「ウォンツの意味がわからない」「ユーザーのウォンツに基づいたサービス・プロダクト・プロダクトを開発したいが、ウォンツの見つけ方がわからない」

このようなお悩みはありませんか?

ウォンツの意味を理解するにあたって、ウォンツだけでなくニーズについても理解すれば、さらにユーザーのウォンツが発見できます。また、サービス・プロダクト・プロダクトを開発するためには、ウォンツだけでなく、顧客ニーズも認識する必要があります。

そこで今回はウォンツの用語解説やニーズとの違いについて初心者の方にも具体例を用いてわかりやすく説明し、ウォンツの見つけ方を解説します。

ウォンツとは

ウォンツとは、あるサービス・プロダクトを顧客が「欲しい」と考えている状態です。

顧客ニーズを満たすために開発されたサービス・プロダクトを求める感情であり、具体的なサービス・プロダクトに対する欲求ともいえます。

マーケティング活動におけるウォンツとは、顧客の本質的なニーズを捉えて、サービス・プロダクトに転換することが重要とされているのです。

では、ウォンツに対する「ニーズ」とは何なのでしょうか。

ニーズとは

ニーズとは顧客の生理的・社会的欲求など、さまざまな事柄に対して「満たされていない」状況を指します。

顧客ニーズは漠然としたものであり、顧客自身の自覚がないものや、サービス・プロダクトでは解決不可能と思われるものも含まれます。

シーズとの違い

ニーズとの他にウォンツと似たような用語に「シーズ」があります。シーズとは、元々は「」という意味です。

マーケティングにおけるシーズの意味は、サービス・プロダクト開発の素となる技術やノウハウやサービス・プロダクトの素材や材料です。自社のシーズ、つまり自社の技術・ノウハウや新素材等を用いたサービス・プロダクト開発は「シーズ志向」や「シーズ発想」といわれます。

このようにシーズは、ニーズとは呼び方が似ていても意味は全く異なります。

マーケティングの関する基本知識はこちら→マーケティングとは?知っておくべき歴史や戦略、AI時代に必要なこと


【具体例】ニーズとウォンツの違い

マーケティングにおけるウォンツとニーズは混同されます。

ニーズとウォンツの違い

上の図を用いて説明すると、ニーズが「就寝時間にリラックスしたい」だとすると、ウォンツは「間接照明が欲しい」です。

このように、ニーズは顧客自身の欲求やそれに対するサービス・プロダクトに無自覚な状態であり、ウォンツは顧客自身の欲求や解決するサービス・プロダクトに対して自覚があります。

また、ニーズだけの感情の状態である場合、購買行動までに時間がかかります。

それに対してウォンツの場合は、それを解決する具体的なサービス・プロダクトがあるため、ニーズと比べて購買行動までに比較的時間がかかりません。

ウォンツとニーズには、欲求や求めるサービス・プロダクトの明確さや購買行動までの時間にも違いがあるのです。

加えて、ニーズとウォンツは顧客が感じるタイミングが異なります。

ニーズがでてきてウォンツがでてくるのです。

例えば、「人参の皮むきが苦手」というニーズが出てきて「ラクに皮が向けるピーラーがほしい」というようなウォンツがでてくるように、物事や事象に対する満たされない感情のニーズが生まれ、商品を求める感情のウォンツが生まれるのです。

ウォンツを見極める方法

上の図は顧客のウォンツを見極める方法を表した図です。

顧客のウォンツを知るためには、本質的なニーズを知る必要があり、他の解決手段などを考えると、隣接したウォンツが導き出せます。

顧客が日常生活で不便と感じることをリサーチする

顧客のウォンツを見つけ出すためには、顧客が日常生活で不満を感じている事象や物事を調べましょう。

顧客が不満を感じる事象や物事をリサーチできたら、それを解決するサービス・プロダクトを考えましょう。顧客の不満に基づいて考えたサービス・プロダクトは、当然顧客ニーズに合わせたサービス・プロダクトになるため、安定した需要があると言えます。

