ビジネスをする上でマーケティングは欠かせない考え方になってきています。テクノロジーの進化などに伴い、マーケティングの種類も日々増えてきています。マーケティングを担当している方もすべての種類を追うのが難しいかと思います。そこで、本稿では伝統から最新のマーケティング手法まで37の手法をご紹介したいと思います。ぜひご参考にしてください。
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アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングとは、「外向き」という意味のとおり、プロダクトの認知などを目的とした潜在顧客に対して一方向的な情報発信を指すマーケティング手法です。例えば、テレビ広告、雑誌広告、折込チラシ、テレマーケティング、展示会などの手法があります。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、消費者に価値ある情報を提供することで消費者自ら企業の情報を見つけてもらうことで、顧客のファン化などを目指すものです。具体的な手法としては、ブログ・eBook・ホワイトペーパーやSEO対策などの手法があります。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、従来型のマーケティングとは異なり、テクノロジーやインターネットの普及に伴い発展したマーケティング手法です。SEM、SNS広告、SEOなど様々な手法があります。
SEM
SEMとは、Search Engine Marketingの略であり、検索エンジンを活用したマーケティングです。検索結果での上位表示させることでサイトへの訪問数を増やことが目的で活用されます。具体的な施策としては、SEOやリスティング広告などがあります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングやデジタルマーケティングでも重要な手法です。コンテンツマーケティングとは、潜在顧客に対して、ブログやホワイトペーパー、動画などに消費者が求める有用なコンテンツを作成することで消費者をファン化し、購入につなげる手法です。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングとは、FacebookやInstagramなどソーシャルメディアを活用したマーケティングです。ソーシャルメディアの特徴は、顧客との双方向のコミュニケーションが取れること、特定のファン層に向けて発信できること、拡散性があるということです。そのため、商品のプロモーションではなく、ソーシャルメディアにあった形でのコンテンツ制作が重要です。
ビデオマーケティング
ビデオマーケティングとは、コンテンツマーケティングの一種であり、ビデオコンテンツを活用したマーケティング手法です。ビデオコンテンツの特徴の一つは、圧倒的情報量です。ビデオは1分間で、180万語、原稿用紙4500枚、ウェブサイト3600ページ分の情報が伝えられるといわれています。また、ビデオコンテンツは拡散性も高く、ソーシャルメディアなどとの相性がいいことも特徴の一つです。
音声マーケティング
音声マーケティングとは、Google Home やAmazon Alexaなどのスマートスピーカーに対応したマーケティング手法です。従来のSEMと考え方は似ており、特定の質問がきた時に自社のプロダクトについて回答してもらうことを狙います。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、見込み顧客や潜在顧客に対してメールマガジンなどで有用な情報を送信することで、潜在顧客を顕在顧客にするための手法です。マーケティングオートメーションが進むことにより、顧客それぞれの状況などに合わせたパーソナライズしたメールも送れる様になってきた結果、現在再度注目されています。
カンバセーションマーケティング
カンバセーションマーケティングとは、様々なチャネルで顧客との対話を行うことで顧客とのリレーションを築くことです。手法としては、メール・チャット・対面など多数な方法があります。近年テクノロジーの進化に伴い、ライブチャットなどが増えてきております。
バズマーケティング
バズ・マーケティングとは、バイラルマーケティングの一種であり、インフルエンサーなどを活用してコンテンツを拡散させることを目的とした手法です。インフルエンサーやプラットフォームを活用して人為的に拡散させていくのが特徴です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、特定のコミュニティーに強い影響力を持つインフルエンサーを活用して、自社商品の特徴や認知を高めてもらうための手法です。YouTubeやInstagramなどのSNSが普及したことで、より影響力が高まっています。メリットは、通常の手法に比べて口コミ的な要素があり、広告っぽさがないということや特定のコミュニティーに向けて狙い撃ちが出来るということです。
