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これからマーケターになりたいという方やすでにマーケターで活躍しており、更に成果をあげたい、新たなプロジェクトを経験したいという方もいらっしゃるかと思います。そのためにマーケティングについて学びたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

マーケティングを勉強するときに理論を学んでおくことが有効です。そこで本稿ではマーケティング理論とは何かから、学んでおくべきマーケティング理論、学ぶ際におすすめの本をご紹介します。是非参考にしてください。

マーケティング理論の必要性

そもそもなぜマーケティング理論を学ぶ必要があるのでしょうか。理論とは、現実に起きている事象を分析した上で、事象に共通すること概念を導き出し形成化したものです。理論の特徴には大きく4つがあります。

  • 結果が予測可能になる
  • 事実を説明・解釈する手がかりを得られる
  • 現象を整理できる
  • 仮説を生み出す母体ができる

マーケティングでも理論を理解しておくことにより、無駄な作業や試行錯誤の防止に繋がり、業務の効果効率を上げることができます。

マーケティング理論とは?

マーケティングとは、「売れる(儲かる)ための仕組みを作る」ためのプロセスのことです。マーケティング理論とは、この売れる(儲かる)ための仕組みを作るためのプロセスに関しての理論のことですが、人や組織によって定義がそれぞれあります。

ここでは諸説あるマーケティング理論の諸説をご紹介します。

 関連:マーケティングとは?>>

コトラーの所説

フィリップ・コトラーは、近代マーケティングの父と呼ばれており、さまざまなマーケティング概論提唱してきました。コトラーのマーケティング理論では、「商品やサービスで利益を上げるためには顧客をしぼり、その顧客が求めている価値を提供すること」を基本としています。

マーケティングは、「ニーズに答えて利益を上げること」と定義されており、顧客視点にたって何が求められているのかを明確化することが重要としています。

フェアドーンの所説

マーケティング理論の著名な研究家であるフェアドーンは、マーケティング理論を「生産者から使用者または消費者ヘの財貨およびサービスの流れを支配する政策策定者の諸行為を明らかにするもの」と規定しています。

視点としては、企業の利潤を最大化させるために企業が用いる手段を最適化させることなどにより最適マーケティング・ミックス理論などを提起しています。

ハンセンの所説

ハンセンは、「マーケティングとは、消費者の欲求を発見し、それを製品とサービスの明細書に組み入れる過程であり、そこでより多くの消費者がますます多くの製品とサービスを享受できるように援助する」と定義しています。視点としては、消費者視点を軸に企業のマーケティング問題を解決するものです。

ハワードの所説

ハワードは、マーケティング理論を経営的な戦略と意思決定の志向で分析しています。企業、特にマーケティング担当者の統制可能な要素と統制不可能な要素とを区分したことが評価されています。

マッカーシーの所説

マッカーシーは、アメリカマーケティング協会の解釈に追加して、「マーケティングとは、顧客を満足させ、また企業の目的を達成するために、生産者から消費者または使用者への財貨およびサービスの流れの方向を定める企業活勤の遂行である。」と定義しています。

マッカーシーは、ハワード同様にマーケティング担当者が統制可能な要素を区分し、4Pモデルを提起しました。
関連:
マーケティングの4Pとは?
マーケティングの4Cとは?

コトラーのマーケティング理論の歴史

ここで改めてマーケティング理論の歴史に関してご紹介します。上述したコトラー氏は、1968年に発行した「マーケティング・マネジメント論」から理論をアップデートし、マーケティング1.0−4.0までを提唱しました。

マーケティングトレンドは1950年から変化し続けている

マーケティング1.0は、第2次産業革命頃からのまだものが少ない時代であり、コストを安くし大量生産を行う製品中心のマーケティングです。続いて、マーケティング2.0はオイルショック頃といわれており、物が溢れてきた結果、製品の差別化など消費者が求める価値など消費者中心のマーケティングが展開されました。

その後、インターネットの登場により消費者との接点が大きく変わりました。顧客と企業との双方向のコミュニケーションが可能になったり、プロダクトの差別化が難しくなりました。

その結果、プロダクトの機能ではなく、社会にどのように貢献するのかなどやビジョンが重要視されています。これがマーケティング3.0の時代です。
関連:【マーケティング3.0】価値中心の時代の実態と、知っておきたい10戒律>>

今はマーケティング4.0の時代と言われており、自己実現の時代と言われています。プロダクトそのものではなく、プロダクトを持っている自分がどのように見えるのかなどを重視する時代と言われています。そのために顧客との横のつながりを持ったり、カルチャーの発信などが重要になってきています。

マーケティングの歴史やマーケティング4.0について詳しく知りたい方はこちらもぜひ読んでみてください。関連:コトラーのマーケティング4.0とは?最新フレームワーク5Aから事例まで解説>>

【基礎】戦略推進に役立つマーケティング理論7つ

それでは具体的にマーケティングに役立つ基礎的理論7つをご紹介します。

 

PEST分析

PEST分析とは、外部環境分析のフレームワークの一つです。Politics(政治的要因)・Economics(経済的要因)・Society(社会的要因)・Technology(技術的要因)の頭文字から来ており、それぞれの視点で環境を分析する事により戦略検討に活用します。

PEST分析の詳しい進め方などに関してはこちらの記事を御覧ください。
関連:PEST分析とは?

3C分析

3C分析は、自社含めた内部環境を分析するためのフレームワークです。Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つの視点で分析を行います。3点から分析することで自社の優位性やチャンスなどを発掘し、事業を成功させる要因(KFS)を発見します。

3C分析の詳細に関してはこちらをご覧ください。
関連:3C分析とは?

SWOT分析

SWOT分析とは、内部や外部環境分析をするためのフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの点から分析することにより、自社の市場機会や課題を洗い出します。

SWOT分析を行うときのテンプレートなどを掲載しておりますのでこちらの記事も御覧ください。
関連:【テンプレート付き】SWOT分析とは?

STP分析

STP分析はプロダクトが対象とする顧客をクリアにする役割を持っています。STP分析は全てのマーケターに必要なフレームワークです。

STPとは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の略です。各要素からプロダクトに最適な顧客を洗い出し、競合と比較してどのようなマーケティング戦略を行えばいいのかがわかります。

STP分析の進め方や事例などをご紹介します。
関連:
セグメンテーションとは?>>
ターゲティングとは?>>
ポジショニングとは?>>

マーケティングミックス-4P分析

4P分析はマーケティング・ミックスに検討するフレームワークです。Product(製品戦略)、Price(価格戦略)、Place(流通戦略)、Promotion(プロモーション戦略)の4つの視点で施策を検討するフレームワークです。

4P分析について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

マーケティングミックス-4C分析

4C分析は、4P分析同様のマーケティングミックスを検討するフレームワークです。4P分析と大きな違いは、4P分析が売り手目線を中心に施策を考えるのに対し、4C分析は買い手目線、顧客からの視点を中心に施策を検討します。

Custmor Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客にとっての費用)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の4つの視点から施策を検討します。

4C分析について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

PDCA

PDCAとは、戦略の実行から検証を行い、戦略の改善を行うためのフレームワークです。「計画(Plan)」「行動(Do)」「検討(Check)」「実行(Action)」の4つのステップを繰り返すことで戦略を改善を目指します。

【基礎から応用まで】知っておくと視野が広がるマーケティング理論

続いて、知っておくことにより視野が広がるマーケティング理論6つをご紹介します。

イノベーター理論

イノベーター理論は、企業が商品を導入する際のマーケティング理論です。消費者は、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティー、レイトマージョリティ、ラガードの5つにわけ、市場に商品やサービスが普及するまでの経過を分析します。
関連:イノベーター理論は消費者心理の解像度を上げるきっかけに>>

キャズム理論

キャズム理論は、イノベーター理論のアーリーアダプター、アーリーマジョリティーに移行する際の大きな障害のことを指します。市場への普及を目指すためには、この大きな障害=キャズムを超えるための施策を実施する必要があります。

サイバネティクス理論

サイバネティクス理論は、制御工学と通信工学を融合して発展したものです。コンピューター・テクノロジーや航空宇宙学に影響を与えており、何度も結果をフィードバックし、企業の方針を見直すことで最終的にゴールにたどり着くというものです。

サイコ・サイバネティクス理論

サイコ・サイバネティクス理論は、上記サイバネティクス理論が応用された理論で、人間は目標を設定することで、潜在意識が無意識に達成に向けて行動するというものです。

ハフ理論

ハフ理論は、流通業の売上予測などに使えるモデルであり、売り場面積や人口統計などの情報を入力することで売上を予測するものです。

ジョブ理論

ジョブ理論は、顧客のニーズを論理的に把握するために有効な理論です。顧客がサービスや商品を利用するときには、必ず成し遂げたい目的があり、それをジョブと位置づけることでニーズを把握することで戦略を規定するためのヒントを得ます。

組織・リーダーシップの3つの理論

マーケティングといっても施策の実行などはマーケティングの部署だけで完結するものではありません。例えば、営業やエンジニアなどの開発部門との様々な部門やチームなどと組んで進行する必要があります。

そのためにも組織・リーダーシップ・マネジメントについても知っておくことがおすすめです。ここからは組織・リーダシップの3つの理論をご紹介します。

おすすめの組織・リーダシップの3つの理論

PM理論
分業理論
コンセプト理論

PM理論

PM理論とは、リーダーの行動理論の一つであり、Performance(目標達成機能)、Maintainace(集団維持機能)の2軸で整理します。Performanceは、目標設定や計画立案、指示、叱咤などにより成績や生産性を高める能力です。

一方、Maintenanceは、集団の人間関係を良好に築くことでチームを強化することを目指す能力です。それぞれ能力の強弱でリーダシップを分類し、行動規範を整理します。

分業理論

分業理論は、組織を機能ごとのユニットに分けていくことで業務の効率化、生産性の工場を目指す考え方です。

コンセプト理論

コンセプト理論とは、リーダーシップのあり方が企業や外部環境などの状況に応じて違うということを前提にパターンによるリーダーシップを提起した理論です。コンセプト理論には、カリスマ型・変革型・サーヴァント型・EQ型・ファシリテーション型などがあります。

経営戦略型の5つの理論

マーケティングを検討する際に、経営的な視点を持っておくことも重要です。顧客を喜ばせるために人・モノ・カネ・場所・時間がどのように使われるのかなども含めて、情報を管掌することが重要です。そのためにも経営的な視点を学んでおくことは有効です。

5つの経営資源

5つの経営資源とは、自社・他社・業界の資源状況を分析するためのフレームワークです。人・金・モノ・情報・時間の5つの視点で資源の現状を把握することで、適切な資源を把握することが求められています。

SECIモデル

SECIモデルとは、「共同化(Socialization)」「表出化(Externalization)」「連結化(Combination)」「内面化(Internalization)」という4つのステップで知識を創造するためのフレームワークです。個人のノウハウを全体で共有する際などに有効です。

リソース・ベースド・ビュー

リソース・ベースド・ビューは、企業の内部経営資源を分析し経営戦略を検討するためのフレームワークです。分析の視点には、Value(経営価値)、Rarity(希少性)、In-imitatibly(模倣困難性)、Organization(組織)の4つの視点するVRIOなどがあります。

SCPモデル

SCPモデルとは、ビジネスモデルを分析するための理論の一つで、産業構造が業績に大きく影響を与えるという考えの理論です。産業構造(Structure)が事業活動(Conduct)に影響を与え、それが最終的に業績(Performance)に影響を与えるというモデルを整理したものです。

そのため、経営戦略として魅力的な産業構造を見つけることが重要という考えです。

プロダクト・ライフサイクル

プロダクト・ライフサイクルとは、製品・サービスの成長パターンを整理した考え方です。製品は導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージにわかれ、それにあわせた施策を検討するという考え方です。
関連:プロダクトライフサイクルとは>>

マーケティングの理論の学習におすすめ書籍4冊

具体的にマーケティング理論を学べるおすすめの書籍をご紹介します。マーケティング業界はスピード感が早く、トレンドにあわせて常に新刊が出ています。

しかし、常に新しい情報を点で吸収するのではなく、伝統的な理論はまずは学んだ上で新たな情報を学ぶことを推奨します。そこで今回は伝統的な理論を学べる3つの本をご紹介します。

もっと多くの書籍を知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
関連:マーケティングを勉強する書籍&サービスと方法まとめ>>

マーケティング戦略 第5版 (有斐閣アルマ)

『マーケティング戦略』は、伝統の戦略から最新の事例も含む最新の戦略論まで幅広くマーケティング戦略がカバーされている著書です。伝統的な戦略論だけでなく、最新のマーケティング戦略まで学ぶのに有効な本です。

[改訂4版]グロービスMBAマーケティング

『グロービスMBAマーケティング』は、グロービス経営大学院のマーケティングの参考書であり、体系的に伝統的なマーケティング戦略がまとめてあります。理論はマーケティング戦略で学び、今日的なフレームワークやケーススタディはグロービスMBAマーケティングで学ぶという分担がおすすめです。

グロービスMBA集中講義 [実況]マーケティング教室

マーケティングは、必要とされ始めたのがつい100−200年前ということもあり、他の学問と比べると圧倒的に歴史が浅いのです。マーケティングの歴史を時系列で学び、理解しておくことはとても重要です。

新訳 ハイパワー・マーケティング

『ハイパワー・マーケティング』は全米でマーケティング・バイブルともいわれている名著です。現在増えているSNSマーケティングやウェブマーケティングの理論などを学ぶのにも有効です。

マーケティング理論を実際に活用するには?3つのマインドセット

それでは、最後にマーケティング理論を活用するためのマインドセットをご紹介します。

しのごの言わず実践してみること

ご紹介したような理論や経営戦略、ビジネスモデルなどは本を読めば一日で知識を得ることが出来ます。しかし、知識を得ているだけでは実践に活用できません。

物事を抽象的に整理するのは学術的な視点であり、実際に実践として成果を出すためには、理論を実践しながら再現することが重要です。そのためにも冒頭でご紹介したような戦略フローから実践してみることがおすすめです。もし、実践の環境がなければ自分で探してみる姿勢も重要になります。

「目的」的に取り組むこと

2つ目の視点は「目的」的に取り組むことです。理論を学ぶことや、理論の実践に集中するあまり、目的がわからなくなり効果につながらないかもしれません。

そもそもなんでマーケティングを取り込まなきゃいけないのか、マーケティングを行うことで何を実現したいのかを見失わないようにしましょう。もし、目的がわからない場合はイシュードリブンという発想を持つことがおすすめです。

イシュードリブンとは?