このように、顧客ニーズからウォンツを見極め、サービス・プロダクトを開発するためには、まず顧客が日常生活でどのような不便を感じるかのリサーチが必要です。

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ニーズからウォンツを生み出すための3ステップ

ニーズからウォンツを生み出すためには、3ステップあります。

ニーズからウォンツを生み出すための3ステップ

1.サービス・プロダクトの認知
2.競合優位性の確立
3.ブランディングの確立

 

1.サービス・プロダクトの認知

顧客ニーズに基づいたサービス・プロダクトを開発するためには、顧客のニーズから具体的なウォンツを生み出す必要があります。

ニーズからウォンツを生み出すためには、まず顧客にサービス・プロダクトを認知してもらう必要があります。サービス・プロダクトを認知してもらうための、最適なコミュニケーション戦略を策定しましょう。

マーケティングコミュニケーション戦略についてはこちらで詳しく解説しています
4Cとは?マーケティングは4Pから進化している-事例や比較で解説>>
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2.競合に対する優位性を確立する

顧客がニーズを抱いてウォンツを感じたとしても、自社よりも優れた競合のサービス・プロダクトがあれば、ウォンツの感情が競合に移ってしまいます。

そのため、顧客のニーズからウォンツを生み出すためには競合に対する優位性を確立しなければいけません。

顧客のニーズからウォンツを生み出すサービス・プロダクトを開発する場合は、競合となるサービス・プロダクトを分析し、顧客のウォンツを生み出せる、且つ競合に対する強みをもったサービス・プロダクトを考えましょう。

競合や自社サービス・プロダクト・プロダクト・プロダクトの「強み」「弱み」を生かす際に役立つのが「SWOT分析」です。
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3.ブランディングの確立

顧客のニーズからウォンツを生み出すためには、サービス・プロダクトのブランディングを確立しましょう。ブランディングとは、プロダクト・サービスの特徴が消費者や顧客によって識別された状態の確立です。

自社や自社サービス・プロダクトが他の企業やサービス・プロダクトと識別されるためには、消費者からの認知や信頼を通じて企業やサービス・プロダクトの価値を高め、市場における地位を確立する必要があります。

ブランディングが確立されていると、市場における地位が確立されているため、顧客はニーズが生まれたら「あの企業のサービス・プロダクトを買おう」と感じ自社サービス・プロダクトにウォンツを抱きやすくなります。

ウォンツからニーズを明確にするための2ステップ

ここではウォンツからニーズを明確にするためには、2ステップが必要です。

ウォンツからニーズを抽出する2ステップ

1.サービス・プロダクトが欲しい理由を明らかにする
2.ニーズを深く掘り下げる

1.サービス・プロダクトがほしい理由を質問

サービス・プロダクトがほしい理由=ウォンツを質問しましょう。

例えば、飲料水を買った人に「なぜこの飲料水を購入したのですか?」というように、購入者に購入に至った意図や動機といったニーズをヒアリングしましょう。

ウォンツはニーズから生まれるため、まずは消費者の購買行動について疑問を持ち、ヒアリングすることが重要です。

2.ニーズを深く掘り下げる

ウォンツから導き出した質問を深く掘り下げてニーズが出せた場合、他の代替案がだせます。

例えば、飲料水を買った人に「なぜこの飲料水を購入したのですか?」と質問して「ミネラルがほしいから」といった回答が出た場合、他のミネラルを多く含んだ商品を開発すれば売れる可能性があります。

このようにニーズを深く掘り下げれば解決策が広がり、競合優位性も高まります。

ウォンツの用語を理解してマーケティングに活かそう

今回はウォンツの用語について解説し、ウォンツの見つけ方について紹介しました。

ユーザーのウォンツを掴むためにも日頃から顧客が日常生活で不満を感じる場面について調査をし、ニーズも把握しましょう。

マーケティングの基礎知りたい方はこちらもチェック→マーケティングとは?知っておくべき歴史や戦略、AI時代に必要なこと>>