マーケティングが大事とよく聞くので、マーケティングを勉強したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、勉強するにしても何を勉強すればいいのか、どう勉強すればいいのかよくわからないという人も多いと思います。本稿では、マーケティングの勉強のコツ、マーケティングの勉強をする時におすすめの書籍、サービスなどをご紹介します。ぜひご参考にしてください。

マーケティングとは?

マーケティングとはなんでしょうか?様々な団体や有識者による定義はありますが、どの定義にも共通して言えるのは「売れる(儲かる)仕組み作り」であるということです。

広告や調査といった一面的な面ではなく、物流、プロダクト、ブランドなど様々な要素が組み合わさる事によって売れる仕組みを作ります。どのような価値を、誰に、どこで、どのようにして売るのかを考えるのがマーケティングです。


マーケティングと言っても、実際何を勉強すればいいのか

それでは、具体的にマーケティングを勉強すると言う時に何を勉強すればいいのでしょうか。

歴史を知ることは意外と大切?

マーケティングを勉強する時に、どうしても最近の事例やマーケティング手法に注目しがちです。しかし、最新の手法は一過性のものが多いです。

マーケティングは歴史とともに発展してきました。そのため、マーケティングはどのように発展してきたかを理解することで、マーケティングの概念を理解することにつながります。例えば、フィリップ・コトラーが提唱したマーケティング理論などを学習することがおすすめです。

伝統的な戦略論・フレームワーク

伝統的なフレームワークや戦略論は過去の成功事例を分析したりすることによって生まれました。マーケティングの歴史と同様、伝統的な戦略論やフレームワークは、今も使われているからこそ残っています。フレームワークを学ぶことは、論理的に考えたり、漏れを無くすのに有効です。

事例

歴史やフレームワークなどの基礎的な要素を軸に、実際の事例について調べましょう。事例を通して、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのかと言ったことや、学んだ理論や戦略などがどのように活用できるのかなどを理解することが出来ます。 

事例を学ぶ際には、同業他社の事例、成功事例、イノベーションの事例などを中心に学ぶことがおすすめです。

一般教養も大切

マーケティングを学ぶ時に、マーケティングのことだけを学ぶだけではなく一般教養も大切です。マーケティング戦略を検討する際で、より広い視点で考えることが出来ます。

特におすすめは、消費者がどのように行動するのかといった行動経済学や、社会動向などを理解する社会心理学、分析などの際に活用できる統計などのデータサイエンスです。

トレンド

マーケティングの戦略、フレームワークなどの基本的な情報を理解してから、現在流行している手法など最新トレンドを学びましょう。

上述したとおり、トレンドの戦略やフレームワークは一過性のものが多いです。その際、それがトレンドだということを理解することが重要であり、そのためには基本的なスキルを身に着けている必要があります。また、トレンド自体を理解するだけでなく、なぜそれが流行していることなどを考えることもマーケティングを理解する上では有効です。

マーケティングの勉強・独学におすすめの書籍

マーケティングの勉強を始めるときは独学の場合が多いかと思います。そこでココでは、独学で勉強をする際に、おすすめの書籍をご紹介します。

マーケティングの基本の勉強におすすめ

まずは、マーケティングの基本におすすめの本をご紹介します。

ドリルを売るには穴を売れ

マーケティングの入門書としておすすめの本です。マーケティングの基本となる顧客は商品を求めているのではなく、その提供価値を求めているという基本を学べます。また、それ以外にもSTP分析、差別化戦略、4Pなどの基本的理論を学ぶ事ができます。

100円のコーラを1000円で売る方法

マーケティングの基本的なコトラーの歴史からキャズムなどの最新理論までを学べる本です。どのようにコンビニの100円のコーラを1000円で売れるのかと言うのをマーケティング視点で、ストーリー形式で紹介します。ストーリー形式なので、読みやすいためマーケティングを学び始めたいという方にとっておすすめの一冊になっています。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

USJをV字回復に導いた森岡氏による著書です。実際に森岡氏がUSJをV字回復させた道のりとともに、マーケティング論を解説しています。様々なマーケティング理論のそもそもから実践するためまでの方法を、USJの事例を通して学べる一冊です。

コトラーのマーケティングコンセプト

マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーによる著書です。フィリップ・コトラーの他の著書は1000ページ以上もあり初心者には少しハードルが高いですが、本書はマーケティングで重要な80コンセプトを厳選し解説したものです。各章で完結しているため、簡潔に読めます。また、コンセプトもABC順になっており、事典としても活用できます。

マーケティング思考力トレーニング

マーケティング思考力トレーニングは、従来の読むだけで学ぶという選択肢だけでなく、実際に手を動かせながら学べるという新たな勉強法ができる本です。実際の事例をトレースすることにより、戦略やプロセスを可視化することで、マーケティングのフレームワークなどを学ぶことが出来ます。

マーケティングの戦略・フレームワークの勉強におすすめ

つづいて、マーケティングの戦略やフレームワークを学ぶのにおすすめの書籍をご紹介します。

マーケティング戦略[第5版]

マーケティング戦略は、伝統の戦略から最新の事例も含む最新の戦略論まで幅広くマーケティング戦略がカバーされている著書です。伝統的な戦略論だけでなく、最新のマーケティング戦略まで学ぶのに有効な本です。