イシュードリブンとは、問題の本質的な課題を捉えた上でそれを元にして意思決定をすることです。常に問題の本質的な課題は何なのか、問題へのインパクトの大小などを軸に課題を見つけ、それに即した意思決定を行うことです。

常に新しい情報をキャッチアップすること

最後は常に新しい情報をキャッチアップし続けることです。ご紹介したようにマーケティングはスピードが早く、常に新しいテクノロジーや理論、新たなメディアやトレンドが変わります。そのためにも常に新しい情報をキャッチしながら最適な戦略を検討することが有効です。

Infohubのニュースアプリでは、国内・海外含めて最新情報を常にキャッチできます。一度ぜひ使ってみてください。

まとめ

いかがでしたか。マーケティング理論を理解することでマーケティングの基本を把握でき、また戦略を検討し、より効果の高い戦略立案が可能です。今回は基礎的な理論をご紹介しましたが、もしほかのフレームワークも興味ある方は是非こちらの記事も御覧ください。
関連:マーケティングフレームワークまとめ-戦略作成・分析に役立つ>>

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消費者の嗜好が多様化してきたことやインターネットの普及など、市場が大きく変化したことにより、大企業や中小企業、スタートアップ含め、どのような企業にもマーケティングの戦略は重要です。本稿では、マーケティング戦略とはなにか?戦略を進めるためのステップなど解説します。

マーケティング戦略とは?

マーケティング戦略の前に、マーケティングとは何かをご紹介します。

マーケティングとは、有識者や団体によって様々な定義がありますが、様々な定義に共通している要素は「売れる(儲かる)仕組みを作る」ということです。決して広告や調査だけの一面的な要素ではなく、様々な要素を組み合わせて売れる仕組みを作ることです。

この売れる(儲かる)仕組みを作るために、価値を、誰に、どのような手法を用いて、「売れる(儲かる)仕組みを作る」のかを策定するのが、マーケティング戦略の役割です。

経営戦略とマーケティング戦略の違い

このように聞くと、経営戦略と何が違うのだろうと思う方もいるかと思います。ここで、経営戦略とマーケティング戦略の違いをご紹介します。

経営戦略とは、中長期的にビジネス全体の持続的成長のための経営資源を最適に配分するための戦略です。

例えば、人事戦略・財務戦略などが含まれ、新規参入や事業撤退など大きな判断をするための戦略です。

それに対して、マーケティング戦略は企業が顧客にプロダクトを売るための仕組みを作るための戦略に集中します。マーケティング戦略は、経営戦略を決めるための重要な戦略の一部です。

なぜマーケティング戦略が重要なのか

なぜ、これほどマーケティング戦略が企業にとって重要になってきているのでしょうか?マーケティング戦略が重要になっている理由は、大きく3点あります。

消費者の多様化

まず1点目は、顧客の多様化です。以前の日本では、「3種の神器(冷蔵庫・洗濯機・テレビ)」や「3C(カラーテレビ・車・クーラー)」など消費者は同じものを求めるなど価値観が単一的でした。そのため、企業は商品を作り、販売していれば売れていました。

しかし、モノが溢れてきたことやインターネットの普及に伴い、消費者の価値観が多様化してきた結果、従来どおりの方法ではモノが売れなくなりました。そこで、消費者の理解や差別化などを検討するマーケティング戦略が注目れるようになりました。

消費者と企業の接点増加

2点目は、消費者との接点が増えたことです。以前は、テレビや新聞など企業が消費者にコミュニケーションできる媒体は限られていました。

しかし、WEBサイトやアプリなど様々な媒体の出現や、SNSが普及した結果、これまで以上に企業には消費者とのコミュニケーションが求められるようになりました。

このように複数の媒体において、どのように企業がメッセージを発信していくのか、消費者との関係を作っていくのかを検討する上で、マーケティング戦略が必要となってきています。

消費者属性行動の把握

3点目、デジタル化が浸透することに伴い、消費者の情報がより正確に把握できるようになったことです。

以前は、消費者向けにコミュニケーションをしようとしても、F2、M3 などの大枠でしか消費者を捉えられませんでした。

しかし、IT化が進み、消費者一人ひとりの細かな情報が取得できるようになったことで、ユーザー毎に最適化されたコミュニケーションが可能となりました。その結果、より効率的に、高い精度のマーケティング戦略が一層求められてきています。

マーケティング戦略を考える上で重要なステップ

それでは、ここから実際にマーケティング戦略を進めるための重要なステップをご紹介します。実際のステップを進めるときに有効なフレームワークは次章でご説明します。

マーケティング戦略は,6つのステップから構成される

STEP1:PEST分析でマクロ環境分析

PEST分析は政治(Politics)経済(Economy)社会(Society)技術(Technology)が由来しており、マクロ環境分析の際に用いられるフレームワークです。

  • Politics(政治):薬事法などの法規制
  • Economics(経済):株式市場や経済動向
  • Society(社会):外出自粛などのライフスタイルや社会動向
  • Technology(技術):5GやIoTなど技術革新

より広い視点で分析し、3年後など中期的なトレンドを掴むことができます。

STEP2:3C分析でミクロ環境分析

PEST分析にて中長期的なトレンドについて理解したら、自社・消費者・競合の3C分析をします。

ここでは、どのような目的で事業をするのかを確認する程度にしておき、消費者と競合の理解を十手店手系に行いましょう。詳細な自社の分析はSWOT分析に落とし込み、解釈していきます。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
3C分析とは?活用方法とマーケティング戦略に役立つSWOT・事例を紹介 - INFOHUB-media

STEP3:SWOT分析でマクロ・ミクロ環境を俯瞰する

SWOT分析は「市場と競合の分析を通じて、自社が生きる戦略」を見つけるフレームワークです。具体的には以下の表をご覧ください。

SWOT分析には、内部・外部要因、ポジティブ・ネガティブ要因があることも意識する

これまでのPEST分析や3C分析で積み上げたファクトと自社の状況を勘案し、優れたアイデアを生み出すことで、成長する機会を見つけるのがSWOT分析です。

また、より粒度の高い分析を可能にする「クロスSWOT分析」も有効です。
詳細は以下の記事をご覧ください。

マーケティングを行っているとSWOT分析というのをお聞きになったことがあるかもしれません。SWOT分析には企業分析というイメージがあるかもしれませんが、ビジネス課題や市場機会を検討する手法としても有効です。本稿では、SWOT分析の基本から市場機会を検討する際に有効なクロスSWOT分析、テンプレートを紹介します。是非参考にしてください。コンテンツサマリーSWOT分析とは、内部や外部環境分析をするためのフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの点から分析するこ...
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STEP4:STP分析

SWOT分析を終えたら、分析結果をもとにマーケティングの基本戦略となるSTP分析に落とし込みます。

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、ポジショニング(Pogistioniing)というマーケティングの大きな方向性を決め込むことです。

セグメンテーション(市場の細分化)

市場環境が把握できたら、多様な要素から構成される市場を自社プロダクトが最も適しているターゲット市場に細分化します。

この市場の細分化をセグメンテーションと呼びます。市場は様々な消費者の塊です。例えば、車市場だけでも「運転好き」、「家族との旅行用」、「近場の運転に使いたい」など様々なニーズがあります。

このようなニーズをひとくくりにして、車が欲しい人と捉えてしまうと自社のプロダクトを求めていない人までをターゲットとすることになります。

これを避けるために市場を細分化することで、より深いコミュニケーションをすることが可能です。

「せっかくマーケティング戦略を立案したけど、費用対効果が悪い」などの悩みがある方もいるのではないでしょうか。その原因として、顧客を捉え違えたり、市場が変化してしまったなどの理由があると思います。そこで重要となるのが、マーケティングセグメンテーションです。本稿ではマーケティングセグメンテーションの基本的な説明と、効果的なセグメンテーションを行うポイントについて解説します。この記事のまとめセグメンテーションとは、ターゲティングを行うために「市場や消費者を一定の塊(セグメント)に分類する」ことであ...
5つのセグメンテーションとは?-マーケ戦略での活用方法や注意点も - INFOHUB-media

ターゲティング

アプローチする市場が決定できたら「自社が理想とする顧客像を見つけ出すターゲティング」をします。

このプロセスで顧客な詳細なプロフィールを記載したペルソナを作る企業が多いです。

市場は多種多様な人から構成されており、それらに対して全方位的に施策を展開することは、効率的な予算の使い方ではないからです。

マーケティング戦略の中でターゲティングはとても重要です。プロダクトやサービスがいくら良くても、ターゲティングを間違えるとビジネスの成長曲線は鈍化します。本稿では、ターゲティングのやり方、ターゲティングを実施するときのポイントが知りたいという方に向けて、ターゲティングの基本からターゲティングの成功事例を紹介します。この記事のまとめターゲティングとは、市場の中から狙う顧客を設定することです。ターゲティングを行うことで、限りある資源で利益の最大化をすることを狙います。ターゲティングは、STP分析の一部...
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ポジショニング

ターゲティングにより自社がターゲットとする明確な顧客像を理解したら「顧客に、自社のプロダクト・サービスがどのように魅力的であるかを認識させるための活動」を行います。

これがポジショニングです。

顧客は競合企業と比較して購入するプロダクトを選定するため、自社のプロダクト・サービスが競合と「何が違うのか」といった差別化をする必要があります。

顧客を「私はこれを求めていた」「この商品が欲しい」と思わせる差別化をし、そのブランドイメージを顧客に浸透させましょう。

マーケティング・ポジショニングで目指しているのは、顧客に「この商品は他とは違う」と認知し購入してもらうことです。そのために、自社商品のユニークなポジションを分析していきます。自社のブランドのイメージを顧客に浸透させたい、競合とぶつかって成長曲線が鈍化した、このようなときに再定義したいマーケティング・ポジショニング。本記事では、他社との関係の中で、自社の価値をどのように置けばいいのか、というポジショニングの方法論を、ポジションマップの作り方、成功事例を含めて網羅的にまとめています。この記事のま...
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STEP4:マーケティングミックスの検討(4P分析・4C分析)

マーケティングミックスと言われる4C・4P分析の比較

STP分析を終えたら、マーケティングミックスを検討します。
自社のプロダクト・サービスの価値ををどのように消費者に届けるのかを検討するフェーズと考えましょう。

ここではコミュニケーションだけでなく、物流やプロダクトの設計など、顧客との接点となるあらゆる要素を考慮して手法を策定しましょう。

近年では、マーケティングミックスは4Pと4Cをベースに立案するのが一般的です。

4Pは製品戦略(Product)価格戦略(Price)流通戦略(Place)販促戦略(Promotion)を指し、
4Cは顧客価値(Customer value)顧客にとってのコスト(Cost)利便性(Convienece)コミュニケーション(Communication)を指します。

4Pは企業目線、4Cは顧客目線から構成されており、両者を活用することで主観と客観を持ち合わせた施策を実行できます。

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マーケティング戦略の構築についての詳しい解説は、こちらの記事でしております。

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マーケティング戦略に効果的なフレームワーク・考え方

具体的にマーケティング戦略を進めていく上で有効なフレームワークをご紹介します。

PMF検証

PMFとはProduct Market Fitの略でありNetscapeの創始者マーク・アンドリーセンの格言であり、スタートアップなどには欠かせない考え方です。

いくら商品が良くても、市場が小さければ意味がないですし、市場がいくら大きくても満足させるような商品がなければ意味がありません。

「良い市場を狙い、かつ、その市場を満足させることができる製品を持っている状態」がマーケティングにおいても重要です。

PMFを検証するためには、先行指標調査などの手法があります。

先行手法調査では、例えば「あなたは、このプロダクトが使えなくなったらどう感じますか?」と聞いて、4割以上が「とても残念に思う」と回答したらPMFが達成されていると考えられます。

市場分析などを進める上で、自社のプロダクトがPMFしているのかをしっかり検証しましょう。

5フォース分析

5フォース分析は、外部環境分析の特に、事業環境を分析するためのフレームワークであり、マイケル・ポーターによって提唱されたものです。

「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要素が市場の収益性に影響するというものです。それぞれの力が強いほど、市場の収益性が低いと分析されます。

進出する市場が良い市場であるのかを判断する材料として、PMF検証などと合わせて活用すると有効です。

BCGマトリックス

BCGマトリックスとは、ボストンコンサルティンググループが発案したフレームワークです。

マーケット成長率とマーケットシェアを切り口にプロダクトのポジショニングを策定して、中長期的計画を立案するのに活用します。サービスを「負け犬、問題児、金のなる木、花形」にマトリックスで整理し、戦略の検討が行えます。

BCGマトリクスを図解

例えば、負け犬では事業の撤退の検討、金のなる木では、どのように安定した成長を促進するのかの戦略を検討します。このように、BCGマトリックスは戦略の方向性を整理するためのフレームワークとして効果的です。

代表的なマーケティング戦略とその事例

ここでは、具体的な戦略の代表例、事例をご紹介します。

徹底した差別化を図る「弱者の戦略」

弱者の戦略とは、徹底的に差別化を図る戦略です。戦略のポイントは、局地戦、1点集中です。大企業が進出していないニッチ市場に特化し、その市場に集中し大企業の弱点を攻撃するというものです。

事例

弱者の戦略で成功を収めた事例として有名なのがアパホテルです。

従来のホテルは駅前の便利な場所で、広いスペースに立地していました。しかし、そのような場所は地価が高いため、宿泊料が高くなります。それに対し、アパホテルは通常のホテルでは立地が難しい間口が狭い土地などを活用することで、従来のビジネスホテルでは難しい低価格な宿泊料を実現しました。

その他、フリーチェックアウトシステムや社長を活用した広告など、他のホテルと徹底的に差別化するサービスやコミュニケーションを行うことで現在の成功を収めています。

特定地域内での支配戦略-「ドミナント戦略」

ドミナントは「支配的」「優位的」と訳されますが、自社の支配的優位性をかつよした戦略を行うものです。例えば、ある地域に集中して店舗を展開することにより、物流などの効率化を図り、地域内シェアを拡大することです。

事例

ドミナント戦略で有名なのはセブンイレブンです。セブンイレブンは、2013年時点で業界2位のローソンより店舗数が3000店舗も多かったが、出店エリアは40都道府県に限定しました。それに対してローソンは全国に展開していました。このように、出店エリアを限定することにより、そのエリア内でのシェアを高め、物流の効率化を進めることで成長しました。

コンビニの場合、エリアは県レベルではなく、さらに狭い区・町レベルで検討されています。

単一メーカーによる効率的な市場支配-「マルチブランド戦略」

マルチブランド戦略とは、同一市場において複数のブランドを展開することにより、単一メーカーで市場のカバー力を高め、市場の活性化をさせる戦略です。しかし、一つの市場で複数製品を展開してしまうため、カニバリズムが懸念されます。

