国内外の多くの企業・サービスが続々発信されているIoT分野のニュースを今回もピックアップしました。

今回は海外発のIoT関連事例とニュースを紹介します。

Cisco5G通信対応と機械学習でセルラーIoT接続管理を革新

Cisco IoT Control Centerは、異常検出とスマート請求によって更にインテリジェントになります。

5G、Wi-Fi 6などの新しいワイヤレステクノロジーは、既存のネットワークと比べ多くのメリットをもたらし、多くのデバイスと新しい高度な産業用IoTの基盤となります。

シスコの2020年インターネットレポートによると、これの通信環境の革新により2023年までにマシン間の接続は19%増加し、すべての接続の50%を占めると予想されています。

5G導入のメリット

大容量・低遅延の5Gの導入・ネットワーク活用により、様々なユースケースが可能になります。5Gの実効速度は既存の4Gネットワークの約100倍となる10Gbpsに達し、更に大量の端末と接続出来る多数同時接続を実現しIoTのネットワーク基盤になることが期待されます。

機械学習(Machine Learning)を使用したマネージメントの改善

毎日30億のイベントを可視化するCisco IoT Control Centerは、IT業務の拡大に対する人員不足の問題に対し、データの活用・人工知能と機械学習によって支えられたネットワークの自動化と分析・対応によるソリューションを提供します。

機械学習により、一つ一つ異なるネットワーク環境において、ローカル ネットワークから関連データを継続的に収集し非特定化した集約データセットと関連付け、高度に個別化されたネットワーク ベースラインを構築し、それらを常に学習し適応させます。

こうして可視性の向上は機械学習モデルが異常を迅速に特定し、顧客に影響を与える前に問題に対処できるようにします。


IoT環境に適したイベントブローカーモデル(ebPaaS)

IoT(モノのインターネット)の普及により、あらゆるものが相互につながった世界の実現を期待されます。その実現のためには、現状よりも更にIoT接続を強化するクラウドプラットフォームが必要とされます。

IoT向けのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス、インターネット経由のサービスとして提供するソフトウェアプラットフォーム)が現在続々と提供されています。

イベントブローカープラットフォームとしてのサービス(ebPaaS: event broker platform as a service )は、多くのアプリケーションシステム、企業、またはIoTが集中するエリアに一度にサービスを提供し、トラフィック、データ管理、セキュリティをリアルタイムで処理できます。

競争力を解き放つ:石油およびガス産業のIoTによる変革

競争力を解き放つ:石油およびガス産業のIoTによる変革

石油・ガス産業におけるIoTの普及が競争力の向上に寄与することが期待されています。

温度計、圧力モニター、セキュリティカメラなど、これらすべてのデバイスによって報告される生データの急増は、帯域幅とデータボトルネックを作り出すと考えられており、これらの課題に対するソリューションとしてIoTデバイスの設置が750億台設置されるとの予測があります。

石油掘削装置のIoTネットワークは、水中の状態、岩の下の原油ポケット、およびそれを回収する掘削機器の能力に関する大量の情報を作成しますが、これらすべての膨大なデータの送信には長い時間がかかります。

掘削時間の損失や機器の故障の機会費用を考えると、石油産業がこれらのIoTネットワークへ投資することで毎分数百万の価値を生み出し、石油抽出までの平均時間の削減に繋がります。結果として、コストの低減と石油掘削の収益増にも寄与します。

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IoT導入を成功させるための3ステップのアプローチ

多くの人が、モノのインターネット(IoT)の採用率が当初の予測・期待を大きく下回っていることに同意することでしょう。IoTが提供できる様々なシチュエーションでの実証済みのメリットを考えると、企業がIoTを活用する方法がうまくいっていないと考えられます。

CompTIAのIoT諮問委員会のTerri Foudray氏によると、IoT普及はデジタル変革の中心であり、次の3つの主要な要素なしで成功することはできないとの事です。

1. C(チーフエグゼクティブ)レベルのコミットメント

IoTを採用するには、Cレベルのコミットメントと継続的なチャンピオンシップが必要です。IoT採用において、その達成によるイニシアチブの裏付けとして一人以上のエグゼクティブチームのメンバーが居ない場合、必要な優先順位を得ることが出来ず、また、会社全体のゴールラインを超えるために必要な変更を受け入れる意欲を育てません。

Cレベルの幹部は、組織内に橋を架けて、IoTの導入と同じくらい大きなプロジェクトを引き受けることができます。Cレベルのチャンピオンは、「迅速に失敗と反復」が行える環境を作り出す必要があります。

会社が追求するIoTイニシアチブが多ければ多いほど、会社全体でより多くの興奮を生み出し、いくつかのイニシアチブの成功の可能性が向上し、1つだけのアプローチよりも大きなビジョンを実証するため、成功への道が開かれます。

