「AI構築活用」、「AI事例を学ぶ」、「AIをプランニング」の4つのステップにわかれます。

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1.まずはAIの基礎を学ぶ

まずは必要となるのがAIの基礎を学習することです。「AI」、「機械学習」、「ディープラーニング」の意味を理解し使い分けたり、学習方式、活用タイプを理解することなどをしましょう。

AIの基礎を学ぶ時のおすすめは、AI For Everyoneという講座です。全世界60万人が受講しており、理系人材だけでなく、ビジネスパーソンすべての人のためにAIを学べる構成になっています。Courseraで無料で受講できます。

2.AIの構築を経験してみる

基礎が学習ができたら、実際にAIの活用の前に、AIの構築を経験してみることでどのように動いているのかを理解しましょう。AIはデータを読み込めばすぐに稼働するものではありません。

データを読み込み、そこからデータを学習し法則を掴み、予測するというプロセスがあります。AIの仕組みを自ら作ることで、AIの得意・不得意を理解しましょう。

3.AIの事例を学ぶ

3つ目のステップは、他社の事例を学びましょう。これにより、自社で導入する際のアイデアに繋がります。次章では他社の事例をご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

4.AIのプランニングをする

最後は実際にAIのプランニングをすることです。企画が小さくまとまらないようにAIのプランニング力を磨くことが重要です。

常にAIで実現できそうなアイデアを様々な視点から検討し、提案する能力をつけておきましょう。

実際にAIが活用された事例4つ

つづいて、実際にAIを活用している企業の事例をご紹介します。

自動チェックアウトを実現|Amazon GO

Amazon GOはAIを活用したカメラでディープラーニングを活用することで、無人店舗の自動チェックアウトを実現しました。

Amazon Goでは、事前に商品をディープラーニングで学習したうえで、店舗で客がかごに入れた商品をカメラが検知し、オンラインのアカウントと紐づけることで自動チェックアウトを実現しました。

オリジナル作品制作と高度なレコメンドを可能に|Netflix

NetflixはAIを活用して大きく成功した企業の一つです。

Netflixが成功した要因といわれているのがオリジナル作品制作と高度なレコメンドです。Netflixでは会員が視聴した時間、コンテンツから離脱したタイミング、主演キャスト、シーンの数などあらゆるデータをAIで解析し、視聴傾向を割り出しています。

解析したデータは、オリジナル作品を制作する際の参考にしたり、会員へのレコメンド機能高めるために活用されています。

バナーやLP,ロゴ制作にかかる時間を大幅に削減|ガラパゴス

ガラパゴスが提供するのが、今まで人が行わなければいけなかったバナーやLPの作成業務の負担を大幅に削減できるAIR Designです。

25,000件以上のLPを分析し、デザインやテキストの解析しました。人がワイヤーフレームを作成すると、それにあわせてAIがラフデザインを作成するなどデザインの手間省くことができ、従来の4分の1の期間でデザインの作成が可能になりました。

価格の自動最適化(ダイナミック・プライシング)|株式会社 ダイナミックプライシングテクノロジー

ダイナミックプライシングもAIを活用して自動化が可能になりました。

ダイナミック・プライシングとは需要と供給にあわせて価格を自動調整する機能のことです。

例えば、飛行機やホテルなどの宿泊施設などで取り入れれられています。従来は人力で行われており、手間がかかっていました。しかし、AIを活用することで売れ残りなどを自動で検知し価格調整を行うことができます。

AIマーケティングの4課題

最後にAIマーケティングの課題をご紹介します。

データ量・質と教育に時間がかかる

AIツールはただ導入すればいいというわけではありません。

AIで成果につなげるためにはある程度のデータ量が必要であったり、質が高いデータを集める必要があります。また、AIを活用するためには一定の専門知識が必要であり、学習に手間もかかります。思いつけばすぐに活用できず、ある程度の時間がかかることを把握しておくことが重要です。

変化の早い領域では,過去のデータは使いものにならない

上述したように、AIはすぐに結果が出るわけではありません。

変化の早い領域では過去のデータを解析して実際に活用する場面になると効果がないということがあります。自社のおかれている環境を分析した上で導入を検討しましょう。

AI・データサイエンス人材の獲得が難しい

新しくAIを導入する際にそれを活用する人材の獲得も重要です。

しかし、AI・データサイエンス人材は現在不足しているといわれ、獲得が難しいというのが現状です。そのため、ツールを導入するだけでなく、社内でのAI・データサイエンス教育を進めるなど人材育成への投資を行うことも検討しましょう。

AIマーケティングと倫理の問題

AIマーケティングを行う時に課題となるのがプライバシーの問題です。

適切なパーソナライズを行うためには細かい個人のデータがある方が効果が高まります。しかし、個人データを活用しすぎるとプライバシーの侵害になってしまい企業の信頼に影響する可能性もあります。

そのため、AIを導入するときには個人情報の適切な収集、利用方法の透明性の確保を常に意識する事が必要です。

まとめ|AIは仕事を奪わない.代わりにチャンスを増やしてくれる

近い将来、AIはマーケティング職の仕事を奪うなどとも言われています。

しかし、AIを導入するだけでは意味がありません。AIを活用してこそ本当に効果が出ます。そのため、マーケターであってもAIの基礎や他社の事例を学習しながら新たなビジネスチャンスの拡大や、キャリアの選択肢を獲得しましょう。