事例

マルチブランドを展開している企業としては、ネスレ、P&G、コカコーラ等があげられます。例えば、ネスレはミネラルウォーターだけで「ペリエ」「ヴィッテル」「コントレックス」など6ブランドを展開しています。

マーケティング戦略を構築する上で注意しなければいけないこと

代表的な戦略をご紹介してきましたが、マーケティング戦略を進める上で注意すべきポイントをご紹介します。

製品・サービスのマーケティングと営業への適性

マーケティングと営業は補完関係にあります。例えば、マーケティング活動が弱い場合は、営業部隊の頑張りが必要になります。その一方で営業が弱いエリアに対しては、マーケティング活動のサポートが必要になります。

例えば、TVCMが放映されることが営業をする上での口説き文句になる場合もあります。このようにマーケティングと営業は離すことができない関係です。

しかし、全てのプロダクトが同様のバランスではありません。C向けなのかB向けなのか、展開する市場規模により、マーケティングと営業のバランスは変わります。自社の商品はどちらの要素が重要なのかの適性を判断しましょう。

「万能」は目指すな

マーケティング戦略では、取捨選択が重要です。市場全てを狙おうとして広く顧客をターゲティングしても、結果的にはどこのターゲットも取れないかもしれません。マーケティングは「万能」ではありません。

市場をしっかり絞り込み、狙った市場を確実に取りに行く事が重要です。

マーケティング予算は多くのチャネルに分散させる

3点目は、マーケティング予算を分散させることを意識しましょう。今までの経験で、TVCMだけに予算を使うことや過去と同じ施策を展開するといったことを検討するかもしれません。

しかし、マーケティングに重要なのは、PDCAを回しながら改善していくことです。

マーケティング予算を配分する上でも、どのチャネルに効果がありそうなのか試すことが重要です。

そのためには、なるべく多くのチャネルに予算を分散し効果を検証しつつ、レバレッジが見つかったら、集中するということを意識しましょう。

データは神よりも正しい

ウェブでの行動データなどを始め、IoTが普及することで現在消費者の様々な行動のデータが取得できるようになっています。

マーケティングを進める上で、どうしても勘や経験に頼ってしまうことがあるかと思います。しかし、データほど消費者のリアルを語るものはありません。そのため、常にデータをどのように咀嚼し、活用するのかを意識しましょう。

マーケティングの戦略論を勉強したい方に2冊おすすめ書籍を紹介

最後にマーケティング戦略論を学ぶための参考の書籍をご紹介したいと思います。

マーケティング戦略論の本を選ぶポイント

書店のマーケティングエリアを見ても、毎日新たな本が登場しており、どの本を選ぶのか悩むかと思います。

変化のサイクルが早い=流行りの戦略を学んでもすぐに使えなくなる

消費者から新たな情報が取得できる様になった結果、市場構造の理解が把握でき、新たな戦略が開発されています。新たなトレンドをしっかりフォローすることも重要ですが、ここには一過性があります。

トレンドの戦略を学んでも、来年には使えなくなるかもしれません。しかし、伝統的な戦略はいまでも語られ、使われ続けているからこそ残っています。このような伝統的な戦略をしっかり学ぶことを最初はおすすめします。

伝統的な戦略論を学ぶ-グロービスMBAマーケティング(ダイヤモンド社)

最初に紹介するのは、グロービスMBAマーケティングです。グロービス経営大学院のマーケティングの参考書であり、体系的に伝統的なマーケティング戦略がまとめてあるため、初心者でもわかりやすく理解することができます。

最新の戦略論-マーケティング戦略(有斐閣)

幅広くマーケティング戦略がカバーされており、伝統の戦略から最新の事例も含む最新の戦略論まで紹介されております。最新のマーケティング戦略まで学ぶのに有効な本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?マーケティング戦略は、多様化し複雑化している現代の市場において欠かせない考え方になっています。市場と顧客を理解し、自社ならではの価値をみつけるのに有効です。まずは自社の強みや競合状況などの市場分析から初めてはいかがでしょうか。

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近代のマーケティングの第一人者とも言われるアメリカの経営学者フィリップ・コトラー教授が提唱した新しい概念が「マーケティング4.0」です。フィリップ・コトラー教授は、1968年に出版された「マーケティング・マネージメント」から、マーケティングの歴史を築いてきました。

そのコトラー氏によるデジタル時代のマーケティング概念がマーケティング4.0です。本稿では、マーケティングの歴史から、マーケティング4.0により何が変わっていくのかなどご紹介します。是非ご参考にしてください。

マーケティング1.0~3.0をおさらい

まずはこれまでのマーケティングの歴史をおさらいしたいと思います。マーケティングは市場環境により形を変化してきました。それぞれの時代の特徴をご紹介します。

マーケティング1.0~4.0までの変化

マーケティング1.0

マーケティングがはじまったのは、第二次産業革命頃といわれています。この頃は製品中心ともいわれており、モノの種類も少なかったため、企業はコストを抑えて製品を大量に生産し、消費者に伝えればモノが売れる時代でした。

そのため、どれだけ良い商品を作るか、そしてそれをどう伝えるのかと製品が中心に考えられていました。

マーケティング2.0

1970年代頃には、経済発展に伴いモノが溢れてきたことや、オイルショックが起きた影響で消費者の需要が落ち込むことで、製品を生産するだけでは売れなくなってきました。その結果、消費者がどのようなものを求めているのか、どんなニーズがあるのかを検討し、プロダクトの差別化などを進める消費者中心の時代へと移行しました。

この時代はマーケティング2.0といわれます。

マーケティング3.0

1990年代になるとインターネットが登場してきたことで消費者のコミュニケーション手段が大きく変化しました。従来は、消費者が得るプロダクトに関する情報は企業から一方的なコミュニケーションによるものが主でした。

しかし、インターネットが登場したことにより、消費者は自分が求める情報を自由に手に入るようになったり、企業との双方向なコミュニケーションが可能になりました。また、プロダクトの機能差による差別化することが難しくなった結果、プロダクトそのものではなく、プロダクトによって得られるバリューや、企業自体の社会貢献やビジョンがが重視されはじめ、マーケティングの価値中心の時代となりました。

この時代をマーケティング3.0と呼ばれます。マーケティング3.0時代についてはこちらでも解説しています。
>>【マーケティング3.0】価値中心の時代の実態と、知っておきたい10戒律

マーケティング4.0とはどんな時代か?

現在はこれらの時代を経て、マーケティング4.0時代と呼ばれています。マーケティング4.0は、自己実現の時代と呼ばれています。

自己実現とは、マズローの欲求5段階説からきております。物質的欲求、精神的欲求が満たされた、次の段階が自己実現です。プロダクトを機能や価値で選ぶのではなく、プロダクトを使っていることによって自分がどのように見えるのかなどが重要になってきています。

マーケティング4.0時代についてはこちらでも解説しています。
>>【解説】コトラーのマーケティング4.0とは?最新フレームワーク5Aから事例まで

マズローの欲求5段階

なぜ「自己」は重要視されるようになったのか

なぜマーケティングにおいて、「自己」が重視されるようになったのでしょうか?

「自己」が重視されるようになった2つの理由

1.テクノロジーの発達
2.モノからコトの時代へ

テクノロジーの発達

1点目は、テクノロジーの発達です。マーケティング4.0の始まりは、SNSの登場がきっかけといわれています。SNSが登場したことで、消費者は企業との双方向のコミュニケーションが可能になり、口コミなど能動的な発信が可能となりました。

その結果、消費者は企業からのコミュニケーションより友人からの口コミなどを信用するようになっています。

モノからコトの時代へ

インターネットの発達により、どこにいてもなんでも購入できるようになったりしたことで、お金さえあれば様々なものが手に入るような時代になりました。その結果、消費者は感動するような「体験」や「社会に貢献するという価値」が重要になってきています。

つまり、人の関心がモノからコトに移行してきているのです。

マーケティング4.0の時代では何が変わるのか?

マーケティング4.0の時代になると、どのようにマーケティングは変わってくるのでしょうか?

セグメンテーションから顧客との繋がりが重要視される

従来のマーケティング戦略の進め方は、まずデモグラフィックやジオグラフィックなどで消費者をひとくくりにしセグメンテーションを行います。その後、市場ボリュームや成長率などを踏まえてどのセグメントがもっともターゲットとして有効なのかを検討します。

しかしこの関係は、企業から一方的な関係であり、いわゆる「縦の繋がり」でした。マーケティング4.0の時代では、ソーシャルネットワークで消費者同士が繋がり、ネットワークコミュニティを形成し、消費者自身の手でセグメントを形成しています。

企業がこのようなコミュニティーにアプローチするためには、コミュニティーを利用するという意識ではなく、コミュニティーの力になり、関係性を築く意識が必要になってきます。このように、企業と顧客の関係は「横の繋がり」を持つようになりはじめるのです。

セグメンテーションについてはこちらでも解説しています。
>>5つのセグメンテーションとは?-マーケ戦略での活用方法や注意点も

ポジショニング・差別化から”メッセージ”の時代へ

従来のマーケティングにとって、差別化やポジショニングが重要でした。そのために、多くの企業はブランドの確立に力を入れています。ブランドとは、名称・ロゴ・キャッチコピーなどの競合と差別化だけでなく、顧客体験も含めた全ての企業活動もこれに当たるといっても過言ではありません。

顧客のマインドを獲得し、ブランド・エクイティーを確立すためには、企業は明確な差別化ポイント、そして、一貫性のあるポジショニングが必要でした。しかし、デジタル経済の結果、ブランド戦略も大きく変わります。

消費者はブランドを簡単に評価できるようになってきており、客観性がないブランドは通用しなくなったのです。VUCAの時代といわれ明日どうなっているかわからない今、繰り返し同じようなブランドイメージを伝えるだけではブランドをは育成できなくなっています。

その結果、いま重要になってきているのは、ブランドがなぜ存在しなければいけないのかの存在理由、メッセージです。存在理由がしっかりしていれば外見がいくら変化しても問題はありません。例えば、GoogleやMTVはロゴを何度も変更していますが、ロゴを変更することで、「変わらぬ個性と柔軟性を併せ持つブランド」という認知を得ることに成功しています。

ポジショニングについてはこちらでも解説しています。
>>【マーケティング入門】ポジショニングとは?活用方法と4つの注意点を徹底解説

マーケティングミックスは企業視点の4Pから顧客視点の4Cへ

消費者に何をどのように提供するのかを決め、マーケティング戦略を具体化する重要な要素である「マーケティング・ミックス」。その代表的なフレームワークは、4Pといわれるものであり、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の視点で施策を考えるものです。

コトラー氏は、マーケティング4.0の時代のマーケティング・ミックスは「4P」から「4C」の時代に変わるといわれています。4Cとは、Co-Creation(共創)、Currency(通貨)、Communal Activation(共同活性化)、Conversation(カンバセーション)の略です。

マーケティングミックス4P・4Cの基本についてはこちらでも解説しています。
>>4Pとは
>>4Cとは

■ Co-Creation(共創)

デジタル経済では、共創が新たな製品開発戦略になって来るといわれています。製品の初期段階、コンセプトの段階から消費者を巻き込み、パーソナライズやカスタマイズしながら、より優れた製品開発を目指します。実際すでにLEGO社やMicrosoft社も大きく取り入れています。

■ Currency(通貨)

通貨とは、市場の需要に応じて変動することをさします。ダイナミックプライシングと呼ばれており、すでに航空券などに取り込まれている概念です。今後デジタル経済が進む中で、顧客の行動パターンやプロフィールなどに基づいた価格を請求することが可能となります。

■ Communal Activation(共同活性化)

全てがつながる世の中では、モノを利用する概念も所有から共有へと大きく変わります。消費者がほしいと思った瞬間に、自分が所有していなくても、他者が所有しているものを簡単に利用できるようになります。UberやAirbnbなどシェアリング・サービスなどが代表的な例です。

■ Conversation(カンバセーション)

従来のプロモーションは企業からの一方的なコミュニケーションでした。上述のとおり、ソーシャルネットワークの登場により、企業と消費者の双方向なコミュニケーションが可能になりました。その結果、消費者は企業に対してのレビューやフォーラムなど会話が主体のコミュニケーションになってきています。

UXが常に重要視される時代へ

消費者とのコミュニケーションが変わる中で、ユーザエクスペリエンス(UX)がより重要になってきています。消費者がどのようなペインポイントを抱えているのか、何を必要としているのかを調査し、ブランドを通した体験を提供していくことが求められます。

高いUXを提供することにより、顧客とのより良い繋がりが築ける時代となってきています。

4.0の時代ではオフラインが強力な武器となる

マーケティング4.0はデジタルの普及やSNSが普及したことで消費者と企業の関係性が変化してきました。このような時代だからこそ、より一層オフラインが企業にとって大きな武器となります。

伝統とデジタルマーケティングのメリットを融合する

IoTの普及、AIによる知識労働の自動化など、デジタルトランスフォーメーションが起きることで企業と消費者の交流はオンラインだけでなく、オフラインも含めて全てが一体化するようになってきます。その結果、オフラインでの購買データや行動データなども取得可能となり、より個人にあわせたマーケティング可能となっています。

さまざまなデータが取得できるようになり、人工知能などを活用したマーケティングの生産性向上が進むと同時に、オフラインでの人と人とのふれあいがより重要になってきています。オンラインとオフラインの融合をうまく活用している例がAppleです。

販売などはオンラインで完結するような仕組みを設計しつつ、オフラインの接点としてApple Storeでは様々なイベントを実施することで、最上の顧客体験を提供し差別化を図っています。

>>デジタルマーケティングとは?6つの手法や成功事例をわかりやすく徹底解説

マーケティング4.0時代のフレームワーク

マーケティング4.0の時代に有効なフレームワークをご紹介します。

顧客視点(マーケットイン)の4C – ロバート・ローターボーン

マーケティング・ミックスのフレームワークがとして顧客時代に活用できるのが4Cです。4CはCustmor Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客にとっての費用)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の4つの要素からきております。

従来のフレームワーク4Pがメーカー視点だったのに対して、4Cは顧客視点で検討するものです。それぞれの詳細は下記ご紹介します。

■ Customer Value(顧客にとっての価値)

4PのProduct(製品)にあたる視点であり、プロダクトが顧客のどのようなニーズに答えるのか、顧客がどのようなメリットに答えられるのかという視点でプロダクトを規定します。

■ Cost(顧客にとっての費用)

4PのPrice(価格)にあたる視点で、プロダクトに顧客が支払うコストはいくらなのかプロダクトによってどの程度費用が削減できるのかという視点で価格を規定します。たとえば、商品により顧客の時間がどれくらい削減できるのかと製品に発生するコストのバランスを踏まえ、プロダクトの価格を顧客の視点でどのように映るのかなどを検討します。  

■ Convienece(利便性)

顧客が欲しいと思う場所はどこか、顧客が求めるイメージに合った場所はどこかという視点でプロダクトとの接点を規定します。例えば、顧客がいつでも手に入ることを求めているなら、コンビニなど手に入りやすい場所を販売場所として検討します。

■ Communicaiton(コミュニケーション)

顧客視点でのプロモーションになっているのか、求める情報を提供できているのかという視点で販促施策を規定します。例えば、コンテンツマーケティングで顧客が求める情報を提供できているのか、広告に触れたことで不快な思いをしないのかなどを検討します。

カスタマージャーニーは4Aから5Aへ

マーケティング4.0時代以前のカスタマージャーニーのフレームワークとしては4Aが有名です。4Aとは、認知(AWARE)、態度(ATTITUDE)、行動(ACT)、再行動(ACT AGAIN)の行動に由来亜しており、ブランドのゴールをリピートと定義していることが特徴です。

しかし、マーケティング4.0に移行したことでコトラー氏はカスタマージャーニーを5Aへと変化させるべきだと語っています。

カスタマージャーニー(4A-5A)

5Aは、認知(AWARE)、訴求(APEAL)、調査(ASK)、行動(ACT)、推奨(ADVOCATE)に由来します。ここで特徴的なのは、ブランドのゴールをリピートではなく、推奨としていることです。

商品を再購入してもらうことではなく、他人にブランドを進めてもらうようなファンになってもらうことがマーケティング4.0時代には求められます。

マルチチャネルマーケティングの活用

マーケティング4.0の時代では消費者モデルが細分化し、マルチチャネルで消費者とコミュニケーションを取ることが重要です。その際、チャネルごとの特性を理解し、消費者が何を求めているのかを理解した上で、チャネルごとのコンテンツを制作することが求められてきます。

>>マーケティングチャネルとは?重要性と活用方法を解説

BtoBでもマーケティング4.0は実現可能か?

