オンライン化とともに、マーケティング分野でも「デジタルマーケティング」の需要が増加している中で、
「デジタルマーケティングをしたいが、成功するのか不安」
「デジタルマーケティングを通して成功した事業が知りたい」
このような思いを抱いている方もいるのではないでしょうか。今回はこのような思いを抱いている方に、デジタルマーケティングの最新成功事例を紹介します。
8つの事例を参考に、自社のデジタルマーケティングを成功させましょう。
デジタルマーケティングの基本や業界についてはこちらでも解説しています。
デジタルマーケティング最新成功事例8選
ここから先では、編集部が厳選したマーケティングの成功事例を紹介します。
1.キリンシティ株式会社
2.コアラ・マットレス
3.阪急阪神不動産
4.日産自動車
5.住友ゴム工業
6.関西電力
7.株式会社ビザスク
8.株式会社ルネサンス
キリンシティ株式会社
キリンシティ株式会社は、ビアレストランであるキリンシティの経営とチェーン展開をする企業です。
抱えていた課題
来店者の多くが50〜60代を占めていたこともあり、20〜30代の若年層の新規顧客開拓に乗り出すことが当面の課題となっていました。また、デジタル技術を活用して飲食店におけるユーザーのストレスや課題を解消することや、顧客との関係を継続的なものにすることも求められていました。
行った施策
LINE公式アカウントを活用して、店舗とデジタルを繋げ、新たな顧客体験を実現
効果
顧客が注文時に感じるストレスやオペレーション工数、およびコストが大幅に削減されました。さらに、ユーザーとスタッフとの接触回数も減少し、コロナ禍における感染対策としても有効となりました。
新型コロナウイルスの影響もあって打撃を受けたが、オペレーションをデジタル化することによって、店舗そのもののDXを実現しました。
コアラ・マットレス
親会社であるKoala Sleep Pty Ltd Australiaの指示のもと、家具・インテリア用品の輸入・流通および販売事業を行う企業です。
抱えていた課題
本社のあるオーストラリアと日本では、他のSNSでのマーケティングを主軸としていたものの、Twitterの運用ノウハウがなかったため十分なマーケティング効果が得られませんでした。
行った施策
Twitterを使ったアカウント運用および広告運用を行い、顧客との密接なコミュニケーションを取りました。
効果
2018年のゴールデンウィークに、対象ツイートをリツイートするとコアラ・マットレスが当たるという「コアラのGW」プレゼントキャンペーンを実施し、ツイートと連動した広告展開を実施しました。それにより対象ツイートのリツイートが1,000件近くに上り、大きな広告効果が見受けられました。
これに付随し、「ワイングラステスト」の動画や会社自体の認知度も徐々に上がってきているという現場の声もありました。
以上のように、拡散性の高いTwitterを導入し、ユーザーとのコミュニケーションを積極的にとることで相互的なユーザーとの対話が生まれるようになりました。
阪急阪神不動産
阪急阪神東宝グループの一員で阪急阪神ホールディングスグループ内の不動産事業を展開する日本の総合不動産会社です。
抱えていた課題
マンションの販売手法として、チラシ・冊子・Webサイト・公共交通機関広告などさまざまなチャネルを利用していましたが、相対的な評価がされていませんでした。
また、チャネルごとに顧客の動きはあり実績を上げていたのですが、果たしてその実績が良い成績になっているのかの判断基準がなく費用対効果も見えない状態でした。
行った施策
広告費が無駄になっている可能性を発見し、以下の4点に取り組みました。
- 契約数が多い地域には、消費者のリアクションが良いワンランク上の広告を使用
- 出稿した広告の成果が悪い地域への予算を、優先度は低いが成果の良い地域に振り分け
- 紙媒体の広告の成果が悪い場合は、Webサイトのコンテンツを参考に見直し
- 紙媒体の成果が悪ければ、他媒体に予算を振り分け
効果
データ分析に力を入れた結果、無駄にしていた広告費を効果的に使うための取り組みにつながりました。
日産自動車
日本の大手自動車メーカーで、北アメリカやヨーロッパなどの50か国では高級車ブランドのインフィニティ、新興国向けには低価格ブランドのダットサンを展開しています。
