マーケティングやブランディングと聞くけど具体的な違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。本稿では、マーケティングとブランディングの違いから、ブランディングの重要性をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事のまとめ
ブランディングとは、消費者がブランド独自の持ち味を認知し、その価値を感じてもらうための活動であり、たくさんのブランドの中で埋もれてしまっている持ち味を掘り起こし、明確にしていくことです。
その一方で、マーケティングは、「売れる(儲かる)仕組みを作る」ための手段です。市場調査・商品開発・流通・広告宣伝など様々な要素を組み合わせ、顧客のニーズを発掘し、そのニーズに答えるプロダクトやサービスを開発し、販売するための仕組みを検討します。
また、マーケティングは時代のトレンドや新たな手法が発達することで変化しますが、ブランドは変化しません。そのため、ブランディングはマーケティング戦略立案に先駆けて行なうことがおすすめです。その大きな理由は下記です。
1.ブランディングはマーケティングよりもトレンドの影響を受けにくく、一度構築すれば将来にわたって変わることはない
2.ブランドとしての方向性が明確になることで組織内での意思決定に一貫性が生まれる
3.それによりマーケティング施策の効果が高まる
マーケティングとブランディング7つの違いとは?
マーケティングとブランディングの違いは何でしょうか。
どちらも商品の販売に大きく影響するという共通点はあります。
しかし、大きな違いは、マーケティングは短期的に利益を生み出すための活動ですが、ブランディングは価値を創造することで長期的に利益につながる活動です。
そのため、視点が大きく違います。
ブランディングは自社のプロダクトやサービスの「価値を創造する」ための活動です。企業としてなぜそれを提供するのかという「WHY」を重視し、長期的かつ大きな方向性を示します。
一方、マーケティングは「価値を獲得する」ための活動です。どのように消費者のリアクションを得るか、どのような戦略を構築すべきなのかという短期的な「HOW」を重視します。
マーケティングとは?
マーケティングとは、「売れる(儲かる)仕組みを作る」ための手段です。市場調査・商品開発・流通・広告宣伝など様々な手段を組み合わせ、顧客のニーズに合ったプロダクトを生み出し、広告などで顧客の注目を集めることで販売につなげ、利益をあげるための活動です。
マーケティングの役割とその効果
マーケティングの役割とは、上述したように売れる仕組みを作ることです。
そのために、顧客のニーズを理解するための市場調査を行い、顧客が求めるプロダクトやサービスを開発し市場を創造し、広告や販促を通して顧客の注目を集め、販売チャネルや価格などの売れる仕組みを作ります。
このすべてがマーケティングの役割です。ブランディングは、マーケティングの施策の中で顧客と接点を持つつことで行えるため、並行して行なうのがおすすめです。
このようなプロセスを通して、消費者に行動を起こしたり、新たな価値を獲得するという効果があります。
ブランディングとは?
ブランディングとは、消費者がブランド独自の持ち味を認知し、その価値を感じてもらうための活動です。ブランディングを行なうことで、たくさんのブランドの中で埋もれてしまっている持ち味を掘り起こし、明確にしできます。
ブランドは、牛を識別のために焼印を押す(Brand)からきている言葉であり、サービスやプロダクトを消費者に識別してもらうという役割があります。
ブランドを構築するためには、自社が他社と比較した時の優位性や差別ポイントを明確にし、自社のプロダクトやサービスの「らしさ」を作りだすことを意識しましょう。
ブランディングの役割とその効果
企業にとってブランディングを行なうことは、競合との差別化ができたり、ロイヤルカスタマーの獲得や継続利用につながるためキャッシュ面での安定に繋がります。
一方顧客にとっては、それぞれのブランドの差異が明確になることにより、購買時の意思決定の効率化や品質の基準となるほか、その商品を使うことによる満足度向上に繋がります。
ブランディングにおいて重要なのは、どのような価値を提供していくのか、どのような存在になっていくのかという方向性を定めることです。
それにより効果的な施策が明確になるため、戦略検討もスムーズになります。
マーケティングよりもブランディングから先に着手するのがおすすめ
このようにマーケティングとブランディングは役割や効果が異なります。
実際に取り組む際に、どちらから先に着手すれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでおすすめするのは、マーケティングよりも先にブランデイングを行なうことです。
理由1:組織内の意思決定とマーケティング戦略の質を高める
1つ目の理由は、組織内での共通認識ができることで意思決定に一貫性が生まれ、施策のクオリティーが上がることです。
ブランディングで重要なのは、自分たちのブランドがどのような存在であり、どのような価値を提供するのかを規定するブランド構築です。組織内でブランド構築を行なうことで、ブランドが何を伝えたいのか、ブランドで伝えたい体験やブランドを通して提供したいことが自社の組織内でも明確に共有されます。
その結果、どのような施策を実施すべきなのかの基準が明確になり、組織内の意識決定の質とマーケティング戦略の精度も高まります。
理由2:マーケティング手法は進化するがブランディングは変わらない
2つ目の理由は、マーケティングは環境の変化により進化していきますが、ブランドの本質部分は変化しないからです。
マーケティング戦略は一度構築したら終わりではありません。
なぜなら、市場や顧客を取り巻く外部環境が絶えず変化しているため、それに合わせて戦略だけでなく、市場や顧客の見直しが常に必要だからです。
しかし、プロダクト、サービスや企業のブランドはそのプロダクトやサービス、企業の本質であり、コアの哲学は時代を超越する価値となります。
随時マイナーチェンジが必要なマーケティングよりも、時代を超越したアプローチができるブランディングに軸を置くことで、組織やマーケティング体制、プロセスも安定するでしょう。
なぜマーケティングとブランディングの理解が大切なのか
トレンドや最新のマーケティング手法を理解していればマーケティング戦略や施策は検討できるため、短期的な集客は可能です。
しかし、ブランディングができていないとファンを獲得できなかったり、顧客の購買判断にネガティブに働いたり、長期的な顧客との関係性を築くことができません。
ブランディングを行なうことで、ファン層の創出や自分のプロダクトやサービスの特徴を明確にすることができます。
それにより、顧客の量ではなく、顧客の質を高めることができます。人口の減少を受けて縮小を続ける日本経済で生き残るためには、規模よりも密度を追うことが求められるでしょう。
また、ブランディングがいくらできていても、顧客のニーズを捉えてなかったり、マーケティング戦略がしっかり練られていなければ利益には繋がりません。
このように、マーケティングとブランディングを理解していなければ、ビジネスでは成功できません。そのため、どちらもしっかり理解するようにしましょう。
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