中小企業が大企業を目標とすると、 “全ての人“に販売しなければいけない、故にターゲットオーディエンスは “全世界“にいる、という神話を受け入れてしまうことがあります。
これは、紛れもない幻想です。
小規模事業者が、自社のサービスやプロダクトを購入してもらい、顧客からのロイヤリティを獲得するために堅実に組めば取り組むほど、より良いリターンを得ることが期待できます。
あなたは、ミッションを達成するのに十分な顧客価値を持ち、それを提供できているでしょうか?顧客獲得のためにどれだけの費用をかけているでしょうか、その顧客の生涯価値はどれくらいでしょうか?
マッキンゼーの2020年のレポートでは、”特定のチャネル間にいる一定の顧客を、どのようなデータを使って特定するか?”[1]という質問を投げかけています。
これを把握できない企業は、ロイヤリティの高い顧客とつながる機会を逃すことになるでしょう。
ターゲット・オーディエンスを理解し、セグメント化することは、中小企業にとって非常に重要であり、大量のデータを必要とします。
あなたの主な顧客は誰ですか?
中小企業の主な顧客は、顧客が抱える課題の解決や、欲求を満たすために提供しているものを必要としている人です。
これらの詳細を内側から知っていれば、すべての顧客を追い求めるのではなく、ある顧客層の獲得に集中して資本を投下できます。
顧客の抱える課題や欲求を特定する一つの方法として、あなたの売上高の上位60%の顧客が、自社の製品やサービスからどのような恩恵を受けているのかを理解するというものがあります。
特に、なぜ彼らがあなたのブランドにロイヤリティを持っているのかを理解するために、リピーターを軸に検討してみると良いでしょう。
また、ターゲット市場を狭めることでターゲットオーディエンスを定義することは、ビジネスにおいてマイナス要因とはならないことにも注意が必要です。
ターゲット市場を限定することは、ビジネスにとってマイナスであるという神話
起業家や経営者の中には、特定のターゲットとなる顧客に対して施策を実施することに抵抗を感じる人もいます。
しかし、これは誤りです。
ターゲット顧客を特定することは、自社のターゲット層に適合しない顧客にも予算を投下することになるため、効率的ではありません。
もし、ターゲットに合致しない顧客があなたの製品やサービスを求めている場合、ビジネスを横展開することも可能でしょう。
ターゲット市場を限定すると、ROI(費用対効果)が向上する
ターゲットとなる顧客層を明確にすることで、コスト効率が向上します。
無制限のマーケティング予算を持っていない限り、単に顧客になる可能性のある世界の見込み顧客に時間とお金をかけるよりも、自社の製品やサービスを購入する可能性が高いと判断した潜在的な顧客にリソースを集中させる方がはるかに効果的です。
自社のプロダクト・サービスを深く理解しよう
現代のビジネスは顧客中心であり、当然のことながら、あなたの製品やサービスを長く利用することが当たり前の世の中になりました。
あなたの会社が何をしているのか、なぜそうするのかを理解していなければ、どんなニッチ市場にも効果的にアプローチできません。
したがって、あなたの会社が何をしているのか、それがどのように潜在顧客に利益をもたらすのかを理解しておきましょう。
その上で、サービスやプロダクトのどのような特徴が競合優位性や市場機会を生み出しているのか、などをより踏み込んで考えてみましょう。
そのサービスやプロダクトの何がユニークで、どのように消費者の生活を変えることができるのでしょうか?
デモグラフィックとサイコグラフィックを考えよう
デモグラフィックとサイコグラフィックは、顧客のペルソナを設計するのに役立ちます。
これらは、利益率の高い顧客に焦点を当てた理想的な顧客のスナップショットです。
顧客の人口統計や心理を調査することで、ニッチなオーディエンスを特定し、例えば、顧客があなたのプロダクトやサービスを買う余裕が金銭的に、心理的に、地理的にあるかどうか、彼らがそれを必要としているかどうかを確認するのに役立ちます。
あなたのビジネスモデルとプロダクトやサービスの提供に応じて、複数のニッチ市場をターゲットにできることを覚えておいてください。
デモグラフィックには以下のようなものがあります。
- 年齢
- 性別
- 場所
- 婚姻関係または家族の状況
- 職業
- 宗教
- 教育レベル
- 収入
サイコグラフィックには以下のようなものがあります。
- パーソナリティ
- 態度
- 価値観
- 興味のあること・趣味
- ライフスタイル
- 行動
主な競合他社を特定できていますか?
競合他社から購入している顧客を観察、分析することは大切ですが、無思慮に同じ顧客を狙うことは拙策です。
あくまで、あなたの競合他社が参入できていない顧客層と市場があるかどうかを見極めるのに役立てましょう。
もし、既存強者が存在しないニッチを見つけたならば、顧客基盤を構築し、あなたのプロダクト・サービスを差別化することを積極的に検討しましょう。
まとめ
顧客がいなければ、ビジネスは成り立ちません。
あなたのプロダクトやサービスを成長させ、改善し続けるために、あなたの顧客にアプローチする方法を学ぶためにリソースを投資してください。
市場を深く理解し、それに応じてビジネスプランを調整することは、正常に、かつ継続的にビジネスを実行していくためのコアとなる部分です。
顧客は、常に市場に起きる変化の中心にいます。
賢い経営者は、常に市場を観察し、収益を維持するために細かな改善を行うのです。
コンテンツ提供:Kristi Pelzel
原文:Understanding Target Audiences is Critical for Small Businesses
[1]…Customer loyalty: The new generation
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