今月もIoT関連ニュースが国内・海外から多く届いています。その中から特に注目のニュース・トピックを厳選して紹介します。
【三菱電機】センサーネットワーク向け電池駆動無線端末 「BLEnDer ICE」を開発
三菱電機株式会社が今回開発した「BLEnDer ICE」は、ガス・水道メーターとつなげ、センサーネットワークへワイヤレスで接続可能なセンサーネットワーク向け電池駆動無線端末です。
「BLEnDer ICE」は、検針員がメーターを目視・検針している状況を大きく変化させる可能性を持つデバイスです。汎用インターフェースを標準装備し、センサーネットワークへワイヤレス接続することが可能なので、各種メーターやセンサー機器と接続可能、専用の通信インフラが不要です。
検針以外にもBLEnDer パッケージを活用した大規模ネットワークを用い遠隔監視・制御が可能、業務の効率化・低コスト化へ大きく貢献することが期待できます。
また、低消費電力の最長10年間交換不要の電池駆動であるため、設置場所を選ばず、使用コスト減も実現しています。
株式会社スマートロボティクスが、AI×自動走行型アームロボット「トマト自動収穫ロボット」の実証実験をビニールハウスで開始
農作業の約半分を占める収穫は多くの人手を必要とします。今回実証実験が開始された株式会社スマートロボティクス設計開発の「トマト自動収穫ロボット」はこの課題をクリアする大きなステップになることが期待されます。
「鈴なりで果実がなり、傷つきやすくサイズが小ぶり」という性質からミニトマトを収穫対象として選定、トマト自動収穫ロボットにはカメラ・距離センサーが搭載され、更にディープラーニングを使用しトマトの認識・サイズ判別・収穫可能か判断します。
スマートロボティクス社のオフィス内に設置したミニトマト苗の収穫実験では、ハウス内を自動で移動し収穫、1個あたりの収穫時間「約15秒」を実現しています。今回、傷つきやすくサイズが小ぶりという難易度が高いミニトマトを対象とし短時間での収穫を実現した事で、他の野菜・果物でも汎用的に利用可能であることが期待できます。
今後更に、自動走行機能のさらなる改良、コストダウンを行い量産化、昼夜での認識機能の向上など様々な改良を進め、2020年春の実用化を目指しています。提供形態については生産者の導入コスト負担を減らすために、収穫時期のみに利用するレンタルを中心とする予定ということです。
長時間使用可能なウェアラブルデバイス「fitbit」シリーズ
近年広く知られる様になったスマートウォッチは、アクティビティトラッカー(活動量計機能)や、心拍数や睡眠スコアを計測、更にはAIアシスタント機能により話しかけるだけでリマインダーや天気予報の確認が出来るなど、様々な機能を持つようになりました。
その中でも特にスタイリッシュなデザインと機能性で一歩先を行くのが「fitbit」です。
「fitbit」の様々な機能・特徴
- 最大6日以上使用可能なバッテリー搭載
- 常時表示モード
- Amazon Alexa搭載
- 睡眠データの記録機能
- 心拍数の測定
- 水深50mまでの耐水使用(水泳に対応)
Apple Watch発売により大きく話題となったスマートウォッチは多彩な機能を持つ反面、日常利用において駆動時間が短いというデメリットがユーザーの不満点として多く挙げられました。「fitbit」は最大6日以上使用可能なバッテリー搭載、更に常時表示モード搭載で時計として必要な機能を十分に満たす性能を持っています。
更に最新モデルfitbit versa2ではAIアシスタント「Amazon Alexa」を搭載し、話しかけるだけで買い物リストの作成やリマインダーの設定、近くの目的のスポットを探すなど機能性と利便性を大きく向上しています。
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上の為には睡眠の質を高めることが重要となりますが、「fitbit」は睡眠データの記録機能より、睡眠ステージ・スコアの確認が可能、また指定の時間帯には通知機能をオフにするスリープモード搭載により睡眠の質向上をサポートします。
心拍数の測定機能は長期的な変化を記録・確認可能、健康管理の大きな助けになります。更に水深50mまでの耐水使用によりプール・水中でのワークアウトも測定可能。シーンを選ばず常にウェアラブル端末の機能を活用可能です。
「fitbit」のラインナップ
fitbitは様々なラインナップが提供されています。
スマートウォッチ
- Versa 2
- Versaライト エディション
- Ionic
トラッカー
- Charge 3
- Inspire シリーズ
- Ace 2
その他の製品
- Aria 2
様々なラインナップがあり、「スマートウォッチシリーズ」「トラッカー」「その他の製品(多機能体重計)」などがあり、機能・モデルにより価格帯が異なります。
Amazon Alexa・常時表示モード搭載の高機能モデルでしたらスマートウォッチシリーズのVersa2、コンパクト・スマートな外観のトラッカーは一部機能が限定されますがより手頃な価格帯で提供されています。
コニカミノルタがMOBOTIX 7スマートソリューションプラットフォームを搭載したM73 IoTカメラを発売
コニカミノルタの提供するMOBOTIX 7プラットフォームのコンセプトキーワードは「分散型」・「モジュール化」・「インテリジェント」。
人工知能とディープラーニングを活用し、従来型のセキュリティアプリケーションを超える可能性を新しい側面から実現へと進めています。今回発売されたM73 IoTは最先端のハイエンドモデルです。
MOBOTIX M73 IoTカメラは、高機能なCPUを搭載、30fps(frames per second)での4K解像度120dB ワイドダイナミックレンジなど、最新のカメラパフォーマンスを実現しています。