抱えていた課題
見込み顧客を集め購買意欲を高める目的で、簡易店舗から販売店に顧客を誘導していましたが、簡易店舗からどこの販売店にどのくらいの人が流れているのか把握できていませんでした。
行った施策
簡易店舗から販売店への送客効果を把握するために、リアル来客分析システムを導入しました。
簡易店舗と販売店にWi-Fiを設置して、いつどのタイミングでどこの販売店を訪れたのかなど顧客の動向が把握できるようになりました。
効果
簡易店舗と販売店の実績データを共有化して、販売実績や送客率の可視化に成功しました。
住友ゴム工業
タイヤやスポーツ用品を製造する住友グループの企業です。
抱えていた課題
新事業として住宅用制震部材の開発をした当時、従業員数が10名に満たないかつ、住宅用制震部材を取り扱うのも初めてであったため、営業ルートやノウハウを持ち合わせていませんでした。
行った施策
検索エンジンからのキーワードに連動して、サイトが上位表示されるGoogleリスティング広告を活用し、自身のホームページに潜在顧客を誘導する手法を採用しました。
効果
自社ホームページへのアクセス数が、導入前と比較して30~40%も上昇しました。
検索キーワードの流入情報を確認することで、潜在ユーザーの顧客ニーズを理解することに繋がり、更なるマーケティングに生かせられました。
送客率を基に簡易店舗のプロモーションの評価ができて課題が鮮明となり、改善を繰り返した結果、顧客満足度の向上にも成功しました。
関西電力
電気の販売量が日本国内3位の電力会社です。
抱えていた課題
一般家庭や小売店が自由に電力会社やサービスを選択出来るようになったため、電力を提供する側の電力会社にも変化が求められる時代となりました。
行った施策
従来のアナログ電力計で計測する方法から、システムを活用して30分毎に顧客が電気使用料を確認出来るスマートメーターの導入をはじめました。
さらにスマートメーターを応用したシステムとして、ひとり暮らしの高齢者の生活リズムを家族の方に知らせるサービスなども提供しました。
効果
お客様自身で今月の電気使用料を手軽に確認出来るようになったことはもちろん、毎月の訪問検針も不要となり、顧客・企業双方にとって大きなメリットがありました。
また、生活リズムお知らせサービスについても、スマートメーターを導入している家庭であれば無料で利用することが可能なため、多くのお客様に取り入れてもらえるサービスに成長しました。
株式会社ビザスク
ビジネス領域特化のナレッジプラットフォーム 『ビザスク』 『ビザスクlite』の運営、新規事業創出、組織開発に関するコンサルティングを行う企業です。
抱えていた課題
営業活動において、名刺交換などで一定のリード数は獲得できていたものの、新規顧客獲得のためのマーケティング活動はほとんど手つかずの状態でした。
行った施策
Adobe社が運営するMarketo Engageを利用しました。
これは、顧客の属性情報に加えて、すべてのマーケティング・チャネルにおける情報を収集・整理し、顧客管理をより便利にするツールです。
効果
担当者1名で月10本以上のセミナーを管理・運営できるようになり、当初に比べるとリード数・商談数ともに20倍以上の増加しました。
また、リードの流入元が可視化され、どの施策が有効なのかを数値により判断し、顧客の状態に応じたアプローチの実践が可能となりました。そのため、リード獲得数のみならず、商談アポ率も向上しました。
株式会社ルネサンス
スポーツクラブの運営などを行う会社です。
抱えていた課題
フィットネスクラブ業界では、競合が増える一方、利用人口が減っており、いかにして入会顧客に継続してもらうかが課題となっていました。
入会顧客とのコミュニケーションのために、メルマガやアプリの開発・導入も検討しましたが費用面や連絡面がハードルになり実現が先送りとなっていました。
行った施策
Yappliというノーコードで自社のアプリを開発・運用・分析できるプラットフォーム型サービスを導入しました。
効果
アプリ導入後は、プッシュ通知でのキャンペーン告知や割引クーポンの配布により売上が前年同月比の1.4倍になり、また公式YouTubeの再生回数も3ヶ月で20倍へと向上しました。