2. 企業全体からのエージェント変更

企業は、機能横断的に統合されたエージェントを変更したチームを確立する必要があります。これらのIoT兵士は、会社の将来を担うドライバーとして認識される必要があり、IoTを採用するための彼らの努力は賞賛される必要があります。

IoTの採用を促進するための認可・構造・および権限が必要です。また、リソースへの取り組みと新しいパラダイムの文化的受容のために、部門の外交官である必要があります。

3. システム全体のIoTフレームワーク

Cレベルの幹部とIoT委員会には、IoTシステム全体にアプローチするためのフレームワークが必要です。このフレームワークは、クラス最高のベンダーセット、プロジェクトの優先順位付けプロセス、概念実証にアプローチして管理するプロセス、および概念実証からパイロットに移行してから実稼働に移行する決定要因を定義します。

IoT採用においては、上記の様な企業内の構成変更や繰り返しチャレンジ可能な企業風土の確立が必須であるとされています。

ノキアが5G IoT機能でワールドワイドIoTネットワークグリッド「WING」を拡大

ノキアが5G IoT機能でワールドワイドIoTネットワークグリッド「WING」を拡大

ノキアは、5Gおよびエッジ機能を備えた多国籍企業向け製品Worldwide IoT Network Grid(WI​​NG)マネージドサービスを進化させることを発表しました。このアップグレードにより、各事業者はグローバルなインフラ設備に投資することなく、5G IoTサービスを提供できます。

ノキアは、世界的なWINGマネージドサービスを強化して、オペレーターが最小限の設備投資で5G IoTサービスを提供できるようサポートします。

WINGは、5G IoTサービスの拡張とコスト効率を向上させ、事業者のIoT市場シェア獲得をサポートします。WINGの5G IoTサービスの拡張により、通信事業者は企業顧客にサービスを提供し、5G IoTサービスを超低遅延・高セキュリティな強化された処理能力で提供できます。

WINGは低遅延・リアルタイムのデバイス管理と組み合わせたコスト管理をローカル特性とのグローバル接続で実現します。

WINGにより、事業者は公共サービス・リアルタイムの工業用監視および制御・リモートヘルスケアなどの業界に新しいビジネスモデルを実現することができるようになります。

これらのユースケースの多くは、レイテンシ、データの量と速度、セキュリティに前例のない要求を課します。WINGは、これらの厳しい要件を満たすようにゼロから設計されており、5Gへのシームレスなアップグレードを可能にする分散型の柔軟なアーキテクチャを活用しています。

この複雑な移行を容易にするために、ノキアはテキサス州ダラスにある5G WINGラボに投資し、世界中のオペレーターが5G IoTユースケースに接続してテストを開始できるようにしました。

エッジAIはコンシューマー市場が主。エンタープライズ市場への進出が課題。

ノースウエスタン大学のMohanbir Sawhney教授によると「自動運転車が、AI(人工知能)アルゴリズムを用いて差し迫った衝突を予測する場合、緊急ブレーキを作動するのに0.1秒も待つ事が出来ない」との事です。

この様な緊急性の強いシチュエーションでは、ネットワーク接続によりデータのやり取りではなく、デバイス自体がエッジAIプロセッサにより処理を実行することが現状では適切といえます。

それでは今後どのようなきっかけでエッジAIが企業で広く採用されるかとすると、キーワードは「ユースケースの明確性」です。たとえば、製品の検査とプロセス制御を自動化するマシンビジョンは、以前は手動で行っていたプロセスの品質と効率の管理を産業の製造現場などの領域で改善できます。

エッジAIの活用によりクラウドに依存するのではなくすぐに決定を下す必要があるケースもあり、またセキュリティの観点においては、サードパーティのクラウドにデータを保存せず、データはオンプレミスのままである必要があります。

クラウド内のAIとエッジAIは適切なシチュエーションでの使用により相乗的な機能性を発揮することが期待されます。エッジAIによりリアルタイムで実行される処理とデータがクラウドにアップされ、アルゴリズムがさらにトレーニング・アップグレードされる形態が理想です。

まとめ

注目の海外IoTニュースに関してご紹介してきました。海外IoTのニュースは、世界規模のグローバルなサービス展開を5G活用等で実現を狙う動きが見て取れます。IoT活用が普及するには多種多様なローカルネットワークでの活用、グローバルネットワークへの接続が重要となります。

プラットフォーム提供事業者にとっても、サービスの発展・事業効率化実現の鍵がIoT普及となるため、各事業者へ多様なIoT導入のメリットをアピールし採用されるのか注目です。