マーケティング4.0は自己実現の時代とご説明してまいりましたが、それは企業が顧客となるBtoBでは有効ではないと感じる方もいらっしゃるかと思います。なぜなら企業に対して個人と同じように自己実現をイメージできるのが難しいからです。

しかし、マーケティング4.0に対しても機能させる手段があります。それは、企業という組織自体を個人と捉え、アプローチすることです。個人同様に、企業もどのようにありたいのかという「ビジョン」を持っています。このビジョンの実現に合わせて、企業にアプローチすることでBtoCと同様の効果が期待できます。

逆に、企業の場合は、個人と違い合理的な消費活動をとることが多いため、分析しやすく、アプローチをしやすくなる可能性もあります。また、BtoBビジネスでも顧客は企業ですが、対応するのは個人です。このような個人をベースとしたマーケティング戦略も可能です。

マーケティング4.0の具体的な事例

具体的にマーケティング4.0で成功している事例をご紹介します。

■ レッドブル

レッドブルは、マーケティング4.0で成功を収めている企業です。レッドブルは、商品自体をコミュニケーションするのではなく、「カルチャー」をマーケティングしています。 例えば、宇宙からのスカイダイビングなどエクストリームスポーツの協賛やXスポーツのイベント開催・協賛を行い、SNSを通して活動を発信しています。

このようなマーケティング活動においては、レッドブルは主役としては扱われておらず、おまけ程度にしかコミュニケーションしています。しかし、マーケティング活動の結果、レッドブルはエクストリーム(極限)というブランディングに成功し、クールでチャレンジングなことをしたい若者を中心に支持されるブランドとなりました。

>>初めてのSNSマーケティング-すぐに実行できる8つのステップや書籍を紹介

「Wow!」で競合との圧倒的差別化を実現

マーケティング4.0では、顧客をファン化(=推奨者)にすることが究極の目標です。コトラー氏はそのために重要なのは、「Wow!」であると語っております。

皆さんは、初めてスマートフォンを手に取ったときにこれを経験しているはずです。「Wow!」とは、このような素晴らしいサービスなどを通して、言葉にできない経験をしたときの感情といわれています。

「Wow!」は、3つの要素から成り立っています。

・予期せぬ驚きから生まれる
・個人的なもので、それを経験する人だけが生み出すことができる
・伝染力がある

多くの方は、この「Wow!」を偶然の産物と考えるかもしれません。しかし、戦略をデザインし、プロセスを作り上げ、計画的に「Wow!」を引き出すことは、偶然とは程遠く、今後の差別化にって重要な要素になってくるでしょう。

>>【保存版】マーケティング戦略のキホン-主要フレームワークと事例、注意点まで

世界と顧客は変化し続けている

VUCAの時代と言われる現代、常に世界も顧客も常に変化しています。新たなテクノロジーの登場などにより、顧客の行動も態度も大きく変化しています。マーケターは伝統的なマーケティング手法だけに固執するのではなく、新たなトレンド、新たなテクノロジーを理解しながら、顧客との関係性を築き上げていくことが必要となっていきます。

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マーケティング施策を検討したいと思っているが、効果的に検討するためのやり方がよくわからない。一回考えてみたけどあまり効果が出なかったということもあるのではないでしょうか。

マーケティング施策は戦略的なプロセスによって生み出されます。正しいマーケティングプロセスを行うことで「自社の課題をクリア」にし「その課題を乗り越えるマーケティング施策」ができます。

本稿ではマーケティングの初心者から責任者の方向けに「マーケティングプロセス」を紹介します。本稿を読むことで「正しい戦略的なマーケティングプロセス」や「その目的と方法」、「マーケティングプロセスの成功事例」を学べます。マーケティングプロセスの構築や、これまでのワークフローの見直し・刷新に役立ててください。

マーケティングプロセスとは?

マーケティングプロセスとは「自社の環境・目標を明確にし、それを達成するための戦略的な一連のプロセス」を指します。具体的には市場を分析し、自社の価値を明確にし、ターゲットとなる顧客を獲得するまでの流れの設計です。

全体的な流れは次の画像の通りです。

マーケティングプロセスとは「自社の環境・目標を明確にし、それを達成するための戦略的な一連のプロセス」を指します

マーケティング・プロセスは6つのプロセスで構成されますが、「環境分析」と「基本戦略設計」、「戦略の実行評価」の3つのステップに大別されます。3つのステップの目的はそれぞれ下記のように整理できます。

  • 環境分析:市場を理解し自社事業が参入・成長する機会を発見する
  • 基本戦略設計:ターゲットとする顧客を明確にし、具体的なマーケティング戦略を策定する
  • 戦略の実行評価:自社の目標と実際の成績を比較し、どのような改善が必要か検討、再実行する

環境分析や基本戦略策定・修正を実行し、市場に対して正しく堅実なマーケティング戦略を遂行することがマーケティング・プロセスのミッションです。

STEP 1:PEST分析でマクロ環境分析

マーケティング・プロセスの最初のフェーズでは、自社事業が参入する市場の環境分析を行い、戦略課題を抽出するための情報を集めます。

そこでまず行うのが、経済や政治などのマクロ環境分析です。自社のプロダクトや会社がおかれている状況を分析することで事業の課題やチャンスなどを把握できます。マクロ環境分析に有効なフレームワークがPEST分析です。

PESTは、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、テクノロジー(Technology)の頭文字からつくられ、それぞれの視点からマクロ環境を分析します。

政治(Politics):ビジネスを規制する法律や政治動向

  • 税制や法律などはビジネスに影響はないか?
  • 協力企業や顧客がいる国の政治は安定しているか?
  • どのような法律や規制がユーザーに影響を与えているか? など

経済(Economy):経済水準や所得、為替、金利

  • 経済の景気や成長は事業にどの程度影響するか?
  • 株式市場や資金調達市場は事業に影響を与えるか?
  • 金利や為替、税金などは事業にどのような影響を与えるか? など

社会(Society):人口動態やライフスタイル、価値観、流行

  • ユーザーの年齢や性別などは何か?
  • 人口の増減はどの程度、事業に影響するか?
  • ユーザーのライフスタイルの変化は購買行動に影響するか? など

テクノロジー(Technology):5GやIoTなど技術革新

  • 特許やライセンスは事業に影響するか?
  • どのようなイノベーションが事業に影響するか?
  • テクノロジーの活用でコストの削減や収益の向上は出来るか? など

STEP2:3C分析でミクロ環境分析

マクロ環境分析の次は、参入市場、競合、自社についてのミクロ環境を分析します。ミクロ環境分析を行うことで、自社のビジネスの成功要因を見つけたり、お金と人のリソースの投下先の検討につながるため、マーケティングの根本にも繋がります。

このミクロ環境分析に有効なフレームワークが3C分析です。3Cは、自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor)の頭文字からきています。それぞれのポイントは下記ご確認ください。

市場・消費者(Consumer)

  • あなたの顧客は誰か?
  • 売上の構成や傾向は?
  • 顧客数はどの程度伸びているか?
  • 顧客が購入するまでのプロセスは?
  • 顧客がなぜあなたのプロダクトを求めるのか? など

競合(Competitor)

  • 競合は誰か?
  • 競合の市場シェアは?
  • 競合の強みと弱みは?
  • 市場は競合をどのように位置付けてるか? など

自社 (Company)

  • 売上は?
  • 目標との差は?
  • 文化は?
  • パフォーマンスは?
  • 強みと弱みは? など

3C分析の進め方やポイント、成功事例などをさらに知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
3C分析とは?活用方法とマーケティング戦略に役立つSWOT・事例を紹介 - INFOHUB-media

STEP3: SWOT分析でマクロ・ミクロ環境を俯瞰する

マクロ・ミクロ環境を分析できたら、SWOT分析で分析状況を俯瞰し、自社のビジネス課題や市場機会を洗い出します。

SWOT分析では、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの点から、3C分析とPEST分析の結果を俯瞰します

強み、弱みは「自社内の内的要因」を指し、機会と脅威は「自社ではコントロールできない外的要因」を指します。

機会(Opportunity)

  • 未開拓の市場はあるか?
  • 市場にトレンドがあるか?
  • 市場規模はどれくれいか?
  • 市場はどの程度成長しているか?
  • 市場参入・成長する可能性はあるか? など

脅威(Threat)

  • 懸念する問題はあるか?
  • 自社が参入する時の障害は?
  • 競合は新規参入に排他的か?
  • 規制などが行われる可能性は?
  • 協力企業や顧客の交渉力は強いか? など

強み(Strength)

  • 得意な業務は?
  • 競争優位性は?
  • 活かせる組織文化は?
  • 競合企業より優れている点は?
  • バリューチェーン内でコントロールできるものは? など

弱み(Weakness)

  • 不足しているリソースは?
  • 能力発揮を障害するものは?
  • 認知度やブランドはあるか?
  • 価値を生み出すまでのコスト構造は?
  • 限られたリソースの中で成功に必要なものは? など

クロスSWOT分析

クロスSWOT分析をして、より実効性の高い分析へと落とし込む

SWOT分析を行うだけでは要素を書き出しただけです。書き出した要素をかけ合わせることで戦略の方向性を検討できるのがクロスSWOT分析です。

  • 強み×機会:強みで市場の機会を最大化する「積極化戦略
  • 強み×脅威:強みで市場の脅威に対処する「差別化戦略
  • 弱み×機会:弱みで市場の機会を活用する「段階的戦略
  • 弱み×脅威:弱みで市場の脅威に対処する「専守防衛・撤退

SWOT分析のポイントや成功事例などをさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

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STEP4:STP分析で基本戦略を策定

環境分析ができ、自社の市場機会や課題が見えてきたらマーケティングの基本戦略を検討します。

その時に行うのがSTP分析です。STP分析とは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つのステップで自社のマーケティング戦略を検討します。

セグメンテーション(市場細分化)

セグメンテーションは、「どの市場に優先的にアプローチしていくかを決めるために市場を細分化をする」ことです。細分化する方法はさまざまで、代表的なものとしては、年齢や住んでいる地域などのデモグラフィック変数、国や住んでいるエリアなどの地理的変数、ライフスタイルなどの心理的変数、購買頻度などの行動変数などです。

細分化した市場の規模や成長性を把握することで、資源を集中して投下でき、効率的なマーケティング戦略の構築を可能にします。

セグメンテーションについて詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。

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ターゲティング

市場の細分化ができたら、「自社が理想とする顧客像を絞り込みます」。

セグメンテーションを行った中から、どの層を狙っていくのかを検討します。数ある市場の中から市場規模や成長性、競合状況などを鑑みたうえで自社に最も適した顧客像を確認します。

ターゲティングは顧客の解像度を高め、限られたリソースで利益化を最大化できます。

マーケティングでよくある失敗として、顧客をすべての人とオールターゲットと設定してしまったり、10代などと幅広いターゲットと設定しまうことです。

このように誤ったターゲティングをすると、ROIの悪化などに直結します。そのようなことを避けるためにもターゲティングをしっかり行うことが重要です。

ターゲティングのポイントなどさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。

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ポジショニング

ターゲティングにより自社がターゲットとする明確な顧客像を選定したら、ポジショニングで「顧客にどのように自社が魅力的であるかを認識させるための活動」を行います。

顧客は競合企業と比較して購入するプロダクト・サービスを決めます。それゆえ、自社のプロダクト・サービスが競合と比較して「何が違うのか」「どの点が優れているか」と言った差別化ポイントを明確にする必要があるのです。

成熟した市場ではプロダクト・サービスが溢れているため、ポジショニングの役割は重要です。顧客が「私はこれを求めていた」「この商品が欲しい」と思わせる差別化を行い、マーケティング戦略に活かしましょう。

ポジショニングを行うためポイントやコツを知りたい方はこちらを御覧ください。

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STEP5:マーケティングミックス


STP分析を行ったら、次はマーケティングミックスです。マーケティングミックスでは、「顧客に価値を伝達・アプローチする施策」を検討します。

マーケティングミックスは、広告などプロダクトやサービスを顧客に認知させる手段や販売場所、価格などの検討をします。マーケティングミックスを検討する際のフレームワークには、4P分析や4C分析があります。

4P分析

4Pは製品戦略(Product)、価格戦略(Price)、流通戦略(Place)、販促戦略(Promotion)のそれぞれの戦略を検討するフレームワークです。それぞれの項目をご紹介します。

Product(製品戦略)

提供するサービスやパッケージデザイン、ブランド名などプロダクトやサービスの詳細を検討します。

Price(価格戦略)

提供するサービスやパッケージデザインの価格やサブスクリプション型か、売り切り型かなどの課金制度の詳細は検討します。

Place(流通戦略)

プロダクトやサービスの販売場所や流通網の詳細を検討します。狙っている顧客の行動導線やプロダクトのイメージ等を鑑みて検討します。

Promotion(販促戦略)

プロダクトやサービスを認知するための施策や興味関心を促進するための施策の検討をします。たとえば、TVCMやイベントの実施、リスティング広告、DMなどがあります。

4C分析

4Cは顧客視点のフレームワークであり、Consumer Value(顧客価値)、Cost (コスト)、Convinece to buy(購入のしやすさ)、Communication(コミュニケーション)の視点で戦略を検討します。4P分析が企業目線に対して、4C分析は買い手である顧客視点で戦略を検討します。

CUSTOMER VALUE(顧客価値)

プロダクトやサービスによって顧客がどのような価値を得られるのかという顧客価値の検討をします。

COST(コスト)

顧客がプロダクトやサービスに対してどれだけ費用や時間を負担するのかを検討します。プロダクトやサービスのコストだけでなく、時間や販売場所までの移動コストなども換算します。

Convenience to buy(購入のしやすさ)

顧客が商品を手に入れる利便性を意識して、購入場所や販売場所などを検討します。

Communication(コミュニケーション)

企業が顧客にメッセージを伝えたり、顧客と関係性を構築する手段を検討します。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
マーケティングミックスとは?その重要性や4P分析、活用方法も解説 - INFOHUB-media

STEP6:戦略の実行と評価

マーケティングの戦略を検討するだけでは効果はありません。多くの場合、1回の戦略立案・実行だけではビジネスは成功しないからです。そのためマーケティング施策を実行した後のために測定可能な目標とマイルストーンを設定する必要があります。設定する目標はSMARTであることがポイントです。

  • 具体的に(Specific):何を達成したいのか?
  • 測定可能な(Measurable):どのように進捗を測定するか?
  • 達成可能な(Achievable):その目標は達成できるか?
  • 経営目標に関連した(Relevant):自社のミッションに関連しているか?
  • 時間制限がある(Time-Bound):目標を達成する期限はいつか?