アクイジションマーケティング
マーケティングの最終的目標は顧客獲得ですが、多くの施策は認知度アップ、ブランドイメージ向上などソフトなものとなっています。アクイジションマーケティングとは、顧客獲得に特化したマーケティング施策です。アクイジションマーケティングでは、ウェブサイトが顧客獲得に具体的に影響するように、フリーな商品を提供したり、ハブを作成したり、コピーライティングの強化などを行います。
コミュニティマーケティング
コミュニティマーケティングとは、コミュニティを通じてプロダクトを売る手法です。例えば、企業から進められるより、その商品領域に詳しい知人からおすすめされた方が購入意欲が湧くということがあるかと思います。このようにコミュニティを活用して、自社商品を広めてもらう手法です。
コミュニティマーケティングが増加している理由は、マスマーケティングの限界による新たな手法の需要喚起やSNSの普及によりコミュニティ形成が増えてきたことなどによります。
パーソナライズドマーケティング
パーソナライズドマーケティングとは、個別最適化されたマーケティングです。ユーザーそれぞれのデータを元に、ユーザーに最適化されたメッセージや情報の提供を行うという手法です。パーソナライズドマーケティングが可能になったのは、マーケティング技術が進化したことにより、様々なデータが取得可能になったことです。
しかし、注意点としては、どのようなユーザーデータを使用するかです。GDPR(EU一般データ保護規則)などが制定されたことなどからわかるように、ユーザー情報の使用には注意が必要です。
ブランドマーケティング
ブランドマーケティングとは、企業やプロダクトのブランドを活用したマーケティングです。ブランドとは、高級ブランドなどのイメージが先行しますが、もともとは牛の持ち主を区別するための焼印からきており、区別させるためのイメージという意味です。
つまり、製品や企業などに顧客が求められる価値を検討し、一般顧客が求める価値を設計し、ブランドの育成につながるような一貫性のある活動を行うことでブランドを育成し、購買につなげることです。
ステルスマーケティング
ステルスマーケティングとは、インフルエンサーなどを活用して広告とは思わせずに消費者に対してプロダクトを宣伝する方法です。具体的には、有名人に商品を利用してもらったり、映画へのプレイスメントなどがあります。近年、悪質なステルスマーケティングも増えてきたこともあり、企業により金銭が発生した場合は、PR表記をしなければならないなどの規制があることなどに注意してください。
ゲリラマーケティング
ゲリラ・マーケティングとは、低コストで消費者に対して、慣習にとらわれない方法で、消費者にインパクトをもってプロダクトなどを宣伝する方法です。たとえば、従来広告がない場所で屋外広告を予想もしないクリエイティブで展開ししたり、イベントを行うことなどがあります。ゲリラマーケティングにおいて重要なのは、どのように記憶に残るのか、そしてどのように拡散されるのかを考えることです。
ネイティブマーケティング
ネイティブマーケティングとは、記事やWEBサイト内で自社の宣伝記事を、通常の記事と同じように表示させる手法です。通常記事と同じように表示されるため消費者もハードルなく自社ページを閲覧することが出来るなどのメリットがあります。
アフィリエイトマーケティング
アフィリエイトマーケティングとは、成果報酬型マーケティングとも呼ばれ、企業が設定したコンバージョンを達成することにより成果が発生する手法です。例えば、ブログにECサイトのリンクを貼り付け、そのリンク経由で商品が購入された場合に成果が発生します。逆にコンバージョンが起きない場合は報酬が発生しません。
パートナーマーケティング
パートナーマーケティングとは、パートナーと協力することで商品の購買を促進する手法です。販売パートナーなどが代表的です。
製品マーケティング
製品マーケティングとは、製品がどのような価値を提供するのかや競合との差別化ポイントはどこなのかというポジショニングを設定し、プロダクトのポジショニングを軸としてプロダクトの販売を促進していく手法です。例えば、STP分析、4P分析などを活用します。
アカウントベースドマーケティング
アカウントベースドマーケティングとは、BtoBマーケティングにおいて有効な手法です。自社がターゲットとすべき企業(優良顧客)を絞り込み、適切なタイミングとアプローチを行うマーケティング手法です。MAやSFAなどを併用することで効率的に進められます。マーケティングと営業など他部署間の連携などが重要になります。
カスタマーマーケティング
カスタマーマーケティングとは、既存顧客とのリレーションを強化するために行うマーケティング手法です。カスタマーマーケティングのポイントは、顧客のペイントポイントをなくし、顧客体験を向上させることです。サブスクリプションモデルが増えていく中で重要性が増しています。