人工知能とディープラーニングにより、プリインストールされたアプリには顔、特徴、年齢、気分、性別などを認識する機能が提供されます。撮影範囲内の過密な状態を検出する機能により自動的に建物内に入ろうとする他の人を誘導、事故やパニックのリスクを減らす等、様々な事例での活用が期待出来ます。
2019 IoT Integration Awardを受賞
MOBOTIX M73は、生活を改善し、業務をより便利にするIoT製品が表彰されるIoT Integration Awardを受賞。リリース後数週間で商用ビデオ監視の革新性が認められています。
MOBOTIX M73は、生活を改善し、業務をより便利にするIoT製品が表彰されるIoT Integration Awardを受賞。リリース後数週間で商用ビデオ監視の革新性が認められています。
IDC Japan 2018年~2023年の国内ITサービス市場予測を発表
IDC Japanによると、2018年の国内ITサービス市場は、前年比成長率2.1%の5兆6,664億円になったとみられます。2018年は、2016年以降の国内金融・公共分野の大規模プロジェクトの収束の影響による成長率鈍化(1%台)の影響は残りつつも、製造・流通分野におけるIT投資の拡大により2%台まで回復しています。
2019年以降、デジタルトランスフォーメーション(IT浸透による生活向上)に取り組む企業はさらに増加しており、優位性・独自性を確立する企業は限定されますが、デジタルトランスフォーメーションによる業務の効率化・自動化が更に進みITサービス支出の拡大へ繋がるとしています。
2020年は、東京オリンピック・パラリンピックによる支出拡大も見込まれますが、翌年意向の反動減と国内経済の成長率鈍化により国内ITサービス市場の成長が阻害されるとしています。
2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.3%で推移と予測し、デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業の増加を支援するITサービス事業者にとっての新たな事業機会が見込めるプラスの側面だけではなく、既存の方法論・レガシーシステムの刷新によりITサービス事業者自身の変革が求められるとしています。
米調査会社CBインサイツ 自動運転分野のユニコーン企業ランキングリスト公開
スタートアップ企業やベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CB Insightsが自動運転分野におけるユニコーン企業(創業してからの10年以内、企業価値評価額が10億ドル以上の未上場ベンチャー企業)のランキングリストを公開しています。
- Didi Chuxing:$56
- Epic Games:$15
- Grab:$14.3
- Go-jek:$10
- SenseTime:$7.5
- Argo AI:$7
- Ola Cabs:$6.32
- XPeng Motors:$3.65
- Zoox:$3.2
- Horizon Robotics:$3
今回は上記の上位5社を紹介いたします。
1. Didi Chuxing 滴滴出行(ディディチューシン)
和国北京市に本社を置く中国の大手ライドシェア企業。中国の400都市の4億人以上のユーザーへ交通サービスを提供しています。
2017年にウォール・ストリート・ジャーナル紙はソフトバンクグループが滴滴出行に同社の自動運転技術を後押しするために60億ドル相当の投資を打診していると報じています。
Didi Chuxingは2015年だけで乗車回数14億回を達成、2016年には1日平均で2000万回以上となり世界で最も成長しているライドシェア企業となっています。 2016年には配車サービス大手のUberが中国事業をDidi Chuxingに売却しています。
2. Epic Games
アメリカ合衆国ノースカロライナ州を拠点とするゲーム開発会社Epic Gamesは、コンピュータのグラフィックス処理(GPU)開発のNVIDIA Corporation主催の開発者会議「GPU Technology Conference 2015」でEpic Games社のゲームエンジン(Unreal Engine 4)を使用した自動運転を使った展示で話題となりました。
3. Grab
東南アジア各国に拡大した自動車配車アプリで知られるGrabは、マレーシアを拠点にサービスを開始し、自家用車向けGrabCar、オートバイ向けGrabBike、相乗りサービスGrabHitch、などを提供しています。(現在の拠点はシンガポール)
こちらも、2018年には配車サービス大手のUberが東南アジア事業をGrabに売却しています。
4. Go-jek
インドネシアのジャカルタに本社を持つGo-jekは、東南アジア圏でGrabに並ぶ配車アプリです。 Go-jekは、宅配便・出前・買い物代行等のサービスも展開しており、それらの決済サービスとして「GO-PAY」を提供、GO-PAYを利用して税金や公共料金、保険料を支払う「GO-BILLS」、携帯電話料金の支払いサービス「GO-PULSA」なども提供しています。
5. SenseTime
香港に拠点を持つSenseTimeは、ディープラーニング技術を応用した人工知能と顔認識技術の研究と開発で広く知られています。
Hondaと協定を結び、2019年1月には、茨城県常総市に自動運転技術のための施設をオープンし研究開発とロードテストを開始した事で話題になりました。
SenseTimeは画像認識技術により従来は認識できなかった小型船舶の検知を可能とする見通しで、2019年には商船三井と共同開発を行うなど、得意分野を自動運転分野に限定せず、多角的に展開しています。
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