目標設定を終えたらそれらを達成するために必要なコストを洗い出します。必要に応じて予算の規模や、実施するマーケティング施策を調整しマーケティング戦略を実行します。

マーケティング・プロセスの重要性

ビジネスは顧客と自社を満足させる必要があります。戦略的なマーケティングプロセスを経ることで、これら両方の理解を行い具体的なマーケティング戦略を実行できます。特にマーケティング戦略において以下のポイントの理解は欠かせません。

  • 自社のターゲット顧客を絞る
  • 自社プロダクトの提供価値を知る
  • 自社が対象とする顧客の理解を深める

またマーケティング戦略の計画や目標があることで、ビジネスの方向性が明確になることや、予算の浪費が防げます。これにより組織内全員が同じ目標に向かって働けます。それに加え、戦略の結果に応じてマーケティング戦略を修正していくことで、戦略を進化させることも可能です。具体的には顧客ニーズをより満たすための人員の再配置や、お試し価格といった販売促進などができます。


以上のように自社の市場の機会を発見し、それを獲得するための地に足ついた戦略を立案でき、「顧客により求められるには」を考えられる点で、マーケティングプロセスは重要なのです。

デジタル領域の場合のマーケティングプロセス

デジタルマーケティングの場合においてもマーケティングプロセスは大きくは変わりません。デジタルマーケティングの特徴は、消費者との接点が多岐にわたり、リアルタイムでデータを取得し分析できることです。


そのため、デジタル領域でのマーケティングミックスでは、複合的な施策が検討ができます。また、リアルタイムで検証を行えるため、施策の検討から効果検証、改善のPDCAサイクルを素早くまわすことができます。その結果、スピーディーな戦略の策定を実現し、高い効果を出すことができます。

BtoBの場合のマーケティングプロセス

BtoBの場合は、BtoCプロダクトと比べて購買までのプロセスが長く、より論理的な説明が求められます。
また、BtoCと比べても高価格帯の商品が多く、アフターサービスも重要になります。
基本戦略の設計まではBtoC向けのマーケティングプロセスと大きく異なりません。しかし、BtoBの場合では、見込み顧客獲得の後に、関係性を築くリードナーチャリングや顧客を獲得した後のアフターフォローの内容などを検討する必要があります。

マーケティングプロセスで成功した企業の事例

マーケティングプロセスはビジネスの成功に欠かせないフローです。自社の課題を発見でき、またその課題を乗り越える方法も見つけられます。そのためには「顧客の理解」と「成功するためにはどうしたら良いか」に対して愚直に向き合う必要があります。

【資生堂】シーブリーズ

女子高生がよく利用する「シーブリーズ」というボディケア製品があります。2000年までは男性のユーザーがほとんどでした。しかし海に行く人が少なくなったことでシーブリーズの売上が下がり、この製品を提供する資生堂は事業の存続を問われました。

資生堂はマーケティングプロセスを見直します。そこでシーブリーズが提供する価値は海に行く男性だけでなく、女子高生にも効果があることを発見します。ターゲットの変更と合わせてマーケティング戦略を変更し、低迷期の8倍の売上を記録しました。

【マクドナルド】2014年の不祥事からの回復

国内3,000店舗以上あるマクドナルドですが、2014年に賞味期限切れの鶏肉が使用されていたニュースをきっかけに、多くのユーザーを失った事件があります。事実2014-2015年に567億円の損失を抱えてしまったのです。

マクドナルドはこの事件をきっかけに「利用しなくなったユーザーをどう取り戻すか」を考え、マーケティング戦略を練り直します。始めに対象のユーザーにインタビューを行い「顧客が本当に求めるマクドナルド像」の理解に努めたのです。

ユーザーインタビューの結果、マクドナルドはポジショニングを変更します。事件以前は「おいしい・安い・早い」でしたが、「出来たてで美味しい・価値に対してお得感がある・便利で楽しくて笑顔になれる空間」を目指したのです。具体的には以下の施策を実施しています。

  • 裏メニューの提供
  • お手頃マックの提供
  • ポケモンGOが利用できる

顧客インサイトを軸にメニューの開発や店舗の改装などを実施した結果、2年で250億円の営業利益を獲得することに成功しています。

【Laxus】ブランドバッグのサブスクという選択肢

Laxusはブランドバックのレンタル事業です。2015年に事業開始以降ユーザーを拡大しています。1品数万円のブランドバッグは気軽に購入できるものではありません。しかし、多くの女性のには季節やシーンごとに使い分けをしたいというニーズがあります。このようなニーズを捉え、ブランドバックをサブスクリプションでレンタルできるというビジネスモデルを開発し、他社とは違うポジショニングでビジネスを展開しています。

Laxusのマーケティングミックスは、サブスクリプションモデルで月額6,800円でブランドバッグをレンタルできるという価格戦略、鑑定やクリーニング済みのブランド限定のバッグの品揃えという製品戦略、WEBやアプリで気軽に申し込みできるという流通戦略など、優れた点がいくつかありました。

このビジネスには、品薄やブランドバッグや利用者の使い方などのリスクも有りましたが、リスクを想定したターゲティングや、関連サービスで品薄に対応したことで、今後も堅調な成長していくと思われます。

まとめ

本稿では「マーケティングプロセス」について解説してきました。マーケティングは企業経営に不可欠です。またマーケティングには戦略的なマーケティングプロセスが必要です。各プロセスの手順や目的、重要性を理解することで精度の高いマーケティング施策を実行することができます。また戦略は実行してからが勝負です。戦略実行の結果を基にマーケティングプロセスを繰り返し、修正・改善していくことでビジネスの成功に近づけるでしょう。

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SWOT分析とは?【テンプレート付き】戦略の作成方法から事例まで紹介 https://infohub.jp/media/2020/11/06/3261/ https://infohub.jp/media/2020/11/06/3261/#respond Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=3261 マーケティングを行っているとSWOT分析というのをお聞きになったことがあるかもしれません。...

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マーケティングを行っているとSWOT分析というのをお聞きになったことがあるかもしれません。SWOT分析には企業分析というイメージがあるかもしれませんが、ビジネス課題や市場機会を検討する手法としても有効です。

本稿では、SWOT分析の基本から市場機会を検討する際に有効なクロスSWOT分析、テンプレートを紹介します。是非参考にしてください。

コンテンツサマリー

SWOT分析とは、内部や外部環境分析をするためのフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの点から分析することにより、自社の市場機会や課題を洗い出します。

SWOT分析は、マーケティング戦略において、STP戦略を検討する前の環境分析のタイミングで行います。SWOT分析に有効なのフレームワークとして、PEST分析、3C分析、VRIO、5フォース分析などがあります。

また、SWOT分析を行う上で、市場機会を検討するためにはSWOT分析の要素を掛け合わせるクロスSWOT分析が重要です。クロスSWOT分析で検討できる戦略例としては下記のものがあります。

  • 強み×機会:強みで市場の機会を最大化する方法
  • 強み×脅威:強みで市場の脅威に対処する方法
  • 弱み×機会:弱みで市場の機会を活用する方法
  • 弱み×脅威:弱みで市場の脅威に対処する方法

SWOT分析とは?知っておくべき4要素

SWOT分析とは、内部環境や外部環境を分析することで自社のビジネス課題やチャンスを洗い出すための分析フレームワークです。SWOT分析とは、「スウォット分析」と読み、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字からきております。

SWOT分析には、内部・外部要因、ポジティブ・ネガティブ要因があることも意識する

外部環境(機会・脅威)とは

外部環境は、市場や社会情勢などの自社ではコントロールがつかない情報のことであり、機会と脅威で分析します。

内部環境(強み・弱み)とは

内部環境は、企業やチーム内の資源などのことであり、競合などと比較することにより、自社やチームの強みや弱みなどを分析します。

Strength:自社の強み

Strengthは、自社ならではの強みです。なぜ、顧客が自社製品を購入してくれるのか、競合企業と比較したときの優位点やセールストークのときに売り込む要素などから検討します。

Strengthの例は、技術力の高さ、特許、顧客数、流通の強さなどがあります。

Weakness:自社の弱み

Weaknessは、自社の弱みや苦手のことです。例えば、競合には備わっていけど自社にはないもの、自社が苦手としているもの、改善が必要な点などを分析します。Weaknessの例は、価格や人材などの資源があります。

Opportunity:チャンスとなる外部要因

Opportunityとは、市場環境や消費者の変化、競合が対応できていないポイントなど自社にとって市場機会に繋がりそうな要素を分析します。

Threat:脅威

Threatとは、Opportunityの逆であり市場環境の変化や競合他社の動きなど自社の目標達成に向けて阻害要因となりそうな要素を分析します。

どのタイミングでSWOT分析を使うのか

SWOT分析は、マーケティング戦略を検討し始める際の環境分析の時に実施します。SWOT分析をもとに、マーケティングの基本戦略となるSTP分析の検討を行います。

SWOT分析を含めた、一連のマーケティング戦略の流れはこちらでも解説しています。
関連:《図解》はじめてのマーケティングプロセス

下記にて、SWOT分析の具体的な進め方をご紹介します。

STEP1:PEST分析でマクロ環境分析

まず、最初に行うのがマクロ環境分析です。マクロ環境分析に有効なのが、PEST分析です。PEST分析(ペスト分析)とは、「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の頭文字からきています。

自社に影響し得るマクロ環境をそれぞれの視点から把握、予測するために活用します。
関連:PEST分析とは?>>

STEP2:3C分析でミクロ環境分析

マクロ環境分析が終えたら、自社を含めミクロの環境分析です。ミクロ環境分析を行うときに有効なのが、3C分析です。

3C分析とは、Company(自社)、Competitor(競合)、Consumer(消費者)の三者の戦略的三角関係(strategic triangle)の分析から、競争優位性など事業を成功させる要因(KFS)を発見できます。

3C分析について詳しく知りたい方はぜひこちらを読んでください。
関連:3C分析とは?>>

STEP3:SWOT分析でマクロ・ミクロ環境分析を俯瞰する

マクロ・ミクロ環境分析を終えたら、その情報をもとにSWOT分析を行います。PEST分析、3C分析で洗い出した要素をもとに、自社の市場機会や優れたアイディアを検討します。

SWOTにある要素を組み合わせることで戦略の方向を検討するクロスSWOT分析を利用します。クロスSWOT分析に関しては後ほど詳しくご紹介します。

STEP4:SWOTの分析結果をSTP分析に落とし込む

SWOT分析を終えたら、分析結果をもとにマーケティングの基本戦略となるSTP分析に落とし込みます。

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、ポジショニング(Pogistioniing)というマーケティングの大きな方向性を決め込むことです。

関連:
セグメンテーションとは?>>
ターゲティングとは?>>
ポジショニングとは?>>

クロスSWOT分析とは?