口コミマーケティング
SNSの普及や口コミサイトなどの普及に伴い、口コミはマーケティングにおいて現在特に重要なものの一つです。口コミマーケティングのポイントは、消費者が求めているプロダクトをしっかり作成することにつきます。消費者が気づいていないニーズに答えるようなプロダクトを意識しましょう。
リレーションシップマーケティング
リレーションシップマーケティングとは、カスタマーマーケティングの1種であり、顧客との関係性を築くことで顧客のブランドロイヤルティーを高める手法です。顧客との関係性を築き、ファン化していくことにより、そのファンがインフルエンサーとなり更にプロダクトを広げていってくれるかもしれません。このように、リレーションシップマーケティングは、短期的な視点ではなく、中長期的な視点で考えます。
ユーザー生成マーケティング
ユーザー作成マーケティングとは、ユーザーによるコンテンツ作成を促進することで拡散を狙うマーケティングです。例えば、有名な事例としては、アイスバケツチャレンジなどがあります。ユーザーがコンテンツに参加することで、リレーションを築くとともにユーザーを通して拡散を狙い認知拡大を狙います。
近接マーケティング
近接マーケティングとは、ビーコンやGPSを活用してエリアマーケティングです。例えば、店舗の近くにいる消費者に対して、クーポンの配信やメッセージを送信するなどして来店促進を行います。また、店内の決まったエリアにいるときに値引き情報を送信したり、競合商品情報を共有することも出来ます。
イベントマーケティング
イベントマーケティングとは、イベントを企画運営することでプロダクトの認知を高めたり、プロダクトを体験してもらうことで興味関心をわかせるための手法です。イベントは、オンラインでもオフラインでも実施可能です。例えば、セミナーの実施、商品の体験会などがあります。
体験型マーケティング
体験型マーケティングとは、イベントマーケティングより一歩進んだ考え方です。対面やイベントなどを通して、消費者に特別な体験をしてもらうことにより消費者との関係性を築いたり、ブランドロイヤリティを高める手法です。体験型マーケティングで重要なのは、そのプロダクトならではの特別な体験が出来るということです。例えば、会員制のパーティーや没入型のイベントなどがあります。
インタラクティブマーケティング
インタラクティブマーケティングとは、消費者が広告ビジュアルなどに対話することが出来る革新的なマーケティング手法です。例えば、消費者が選択しながらストーリーが進むビデオや、チャット、ライブコマースなどがあります。
グローバルマーケティング
グローバル・マーケティングとは、海外での展開を検討するマーケティング手法です。進出する国の市場調査、国に合わせたコンセプト作り、販路開拓等が必要になります。
オムニチャネルマーケティング
オムニチャネルマーケティングとは、オンライン・オフラインなど企業とユーザーのタッチポイントとなる接点を全て連携させという考え方です。例えば、店頭に在庫がない場合、ECで購入できたり、ECで購入したものを店頭でうけとれるようになるなどオンラインとオフラインがシームレスにつながったことを指します。
ニューロマーケティング
ニューロマーケティングとは、脳科学の視点から、消費者の感情や意識を測定しマーケティングに活用するという考え方です。言語化される前の感情を測定することで従来ではわからなかった思考の動きを可視化することで今までにない視点でのマーケティング施策を検討します。分析手法としては、視線の動きを追うアイトラッキングや表情認識などがあります。
コーズマーケティング
コーズマーケティングとは、自社のプロダクトや売上を通して社会貢献、環境保護などにつながることを訴求する手法です。コーズ・リレーテッド・マーケティングとも呼ばれ、CSR活動としても知られています。コーズマーケティングで、売上・社会貢献・ブランドイメージ向上などのメリットがありますが、やり方を間違えると利益目的の社会貢献と逆にイメージ低下にも繋がるため注意が必要です。
物議を醸す(炎上)マーケティング
炎上マーケティングとは、消費者の間に議論を起こすような材料を提供することで注目を集める手法です。企業は、消費者が議論したいと思うような材料を提供します。しかし、最近はデリケートな問題に関わることや、不祥事などによる炎上など悪い意味として使われている事が多いです。
フィールドマーケティング
フィールドマーケティングとは、小売店舗など消費者と直接接触できる場所で行うマーケティングのことです。POPやサンプルなど購入の最後の後押しとなる施策を行うのが大きな特徴です。
マーケティングの種類まとめ
いかがでしたでしょうか。マーケティングは様々な種類があります。どの手法が正解はありません。自社の置かれている市場環境、使える予算、顧客などを把握した上で、最も適切な手法を選びましょう。
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