[改訂4版]グロービスMBA マーケティング

グロービスMBAマーケティングは、グロービス経営大学院のマーケティングの参考書であり、体系的に伝統的なマーケティング戦略がまとめてあるため、初心者でもわかりやすく理解することができます。

マーケティングに役立つ教養の勉強におすすめ

マーケティングに役立つ一般教養の勉強におすすめの本をご紹介します。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

USJの成功を導いた数学マーケティングを紹介しています。どのように成功を導いたのかの原理、論理を、数式などの根拠と共に解説しています。文系の人には数式や統計などが理解が難しいかもしれませんが、丁寧に説明されているためマーケティングに従事している人なら誰でもおすすめの一冊です。

統計学が最強の学問である

本書は統計学に関してやさしく解説している入門書です。ビッグデータなどデータ分析の重要性が叫ばれている中で漫然とデータを見ているのではなく、視点が重要です。その際、有効なのが統計的な視点でどのようにデータを見るかです。本書はどのように統計をビジネスに活用するのかを紹介した統計学入門書としておすすめです。

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「因果推論」の基礎知識や分析方法などをビジネス向けに紹介した一冊です。例えば、チーズの消費量とシーツに絡まって死亡した人は相関関係があります。しかし、実際にはなんにも因果関係がありません。このようにデータをどのように見るのかの考え方を紹介しています。池上彰氏のコメント「私たちがいかに思い込みに左右されているかを教えてくれます」という言葉のとおりです。

消費者行動論(ベーシック+)

マーケティングの基本は消費者を知ることです。本書では、消費者ニーズ、買い物行動、購買意思決定、態度、知覚、感情などの基本的な概念に加えて、幸福や贅沢、コンシューマーインサイト、コ・クリエーション、オンライン消費者行動、解釈学的アプローチなども解説します。

社会学のエッセンス[新版補訂版]

社会学のエッセンスも消費者を理解するために有効な本です。消費者がどのように思い、考え、行動するのか、を知る事ができる有効な本です。

複雑さに挑む社会心理学[改訂版]

複数の中で個人がどのように行動し、どのような心理を持つのかを考えるのが社会心理学です。本書は社会心理学の入門書としておすすめの一冊です。

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マーケティングの勉強・独学におすすめのサービス

マーケティングの勉強に活用できるサービスをご紹介します。

グロービス学び放題

グロービス大学院が提供している動画学習サービスです。マーケティングだけでなく、経営、会計など幅広い領域の講座を提供しています。また月額1,980円から気軽に利用できます。

Udemy

Udemyはオンライン講座サービスです。デジタルマーケティングからマーケティング分析など幅広い講座があります。有料の講座中心ですが、無料の講座もあります。また、有料講座の場合でも30日以内の返金サービスなどもあり手軽に利用できるというメリットがあります。

Schoo

Schooは最先端を学べるオンライン講座サービスです。講座は基本的に生放送で配信しており、チャットなどを通して講師の人に不明点などを質問することができ、初心者の方も安心です。有料会員になれば録画視聴もできるため、時間を気にせず勉強できます。

効果的なマーケティングの勉強方法

最後にマーケティングを勉強する際のポイントをご紹介します。

1.経験者と積極的にコミュニケーションを取る

まず1点目は、経験者とのコミュニケーションを取ることです。本やインターネットを通して、戦略やフレームワークや事例などを学ぶことが出来ます。しかし、マーケティングは実際に経験してみなければ、頭でっかちな人となってしまいます。そのようなことを避けるためにも実際の現場でマーケティングを経験している人に実情などを聞くことがおすすめです。

2.副業で実践してみるという選択肢もアリ

2点目は実際に経験してみることです。ご説明したように理論だけを学んでもマーケティングは行なえません。実際には想像もしないような事態などが起き、それにどのように対処するのかが重要になります。そのため、副業などで実際にマーケティングを行ってみるというのも一つの選択肢です。

3.いろいろな経験をする

3点目は様々な経験をするということです。マーケティングで重要な点の一つとして、消費者目線で物事をとら得ることです。そのためには、様々な経験を通して幅広い視点を持つようにすることがマーケティングを検討する上で有効です。

4.経営視点から見えるマーケティングもある

最後は、マーケティングからの視点からでもなく、幅広い視点を持つことです。例えば、経営視点から見ることによりプロダクトや消費者に関してなど待った違う考えが思い浮かぶかもしれません。このように、マーケティングという一面的な考えだけでなく多面的な視点を持つことが重要です。

マーケティングの理想と現実

マーケティングと聞くと、広告やイベントなどの販促活動やマーケティングによって売上100%アップなど成功事例だけが目につくかと思います。しかし、その裏には、調査を繰り返し、データの分析を何度も行い、社内説得など泥臭い仕事が多くあります。マーケティングは一夜でうまくいくものではありません。試行錯誤を繰り返すことにより法則を見つけ、やっと成功を手に入れられるものです。このような現実もしっかり理解しておきましょう

まとめ

いかがでしたでしょうか。マーケティングに興味ある方はぜひ本やサービスなどなにか始めてみてはいかがでしょうか。しかし、マーケティングは理論だけではありません。実際に試してみないと意味がありません。マーケティングの基本を理解したら、副業などなにか実践できる場を探してみることがおすすめです。