SWOT分析だけでは、要素を書き出しただけです。市場機会を見出すことはできません。書き出した各要素を掛け合わせることで、戦略の方向性を見出すクロスSWOT分析が必要です。クロスSWOTの戦略例には下記の様なものがあります。

クロスSWOT分析の戦略4例


1.強み×機会:強みで市場の機会を最大化する方法

2.強み×脅威:強みで市場の脅威に対処する方法
3.弱み×機会:弱みで市場の機会を活用する方法
4.弱み×脅威:弱みで市場の脅威に対処する方法

クロスSWOT分析をして、より実効性の高い分析へと落とし込む

クロスSWOT分析を活用した戦略策定の方法

クロスSWOT分析を活用した戦略策定の方向性について詳しくご紹介します。

【積極化戦略】自社の強み × 機会

積極化戦略では、自社の強みと機会を活用することで、自社の市場機会を最大化させる戦略や施策を検討します。

クロスSWOT分析において最も重要となるため、より多くの施策の検討を行いましょう。多くの施策を洗い出しておくことで様々な可能性を検討できます。

【差別化戦略】自社の強み × 脅威

差別化戦略では、自社の強みを活用することで、脅威を最小限にするための戦略を検討します。ここで重要なのは、競合との差別化ポイントなど、ネガティブな脅威をポジティブに変えられるような施策を検討しましょう。

【段階的戦略】自社の弱み × 機会

段階的戦略は、自社の弱みを克服し、市場機会となる機会を最大活用することを目指します。ここで重要なのは、どのように自社の弱点をポジティブに変換できるかです。

【専守防衛・撤退】自社の弱み × 脅威

自社の弱みと脅威が重なった場合は将来的に大きなビジネスロスが見込まれます。

しかし、事前に防衛策を検討しておくことにより、早期の解決やそのような事態を回避する事が可能な場合もあります。また、このような状況を回避するために戦略的な撤退を検討する判断も必要です。

SWOT分析に活用できるフレームワーク

PEST分析や3C分析など以外にもSWOTの分析で活用できるフレームワークとして、「VRIO」や「5フォース分析」などがあります。

VRIO:強みと弱みの分析が効果的

VRIOとは企業の強みや弱みを分析するときに有効なフレームワークです。リソースベースドビューという考え方に従い、企業の経営資源を分析します。

VRIOは、Value(経済価値)、Rareness(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organazation(組織)の頭文字からきています。

  • Value(経済価値):経営資源の経済的価値を分析します。
  • Rareness(希少性):経営資源の希少性が高いと競合の市場参入を防げます。
  • Imitability(模倣可能性):経営資源が模倣が難しいと市場優位性を保てます
  • Organazation(組織):経営資源を有効に活用できる組織化を分析します。

5フォース分析:脅威の分析に効果的

5フォース分析は、競合脅威を分析するために有効なフレームワークです。5つの競合脅威要因があります。

5つの競合脅威要因


1.新規参入の脅威(entry)
2.代替品の脅威(substitutes)
3.供給者(サプライヤー)の脅威(suppliers)
4.購入者(顧客)の脅威(buyers)
5.競合の脅威(rivalry)

【初心者必見】SWOT分析のテンプレート

SWOT分析のテンプレート

競争力を見つけるSWOT分析の事例4選

最後に実際の企業でのSWOT分析の活用事例をご紹介します。
1.Amazonの事例>>
2.スターバックスの事例>>
3.コカコーラの事例>>
4.Appleの事例>>

Amazon

Strength
−顧客第一主義
−低価格
−即日配達
−ブランド認知度
−パートナーシップ
Opportunity 
−市場拡大
−独占販売
−自社商品の開発
Weakness
 −利益率の低さ
Threat
−サイバー犯罪
−個人データの活用独占禁止法

Strength:自社の強み

Amazonの強みは企業ミッションでもある顧客第一主義ということがあります。

競合や技術的革新ではなく、常に顧客第一に考えるということにより、どこよりも多い品揃え、低価格、すぐに配送できる流通など他のサービスでは実現出来ないようなクオリティーを実現しています。

また、それ以外にもブランド認知度やブランドイメージ、パートナーシップ、様々な新しいサービスを生み出すイノベーション力などが強みです。

Weakness:自社の弱み

弱みに関しては、利益率の低さがあります。低価格や即日配達などのサービスを提供するために利益率が低くなっているため、将来的に大きな問題になる可能性があります。

Opportunity:チャンスとなる外部要因

Amazon設立当初は、本のECサイトとしてスタートし、本以外にもDVDや日用品など領域を広げております。このようにまだAmazonで取り扱っていない市場への拡大は大きなチャンスの一つです。

また、今後他の企業とのパートナーシップで独占販売などの可能性や自社製品販売でのプライベートブランドの展開などもあります。

Threat:脅威

脅威としては、サイバー犯罪などの可能性や個人データの活用に関する法規制、その他独占禁止法などの法規制の問題などがあります。

スターバックス

スターバックス
Strength
−利益率の高さ
−海外ネットワーク
−倫理活動
Opportunity 
−デジタル化
−モバイルオーダーなどの新しいビジネス
Weakness 
−新商品開発
−コーヒーショップというビジネススタイル
Threat
−コーヒーの代替飲料の出現
−コーヒー豆などの原材料の価格高騰

Strength:自社の強み

スターバックスの強みはまずは利益率の高さです。年間600億円を超える利益率の高さを実現しており、毎年50億円以上成長しています。

その他に40カ国以上展開している海外ネットワークであったり、コーヒー生産者の生活を保つための倫理的な活動方針やブランド力などがあります。

Weakness:自社の弱み

スターバックスは商品開発力に定評もありますが、継続した新商品開発が難しくなってきています。またコーヒーショップというビジネスに依存しているため、今後生活スタイルの変化に対応できない可能性があります。

Opportunity:チャンスとなる外部要因

外部要因としては、デジタル化などに伴いMobileOrderなどの新しいサービスを提供の可能性が出てきたことや、フランチャイズなど新たな流通展開などの可能性があります。

Threat:脅威

スターバックスは大きく成長を続けてきましたが、市場がこのまま成長をし続けるとはわかりません。またコーヒーではない代替飲料が登場する可能性も常にあります。

その他に、乳製品・コーヒー豆などの原材料の価格高騰の可能性もあります。

コカ・コーラ

Strength
−ブランド認知度
−ブランド浸透度
−200カ国以上の展開
−商品ラインアップ
Opportunity 
−ワールドカップなどのスポンサー
Weakness 
−王道商品の少なさ
−商品のカニバリ
Threat
−レッドブルなどの新商品の出現
−若者の商品離れ

Strength:自社の強み

コカコーラの強みはなんと言っても、ブランド認知度とブランド浸透度です。650言語以上、200カ国以上で展開されております。

また、コカコーラだけでないお茶、アクエリアスなど幅広い商品ラインナップを取り揃えていることも強みの一つです。

Weakness:自社の弱み

弱みとしては、コーラ以外の王道商品が少ないということが一つあります。

また、商品展開が増えすぎてしまった結果、新商品を開発しても店頭でのカニバリゼーションが起きてしまう可能性があります。

Opportunity:チャンスとなる外部要因

機会としては、オリンピックやワールドカップの海外スポンサーを行っていることから新しいプロモーション展開などができるというメリットがあります。また、それ以外に健康ブームなど新しい消費者トレンドがあります。

Threat:脅威

レッドブル、モンスターなどの栄養ドリンクなど新しい商品登場してくる可能性や、健康志向の影響などで逆に若い世代のコカコーラ離れが起きたりする可能性があります。

Apple

Strength
−ブランド力
−シンプルなデザイン
Opportunity 
−技術発展
−パートナーシップ
Weakness 
−価格帯が高い
Threat
−中国企業など新興企業の進出
−GoogleやAmazonなどのサービス拡大
−シンプルなデザインが故に、偽物が作れる

Strength:自社の強み

Appleの強みはなんと言っても、ブランド力です。Appleの商品と聞くだけで、シンプルでデザイン性が優れているというイメージが湧きます。

また、iPhoneやMacをもっているだけでクリエイティブなイメージがもてるなどユーザーまでもが特別なイメージが持てるほどブランドイメージが強いです。

Weakness:自社の弱み

一方、Appleの弱みは価格帯が高いことです。例えば、パソコンにしても最低4万円程度で買える中で、MacBookは10万円近くします。

また、スマートフォンでも1万円程度で買える機種もある中でiPhoneは10万円近くします。Appleの商品は、高価格ということでブランド価値を保つ一方、ユーザー層を制限しているというデメリットがあります。

Opportunity:チャンスとなる外部要因

Appleのチャンスは、AIやマシンラーニングの技術発展やウェアラブルデバイスなどの新たな市場機会となりうる市場が広がってきていることやビーツや任天堂など多くの企業とのコラボレショーンなどがあります。

Threat:脅威

Appleの脅威は、中国系企業新興企業などの出現やAmazonやGoogleなどのサービスの拡大により、自社のサービス領域への侵食が起きていることがあります。

また、デザインがシンプルなため、簡単に偽物商品が作れてしまうという問題もあります。

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【徹底解説】PEST分析とは?基礎から確実に業績をあげる3つのステップを紹介 https://infohub.jp/media/2021/06/01/3847/ https://infohub.jp/media/2021/06/01/3847/#respond Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 +0000 https://infohub.jp/media/?p=3847 PEST分析とは外部環境分析を行うためのフレームワークの一つです。外部環境分析は、直接売上...

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PEST分析とは外部環境分析を行うためのフレームワークの一つです。外部環境分析は、直接売上やサービスに影響しない場合が多いため、マーケティング戦略を検討する際にも飛ばされてしまったり、あまり意識されないことがあります。

しかし、外部環境分析はビジネスの存続を大きく左右するためしっかり行う事が重要です。本稿では、PEST分析とはなにか、なぜ行うべきなのかからPEST分析の進め方をご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

PEST分析とは?

PEST分析とは、外部環境分析のフレームワークの一つであり、マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラー教授により提唱されました。

Political(政治的要因)、Economical(経済的要因)、Social(社会的要因)、Technical(テクノロジー的要因)の頭文字をとった言葉です。読み方は、「ペスト分析」です。

PEST分析の目的や重要性

PEST分析は、自社の戦略や施策を検討するための前提を把握するために行います。マーケティングやビジネスは、自社だけで完結するものではありません。

薬事法などの法規制や巣ごもり消費などの社会的な動きなどの大きく影響されます。マクロ環境の要素はいくら戦略を検討しても自社だけでコントロールすることが難しいことが多いです。

PEST分析は、事前に自社のビジネスに影響を及ぼしそうなマクロ環境を把握するために重要となります。これにより、マクロ環境を前提とした戦略や施策を検討することができ、マーケティングの効果や効率を上げることにもつながります。

PEST分析を行うメリットとデメリット

PEST分析を行う目的・重要性をご紹介しました。つづいて、PEST分析のメリット・デメリットをご紹介します。

PEST分析のメリット・デメリット

メリット…環境変化に強い、戦略のベースを構築できる
デメリット…情報収集に時間を要する

メリット

PEST分析のメリットは、上述のようにマクロ環境を分析することで戦略の方向性となる前提を把握することができたり、法規制や、当たらなテクノロジーによる市場変化などのトラブルが発生する可能性などを事前に把握することができるということです。

デメリット

PEST分析のデメリットは、マクロ環境の情報を集めなければ行けないため時間がかかることです。また、分析の方向性を明確にしなければ、余計な情報ばかり集まってしまい無駄になってしまう可能性があります。

PEST分析の4つの要素を解説

具体的にPEST分析の構成する4つの要素について解説します。

PESTの4つの要素

P-Political factor(政治的要因)
E-Economic factors(経済的要因)
S-Social factors(社会的要因)
T-Technological factors(技術的要因)

P-Political factor(政治的要因)

Political factor (政治的要因)とは、法律や条例、税制や政策の方向性など政治の方向や動向のことです。

例えば、サプリなど健康食品の販売の場合、薬事法でどのような情報が表示できるのかなどで売上が大きく影響したり、近年の個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)などの影響で、アドテクノロジー業界はビジネスを変える必要が出てきています。

具体的にマーケティングに大きく影響する要素は、法規制・条例や税制、政治思想や補助金・交付金などがあります。

政治的要因を理解しておくことの重要性

政治的要因を理解することの重要性は、ご紹介したアドテクノロジー業界の例のように市場ルールが大きく変わる可能性があるからです。

政治的要因の変化でもビジネスを継続できない危険性があるため、もれなく把握する事が必要です。

E-Economic factors(経済的要因)

Economic factors(経済的要因)は、景気や為替など経済動向のことです。例えば市場がデフレ傾向の場合、プロダクト・サービスの価格戦略にも影響します

マーケティングに影響する経済的要因としては、景気動向や賃金動向、物価の変や為替、金利の変化などがあります。

経済的要因を理解しておくことの重要性

経済的要因を理解しておくことの重要性は、ブランドやプロダクト・サービスの価値に大きく影響を与える可能性があるということです。

例えば、ブランドやプロダクトの価値が「価格競争力」にある場合、為替変動により原材料の輸入コストが変動したり、人件費の上昇などは大きく影響を受けます。

また高価格帯商品の場合、景気動向により売上に大きく影響を受けます。

S-Social factors(社会的要因)

Social factors(社会的要因)は、ライフスタイルや生活社の意識などのことです。例えば、新型コロナウィルスによる巣ごもり消費など行動の変化がマーケティングに大きく影響を与える要因のことです。

マーケティングに大きく影響を与える要素としては、人口動態や社会インフラの変化、ライフスタイルの変化などがあります。

社会的要因を理解しておくことの重要性

社会的要因は、消費者行動や価値観が大きく変化により、ブランドや戦略の方向性が大きく変わる可能性があります。

例えば、上述した新型コロナウィルスの影響による自宅待機や巣ごもり消費などの結果、外部での飲食や観光などへの消費が大きく減少しています。

一方、NetflixやAmazonPrimeなどの動画配信サービスなど自宅で楽しめるコンテンツへの需要が高まっています。

このように社会的要因は需要構造など市場のルールを大きく変化する場合があります。

T-Technological factors(技術的要因)

Technological factors(技術的要因)は、新たなテクノロジーや商品開発技術のことです。

例えば、マーケティング領域ではビッグデータの活用など分析技術の高まりなどの技術発展により市場が大きく変化するなど場合があります。。

技術的要因を理解しておくことの重要性

技術的要因を理解しておく重要性は、大きく2つです。1点目は技術発展により、市場が大きく変化する点にあります。

例えば、Apple社によるiTunesの出現によりCDやレコード、MDなどの従来の音楽媒体市場が大きく縮小しました。このように技術の発展により市場のルールが変わってしまう可能性があります。

2点目は、新たなテクノロジーによりビジネス手法が大きく変化するという点です。例えば、ITやデジタルテクノロジーの発展により、リアルタイムでのデータが可視化されたり、スモールスタートが可能になったり、より小さなセグメントを狙う事が可能になってきています。

市場そして最新の手法を取り入れるためにも技術的要因を理解することが重要です。

PEST分析はどのタイミングで行うのか

PEST分析はマーケティング・プロセスの最初の段階で行います。戦略の詳細を検討する前に、自社が参入する市場のマクロ環境分析を行います。PEST分析を行うことで自社のプロダクトやサービスが置かれている環境を理解し、事前に課題やチャンスになりそうなポイントを把握します。

マクロの環境を受けて、3C分析やSWOT分析などミクロ環境分析を行い、戦略を検討していきます。マーケティング・プロセスの全体像について知りたい方はこちらの記事も是非読んでみてください。

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マクロ環境のトレンドに乗ることの重要性

PEST分析を通して、マクロ環境のトレンドを理解しておくことは、ビジネスの盛衰を握る大きな要素の一つです。

マクロ環境のトレンドを把握せずに視野が狭くなってしまっている状況は、マーケティング・マイオピアと呼びます。実際、マクロ環境のトレンドを軽視してしまい、マーケティング・マイオピアに陥ってしまった結果、衰退していった事例をご紹介します。

事例1:コダックのフィルムカメラ事業-デジタルへ移行できなかった

コダックのフィルム・カメラ事業は、アメリカにおいて圧倒的No.1の企業でした。しかし、マーケティング・マイオピアに陥った結果、2012年に倒産する事となりました。

コダックは、フィルム・カメラ事業が圧倒的であったため、そのまま市場が変わらないという慢心からフィルムカメラや写真の現像など既存のビジネスを伸ばすことに集中していました。

例えば、今のSNSの前進となる写真共有サイトを運営していたが写真の現像にしか活用しなかったり、デジタルカメラも開発を進めていたがフィルムカメラと同じクオリティにならないという理由から販売を取りやめました。