参考
デジタルマーケティングの最新導入事例8選
デジタルマーケティングの導入事例7選!成功事例から自社に合う戦略を学ぼう
デジタルマーケティングの成功事例3選!失敗しない6つのポイント
デジタルマーケティングで失敗する7つの原因
デジタルマーケティングの失敗には、7つの原因があります。
1.目的・戦略が不明確
2.手段の目的化
3.検証をしない
4.オフラインとの非連携
5.リスク対策
6.バニティメトリクスのみに注目する
7.すぐに結果を出そうとする
目的・戦略が不明確
そもそもなぜデジタルマーケティングを実践する必要があるのか目的が定まっていない場合、デ効果が実感できません。どのような結果をだしたいのか、3ヶ月で顧客満足度を15%向上するといったような定量的な目的を設定しましょう。
目的と同じように、戦略が不明確ではデジタルマーケティングは成功から遠のきます。どのような目的のもとで、どのような戦略が最適なのか考案しましょう。
事例で紹介したように、LINEなどのSNSや、Googleリスティング広告など、デジタルマーケティングで使われるツールは多岐にわたります。多くのデジタルマーケティングに活用できるツールから、戦略に最適なツールを活用しましょう。
デジタルマーケティングの戦略構築方法についてはこちらでも解説しています>>
手段の目的化
なんのためにデジタルツールを使うのかを定めていなければ、成功は遠ざかります。
他社のデジタルマーケティング成功事例を踏まえて、ツールを導入するケースがあります。しかし、そのような場合デジタルマーケティングに使えるツールの導入に満足してしまい、手段が目的化されていないため、結果的に効果は見えません。
他社のデジタルマーケティング成功事例を参考にする際には、ツールをそのまま真似するのではなく、自社の目的を考えて手段を検討しましょう。
マーケティングで活用したいツールについてはこちらでも解説しています。
【保存版】失敗しないマーケティングツールの選び方-全28種の特徴を解説>>
検証をしない
デジタルマーケティングをしたうえで効果を検証しなければ、改善案が考案できず、数値は改善できません。デジタルマーケティングをしただけで終わってしまっていては結果が改善されないため、必ず検証しましょう。
検証が済んだら反省点や良かった点を挙げ、反省点を分析したら次に改善できる行動を考案しましょう。
オフラインとの非連携
店頭販売などデジタル上で完結するビジネスでない場合、マーケティング以外の部署と連動してマーケティング活動をしたり、デジタルマーケティングの結果を共有したりする必要があります。
デジタルマーケティングの結果を、他部署がどのように改善すればいいのかわからなければ、成功できません。
そのため、デジタルマーケティングには直接関わらなくても、そのサービスの購買活動に関わる人達と連携する必要があります。
リスク対策
例えばGoogleの場合、Googleは年に数回、大きくアルゴリズムが変動します。そのため、検索順位が大きく下がりWebサイトへのアクセスが大幅に減少する可能性があります。
1つのプラットフォームに依存しすぎた施策や、リスクを考慮していなければ打撃を受ける可能性があります。そのため、リスク対策として、1つのプラットフォームに依存しないようにしましょう。
バニティメトリクスのみに注目する
バニティメトリクスとは、虚栄の指標といい、その指標が改善したとしても、実際に最終的な目標に貢献していない数値のことを指します。
例えば、Instagramのフォロワー数やいいね数などです。
バニティマトリクスを最初の戦略段階でKPIに据えてしまうと、特に成果にはつながらなくなってしまいます。
すぐに結果を出そうとする
目先の数値にとらわれるあまり、すぐに結果を出そうとするケースがあります。しかしこのような場合、長期的に見て成功とはいえない場合があります。
例えば、すぐに顧客がつかめたとしても、その顧客が長期的に購入してくれるとは限らないためです。短期的な目標の意識も必要ですが、長期的な目標も視野に入れましょう。
【保存版】失敗しないマーケティングツールの選び方-全28種の特徴を解説
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