このように既存のサービスを伸ばすことだけを意識してしまった結果、新しい消費者トレンドについていけず、最終的には破綻します。

事例2:Yahoo!の衰退-モバイル化の遅れ

Yahoo!もマクロ環境のトレンドに乗れずに衰退していった起業の一つです。Yahoo!はインターネット黎明期に登場し、一時は時価総額13兆円を記録していましたが、最終的には5,000億円でベライゾンに買収されました。

Yahoo!は、ニュース、オークション、検索エンジンメールなど多様なサービスを提供し、インターネットにアクセスするときのポータルサイトとして大きなシェアを伸ばしました。

しかし、スマートフォンが登場したことで消費者の行動はモバイルに移行していきました。しかし、Yahoo!は世の中のスピードについていなかった結果、消費者のYahoo!離れが進みました。

消費者のトレンドを把握せずに変化についていけなかった結果、Yahoo!は衰退していくこととなりました。

他の失敗事例やマーケティングマイオピアについて詳しく知りたい方はこちらの記事を是非お読みください。

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【初心者必見】ゼロからPEST分析を行う3つのステップ

具体的にPEST分析を行っていくための3つのステップをご紹介します。

STEP1:情報収集をして、PESTに分ける

最初のステップでは、まず自社のサービスやプロダクトが提供する価値に影響がありそうな情報を収集し、PESTに分類します。

ここでのポイントは、自社のブランド提供価値を明確にしておくことです。例えば、鉄道会社の場合競合情報というと、他の鉄道会社の情報だけを気にしがちです。

しかし、鉄道の提供価値は「移動する」ことです。それを前提にすると、鉄道だけでなく、飛行機や車、カーシェアなども競合になります。また、自粛などによるリモートワークの増加などにより、移動が必要なくなるという問題もあります。

このようにどのような情報を集めるのかを考える上で、自社のプラダクトやサービスの提供価値を明確にしましょう。

STEP2:PESTに分けた情報を、さらに機会と脅威に二分する

次のステップでは、PESTに分けた情報を自社のプロダクトやサービスにとって「機会」となるのか、とそれとも「脅威」になるのかに二分します。

ここでのポイントは、脅威に分けた情報を脅威のままにしないことです。脅威となる情報をどのように機会に変えられるかを意識することです。

例えば、オンラインショップの出現はスーパーなどの小売業者にとって脅威と分類できます。しかし、逆にスーパーなどの小売がオンラインショップを運営することで新たな顧客を獲得する機会にもなります。

ただ分類するだけでなく、脅威を機会にどのように変えられるのかを常に考えましょう。

STEP3:短期と長期に分ける

情報を機会と脅威に分けたら、最後にそれが短期的なのか、長期的なのかを分類します。

短期的、長期的というのは、時間軸ではなくすぐに対処すべきトレンド性の強い項目なのか、それとも潜在的な情報であり、長期的に戦略を練って対策を行うべき項目なのかということです。情報に優先順位をつけることで、戦略の効果を高めましょう。

PEST分析の3つのコツ

それでは、PEST分析を行うときの3つのコツをご紹介します。

PEST分析をする3つのコツ

トレンドや時代のキーワードが盛り込むこと
情報収集の際は、複数人のメンバーで行うと良い
3C分析やSWOT分析のミクロ環境分析とあわせて行う

トレンドや時代のキーワードが盛り込むこと

1点目は、トレンドや時代のキーワードを盛り込むことです。PEST分析は、マクロの環境を分析するフレームワークのため基本的には長期的視点での情報を収集します。

しかし、近年はVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)、VUCAとも呼ばれる明日もが読めない時代と言われています。

このような時代だからこそトレンドや時代のキーワードを盛り込み、マクロ環境を把握するようにしましょう。

情報収集の際は、複数人のメンバーで行うと良い

2点目は、情報収集を複数人のメンバーで行うということです。一人で作業をしてしまうと視点が偏り情報を網羅出来ないかもしれません。そのようなことを避けるためにも複数人で作業し、幅広い経験や知識を反映させましょう。

3C分析・SWOT分析を用いた環境分析がおすすめ

3点目は、マクロ環境だけでなく、3C分析やSWOT分析のミクロ環境分析とあわせて行うことです。

マクロ環境だけでなく、消費者や競合分析なども行うことで戦略の精度が上がります。そのため、PEST分析だけでなく、様々な分析も行い、情報を整理した上で戦略立案を行いましょう。

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 【+α】PESTを拡張したPESTLE分析

最後にPEST分析を拡張させたより視点が多い、PESTLE分析をご紹介します。PESTLE分析とは、PEST分析の4つの視点にあわせてLegal factors(法的要因)Environmental factors(環境的要因)の2つの視点を加えたものです。

L-Legal factors(法的要因)

Legal factors(法的要因)とは、法規制や著作権法など法的要素のことです。政治的要因の一部でもありますが、特に海外展開していく際などに重要な視点です。

例えば、アルコールの場合など日本では20歳からですが、アメリカなどでは18歳など注意する必要があります。

E-Environmental factors(環境的要因)

Environmental factors(環境的要因)とは、エコやリサイクルなど環境に関連する要因です。

近年SDGsなど注目されているなど企業の環境対策への意識が高まっています。廃棄物やパッケージ包装など自社の環境対策を見直しましょう。

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【保存版】マーケティングフレームワークまとめ-戦略作成・分析に役立つ https://infohub.jp/media/2020/07/10/2727/ https://infohub.jp/media/2020/07/10/2727/#respond Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=2727 マーケティングフレームはマーケティングの計画の立案、実行に役立つテンプレートです。フレーム...

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マーケティングフレームはマーケティングの計画の立案、実行に役立つテンプレートです。フレームワークを使いこなすことで計画の精度が上がり、ビジネスの成功へ近づくことができます。

しかしマーケティングフレームワークは長年研究されてきたこともあり、その数が多いです。そのため、どのフレームワークをどのように使えば良いか分からないこともあります。

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つフレームワークを解説しています。

なぜマーケティングのフレームワークの活用が重要?

マーケティングについて学ぶ時、必ずそのフレームワークについて学びます。しかしフレームワークの活用は重要なのでしょうか。その答えは非常に重要です。

マーケティングのフレームワークはマーケティング戦略を考える時に役立ちます。フレームワークを利用することで以下の利点があります。

  • 戦略に関わる事柄の抜け漏れなど防ぎ、思考の整理がしやすい
  • その場しのぎの戦略、対応を防ぎ、持続的な成長を目指せる

マーケティングのフレームワークを利用する時のポイントは次の2つです。

  • ロジカル思考: ロジックツリーを用いて、論理的に戦略を計画します
  • MECE: 抜け漏れやダブりを防ぐことで、計画の精度を高めます

これらを意識することでマーケティング戦略の精度があがります。

マーケティング戦略を立てる前に役立つフレームワーク

マーケティングのフレームワークは市場環境の分析や、マーケティング戦略をどのように行うのか計画するために用いられます。具体的にはSWOT分析やPEST分析、ファネル分析などです。

SWOT分析

SWOT分析はマーケティング戦略の前段階である市場環境分析で主に行われます。SWOT分析の結果から、プロダクトがおかれる市場環境や事業の課題について理解できます。

SWOT分析の図解

SWOT分析とは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字から、そう呼ばれます。各項目の詳細は次の通りです。

  • 強み: 戦略目標の達成にプラスとなる企業内部の特性
  • 弱み: 戦略目標の達成にマイナスとなる企業内部の特性
  • 機会: 戦略目標の達成にプラスとなる企業外部の特性
  • 脅威: 戦略目標の達成にマイナスとなる企業外部の特性

多くの場合、機会と脅威はPEST分析の結果を用いることが一般的です。

PEST分析

PEST分析もSWOT分析と同じようにマーケティング戦略の前段階である市場環境分析で主に行われます。PEST分析の結果から、プロダクトがおかれる市場環境や事業の課題について理解できます。

PEST分析は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の頭文から造られた言葉です。各項目の詳細は次の通りです。

  • 政治: ビジネスを規制する法律や政治動向など
  • 経済: 経済水準や所得、為替、金利など
  • 社会: 人口動態やライフスタイル、価値観、流行など
  • 技術: ビジネスに与える技術の動向など

3C分析

3C分析もこれまでのフレームワークと同じように、マーケティング戦略の前段階で主に行われます。自社が持つビジネス上の課題や優位な点について理解できます。

3C分析とは「顧客や市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」を指します。各項目の詳細は次の通りです。

  • 顧客や市場: 市場規模やその成長性、顧客のニーズと購買行動など
  • 競合: 競合企業の市場シェアやポイント、対象となる競合など
  • 自社: プロダクトの現状やリソース、バリューなど

3Cの中で最も重要な項目が「顧客と市場」です。顧客が抱える悩みや不満などをヒアリングし、どのような解決策を求めているのか理解することに努めましょう。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
3C分析とは?活用方法とマーケティング戦略に役立つSWOT・事例を紹介 - INFOHUB-media

7Sモデル

7Sモデルはマーケティング戦略から見た組織の特性を理解するのに役立ちます。マーケティング戦略は組織体制を含め、どのように実行していくかが命運を分けます。そのため7Sモデルを利用する必要があります。

7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれる

7Sモデルは「戦略(Strategy)」「ストラクチャー(Structure)」「システム(Systems)」「スタッフ(Staff)」「スキル(Skills)」「スタイル(Style)」「共有された価値観(Shared Values)」頭文字をとってそう呼ばれています。

  • 戦略: マーケティング戦略の定義
  • ストラクチャー: マーケティング戦略を組織的にどう行うか
  • システム: 事業運営をサポートする技術的なシステム
  • スタッフ: 社員の特性や報酬制度など
  • スキル: スタッフが持つ能力
  • スタイル: 組織の文化や協力企業との関係など
  • 共有された価値観: 企業が掲げるビジョンなど

BCGマトリクス

BCGマトリックスはボストンコンサルティンググループが開発したフレームワークです。市場シェアと市場の成長率をもとにプロダクトを4事象に分け、評価します。これにより市場環境に応じたリソースの投入量など、俯瞰的にマーケティング戦略を検討できます。

負け犬: 成長率やシェアが低いプロダクト
問題児: 高成長市場でシェアが低いプロダクト
花形: 高い市場シェアを持つ高成長市場でのプロダクト
金のなる木: 低成長市場でシェアの高い製品

高成長の市場は魅力が高く、競合企業の参入が予想されます。そのため積極的な投資が必要となります。しかし、いずれ市場の成長は伸びとどまり、現状維持か下降します。

そのような市場では競合企業は参入はしてもうまみがないため、追加の資金投資を行う必要性は低くなります。追加資金がかからない状態で市場シェアを取り続けていれば、当然そのプロダクトは利益貢献することでしょう。

BCGマトリクスの図解

マーケティングの戦略的フレームワーク

フレームワークを利用することで一部重複が見られることもあります。しかしフレームワークの活用はマーケティングへの取り組みを分かりやすく可視化することに意味があります。多様なフレームワークを用いて、複眼的に顧客や市場と向き合うことがマーケターに求められるのです。

STP分析

STP分析はプロダクトが対象とする顧客をクリアにする役割を持っています。STP分析は全てのマーケターに必要なフレームワークです。

STPとは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の略です。各要素からプロダクトに最適な顧客を洗い出すことができ、競合と比較してどのポイントで自社プロダクトが良いのか分かります。

ファネル分析

ファネルとは漏斗(ろうと)を指し逆三角や、すり鉢状の形をしており顧客の認知から購買までを分析するのに役立ちます。

顧客の行動に合わせたファネル分析を行うことで、顧客が欲求や意志に添えたマーケティング活動ができているか測ることできます。

詳しく知りたい方は「【徹底解説】マーケティングファネルとは?効果的な作り方から最新事情まで 」をご覧くださいませ。

マーケティングのお仕事をしていると「ファネル」という言葉を一度は聞いたことあるはずです。ファネルを理解すると顧客が今、何を求めているのか分かります。本稿はファネルの基礎知識、ファネルの限界、ファネルに代わるマーケティング手法などについてご紹介します。マーケティングファネルとは?ファネルとは漏斗(ろうと)を指し、逆三角やすり鉢状の形をしています。マーケティングファネルはAIDMAという、”一般的な顧客は商品の認知に始まり、欲求や記憶、購買までと至る”という消費者の購買決定プロセスから発展してできました...
【徹底解説】マーケティングファネルとは?効果的な作り方から最新事情まで - INFOHUB-media

4P分析

4P分析はマーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。次の頭文字をとって4Pと呼ばれています。

  • 販売戦略(Product)
  • 価格戦略(Price)
  • 流通戦略(Place)
  • 販促戦略(Promotion)

詳しく知りたい方は「マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説」をご覧くださいませ。

マーケティングを新たに担当することになった方は、一度は4P分析をお聞きになったことがあるかもしれません。なんとなく概念としては理解できるけど、いつ、どのように活用すればいいのかわからないという方も多いかと思います。本稿では4Pとはの基本からよく間違えられる4C分析との違い、実際に活用するときのポイントをご紹介します。是非参考にしてください。4P分析とは、マーケティング・ミックスのフレームワーク4P分析は、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。下記の4つの...
マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説 - INFOHUB-media

4C

4C分析は4P分析同様、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。企業目線の4P分析と異なり、4C分析では顧客目線に立って戦略立案を行うため、顧客により寄り添うことができます。

4C分析は次の言葉の頭文字に由来します。またこれら4つの要素は4Pのそれと対になる関係を持っています。

  • 顧客にとっての価値(Customer Value)
  • 顧客にとっての費用(Customer Cost)
  • 顧客にとっての利便性(Convenience)
  • 顧客とのコミュニケーション(Communication)
マーケティングに携わっている方は、マーケティングミックスを検討する際に活用するフレームワークとして4C分析や4P分析を聞いたことがあるかもしれません。現在マーケティングにおいてより顧客中心で考えることが重要になっている中で、4C分析の考え方は欠かせなくなってきています。本稿では、4C分析とはなにか、4P分析との違いなどをご紹介します。ぜひ参考にしてください。マーケティング4Cとは?マーケティング・ミックスを検討するためのフレームワークの1つです。4Cは顧客視点のフレームワークであり、Consumer wants and needs...
4Cとは?マーケティングは4Pから進化している-事例や比較で解説 - INFOHUB-media

マーケティングミックスの7P

マーケティングミックスは製品価値や収益を最大化するために、最適な方法を検討するためにうみだされたフレームワークです。マーケティングミックスは顧客と製品をつなぐ戦略のため、事業の成功と失敗の鍵を握る重要な役割を持ちます。

7Pは4Pや4Cだけでは検討できない、サービスなど無形のプロダクトの特性に合わせて作られています。7Pの要素は4Pのそれに加え、次の3つのを加えます。

  • 物理的証拠(Physical Evidence)
  • 要員(Personnel)
  • 業務プロセス(Process)

マーケティングミックスについて詳しく知りたい方は「マーケティングミックスとは?その重要性や4P分析、活用方法も解説 」をご覧くださいませ。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
マーケティングミックスとは?その重要性や4P分析、活用方法も解説 - INFOHUB-media

5フォース分析

マイケル・ポーターにより提唱されたファイブフォース分析では、市場で働く5つの力によって収益性を測ることができます。これによってリソースの投入量や新規参入、事業撤退の判断に役立ちます。ファイブフォース分析の各要素は次の通りです。

  • 業界内の競合
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力

プロダクトライフサイクル

マーケティング戦略において大切なことは、リソースを投入してどれだけの成果が得られるかどうかです。これはプロダクトのライフサイクルによって変化するため見極める必要があります。プロダクトのライフサイクルのステージと特性は次の通りです。

  • 導入: 売上高が低く、競合企業がほとんどいない
  • 成長: 売上高が高まり、競合企業も増える
  • 成熟: 売上高が伸びとどまり、競合企業とシェアの奪い合い
  • 衰退: 売上高が低下し、競合企業も次第に撤退していく

CLVモデル

CLVモデルは顧客がプロダクトに支払う生涯金額を算出します。これにより将来の収入とその現在価値に基づいてマーケティング戦略を実行できます。具体的にはCLVモデルの中でコストを調整することや、CLVを向上する施策を検討することができます。

マーケティングフレームはマーケティングの計画の立案、実行に役立つテンプレートです。フレームワークを使いこなすことで計画の精度が上がり、ビジネスの成功へ近づくことができます。

しかしマーケティングフレームワークは長年研究されてきたこともあり、その数が多いです。そのため、どのフレームワークをどのように使えば良いか分からないこともあります。

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つフレームワークを解説しています。

グロースのフレームワーク

グロースハックとは徹底的に分析・改善・実行し、ユーザーの数や質を向上させ続け、サービスの成長させていくことを指します。

グロースハックの成功事例を紹介します。暮らすように旅するで有名なAirbnbはグロースハックで成長しています。Airbnbは予約が伸び悩む物件を分析したところ、写真のクオリティーに問題があることを発見しました。そこでプロのカメラマンに撮影を依頼したところ、予約数が3倍程度拡大しました。

グロースハックにはマーケティング戦略の実施の結果と根気強く対峙することが必要です。

グロースハックについて詳しく知りたい方は「今さら聞けないグロースハックとは?成功事例や分析手法を解説 」をご覧くださいませ。

一時トレンドワードとしても注目を浴びていた「グロースハック」。近年以前ほどの注目はありませんが、グロースハックは、マーケティングの上で欠かせない手法です。本稿ではグロースハックとはなにか、またグロースハックを身につけ、成功させるためのポイントを解説します。グロースハックとは?グロースハックとは、英語では「Growth hack」と書き、「サービスの成長に、徹底的に分析・改善・実行し、ユーザーの数や質を向上させ続けること」をさします。データやユーザーの声などを分析し、プロダクトを改善させる手法のことです。...
今さら聞けないグロースハックとは?成功事例や分析手法を解説 - INFOHUB-media

ピボット分析

ピボットとは経営の方向性を変更する経営判断のことを指します。これはマーケティング戦略と顧客ニーズとのズレを解消するために行います。

ピボットは顧客に合ったプロダクトや戦略を実行するために欠かせないプロセスです。そのため素早く多くのピボットを行い、マーケットにフィットすことが成功への近道だと言えるでしょう。

AARRRモデル

グロースハックでもっとも重要だと言われているのがAARRRモデルです。AARRRモデルはサービスの成長段階を表す頭文字をつなげたものです。5つの成長段階は次の通りです。

獲得(Acquisition)
活性化(Activation)
継続(Retention)
紹介(Referral)
収益(Revenue)

AARRRモデルの図解

それぞれのデータを分析することで事業を把握し改善することができます。AARRRモデルの特性はどの事業においても利用することができ、「的確な成長フェーズ」に「的確な指標」を用いて「的確な改善策」を行うことができます。そのためグロースハックと相性が良いのです。

行動のフレームワーク

事業の成長にはマーケティング戦略の実行が欠かせません。またその結果に応じた見直しや再実行を繰り返すことで、マーケティング戦略が洗練され顧客とプロダクトがフィットします。

ここでは目標の達成のために役立つ行動のフレームワークをご紹介します。

PDCAサイクル

PDCAは「計画(Plan)」「行動(Do)」「検討(Check)」「実行(Action)」の4つのステップの頭文字から呼ばれています。これらステップを限りなく繰り返すことで、マーケティング戦略を磨いていくことができます。

OODAループ

OODAループは万能な思考のフレームワークです。OODAループは「見る(observe)」「分かる(orient)」「決める(decide)」「動く(act)」を「見直す(Loop)」の5つのステップを繰り返すフレームワークです。

OODAループは汎用性が高く、オフラインとオフライン、B2CやB2Bでも活用することができ、PDCA同様、マーケティング戦略の洗練が期待されます。

OKR

OKRとは目標設定とその管理を担います。OKRは目標と主要な結果(Objectives and Key Results)の略称です。シリコンバレーを中心に導入する企業が多く、注目を集めている手法です。

OKRは従業員が同じ方向性を持って、明確な優先順位に基づき一定のペースで計画を進行していきます。従来の計画方法と比較して高い頻度で目標を設定し、再評価します。

まずフレームワークを作るところから始めてみよう

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つ
フレームワークを紹介してきました。フレームワークを活用することでマーケティング戦略の精度があがります。また複数のフレームワークを使うことで、複眼的に顧客や市場、競合企業について考えることができます。持続的な企業の成長には根気強く、戦略の評価、修正、再実行を繰り返していくことが重要です。

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企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。

3C分析とは?

3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。

3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor)を分析します。これら三者の戦略的三角関係(strategic triangle)の分析から、競争優位性など事業を成功させる要因(KFS)を発見できます。

3C分析により「プロダクトの質向上」や「より高い売上・利益率」「ブランド価値の向上」など、ビジネスの成功に必要となる戦略的な展望を得られます。

そのため3C分析はマーケティング戦略の根幹と言えるでしょう。

3C分析の目的は市場環境を分析すること

3C分析の目的は市場間環境の分析を通して、事業を成功させる要因を見つけることにあります。どの事業もお金や人などのリソースを投下して行います。

どのようなリソースの使い方が自社ビジネスの成功を後押ししてくれるのかを見極めるのです。

3C分析は競争上の自社・市場・競合を網羅的に分析することができます。しかし、3C分析だけでは分析結果が粗く解像度が低いため、PEST分析やSWOT分析と併用して活用されることが一般的です。

3C分析の進め方とポイント

3C分析は市場に存在する3つの因子を分析することで、市場を理解し自社が新規参入・成長する機会の発見に繋がります。そのため出来るだけ正確な情報に基づいて分析することがポイントになります。

主観的な感情などに流されず、論理的に各要素を分析しながら進めることが必要です。

Company(自社)

3C分析の目的は自社と競合を比較して、優れているや劣っている点を見つけるだけではありません。事業を成功させる要因を見つけることが目的です。分析を通じ、最終的に競合に勝つ戦略を描けば良いため、競合との比較の際、売り上げやシェアなど、全てで優れている必要はありません。

事実に基づいた堅実な分析を行い、これからのマーケティング戦略に活かしていきましょう。具体的には以下の内容を分析します。

  • 事業の売上や市場シェア
  • 製品ラインナップや販売網
  • 投資余力や資本力
  • ヒト、モノ、カネなどの保有リソース
  • 社員一人の生産性など

ポイント1:自社がどうありたいかを念頭におく

3C分析の先にどのような会社像を求めているかによって、マーケティング目標は大きく変動します。また在りたい姿がなければ戦略に一貫性が持てず、会社内での困惑に繋がり兼ねません。そのため理想像やミッション、方向性を決めておくようにしましょう。

Consumer(消費者)

消費者なしでは事業ができません。そのため顧客理解は必要不可欠なプロセスです。顧客の求めるものと会社の戦略が一致した時、実り多い結果を得ることができるでしょう。

ポイント1;顧客ニーズを把握・分割し分析をする

市場には多種多様な顧客が存在しています。そのため戦略の効率化を図るためにまずは目的別にセグメンテーションを行いましょう。

顧客が「どのような方法」で「どのような手段で製品を使用」して、それは「どのような目的(ニーズ)」があるのかを理解します。また顧客がこれから直面する課題や予測、経験したことある影響や戸惑いなど、時系列や環境の変化にも目を向けましょう。

ポイント2:地域・人口統計・チャネルごとに分析をする

次に、ニーズ別で分類した顧客を地域人口統計チャネルなどによってさらに分類します。細かく顧客を細分化することで、市場範囲を最適化でき無駄なコストの発生を防いで効率よく顧客を獲得できます。

ポイント3:市場をもう一度分割してみる

これまでのステップで顧客と顧客の獲得コストについての概要を理解できます。次は競合企業の視点から再度、市場を分類します。

競合企業がすでにアプローチしている顧客ニーズやその対象範囲などを分析することで、自社が参入した時の競争関係が見えます。また自社参入後、競合企業が参入してくるケースも考えられるため、競合企業の追随は検討が必要です。

一定期間が経過したのち、市場の変化によって初期の戦略が通用しなくなることがあります。重要である顧客が求めるものや好み、ニーズなどの再チェックを行うと良いでしょう。

Competitor(競合)

競合企業は常に市場に存在し、それを活かすかどうかは自分たち次第です。客観的事実に基づいて、論理的に競合企業の弱みを突くことがビジネスとして健全なアプローチと言えます。そのため競合企業の戦略やリソースなどを分析し、自社が成長する機会を見つけることに焦点を当てましょう。

ポイント1:ヒト・モノ・カネ・場所・時間のリソースを分析する

ビジネスはヒト・モノ・カネ・場所・時間などのリソースを投下して、投下したリソースよりも大きなリターンを得ることで成り立っています。そのため競合企業分析ではリソースへの分析が欠かせません。リソースの分析から競合企業の弱点を発見しましょう。

多くの場合、競合の正確な情報にアクセスできない場合がほとんどです。しかし顧客からのヒアリングなどから推測することが可能です。またリソース分析では結果と要因に分けて分析を行います。

結果

  • 売上や市場シェア、利益率
  • 社員の生産性や顧客単価
  • 顧客数や営業範囲など

要因

  • 競合企業が採用している戦略
  • 製造過程や営業プロセス
  • 協力企業の存在など

これらの情報から競合企業の弱点を知り、自社が参入した場合のベンチマークを設定します。これにより自社が競合の弱点を利用して成長できているか管理することができます。

ポイント2:競合の戦略を分析する

企業は戦略やビジョンに基づいて動きます。競合の戦略における「解像度」をあげることで、自社の強みを差別化するのに役立ちます。

3C分析はマーケティング戦略のためのミクロ環境分析で用いる

3C分析はマーケティング戦略をどうのように行うかを判断するために行われます。具体的なマーケティング戦略実行までのプロセスは、以下の画像の通りです。

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の修正までが重要

3C分析はPEST分析やSWOT分析と合わせて、市場機会の調査・発見のために役立てられます。ここでは環境分析を行う手順とそのポイントについてご紹介します。

ステップ1:まずはPEST分析でマクロ環境分析

PEST分析は政治(Politics)経済(Economy)社会(Society)技術(Technology)の頭文字からそう呼ばれ、マクロ環境を分析するのに有用です。より広い視点で分析し、3年後など中期的なトレンドを掴むことができます。

ステップ2:3C分析でミクロ環境分析

PEST分析にて中長期的なトレンドについて理解したら、自社・消費者・競合の3C分析をします。

具体的には自社は戦略など、どのような目的で事業をするのかを確認する程度にしておき、消費者と競合の理解に努めましょう。詳細な自社の分析はSWOT分析で行います。

またミクロ環境の分析では5フォース分析も用いることが出来ます。これは市場内で働く次の5つの力を分析することで、市場の収益性を測るものです。消費者や競合の分析と合わせて行うことで、より深く市場を理解することができます。

  • 新規参入の脅威
  • 業界内の敵対関係の強さ
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

ステップ3:3C分析の結果をSWOT分析に活用

SWOT分析は「市場と競合の分析を通じて、自社が生きる戦略」を見つけるフレームワークです。具体的には以下の表をご覧ください。

プラス要素マイナス要素
外部環境機会(Opportunity)脅威(Threat)
内部環境強み(Strength)弱み(Weakness)

これまでのPEST分析や3C分析で積み上げたファクトと自社の状況を勘案し、優れたアイデアを生み出すことで、成長する機会を見つけるのがSWOT分析です。各要素の組み合わせは次の通りです。

  • 強み×機会:強みで市場の機会を最大化する方法
  • 強み×脅威:強みで市場の脅威に対処する方法
  • 弱み×機会:弱みで市場の機会を活用する方法
  • 弱み×脅威:弱みで市場の脅威に対処する方法

3C分析の重要性

企業にとって競争は避けられないことです。しかし無駄な競争をすることはあまりおすすめできません。だからこそ3C分析で競合企業を分析し、彼らのコアの強み、マーケティング戦略、販売網、企業文化などから自社が優位になる戦略的な計画を作り出すことが必要なのです。

また3C分析では消費者と自社についても知ることができるフレームワークです。競合・消費者・自社の理解を通じて、成長を支える自社オリジナルの戦術を見つけることが望まれます。戦術の独自性の評価ははVRIOを用いることができます。

  • 経済価値(Value)
  • 希少性(Rarity)
  • 模倣困難性(Inimitability)
  • 組織(Organization)

つまり3C分析は顧客ニーズを見極め、競争の激しいレッドオーシャンを戦略的に避け、自社の強みを活かし成長していくために重要なのです。

近年では5Cが主流になりつつある

3C分析に流通などの中間顧客(Customer)や、ビジネスを取り巻く地域社会(Community)を加えた5C分析が主流になりつつあります。

その理由は、5C分析は3C分析では捉えることができなかった価値提供までのプロセスを含めることで、ビジネスモデルやバリューチェーンを明確化できるためです。これにより競合企業の利益構造や価値生成プロセスを知ることができ、自社ビジネスの機会や障害を把握できます。

Customer(流通など中間顧客)とは

Customerは自社と顧客の間に存在する流通などの中間顧客を指します。中間顧客は協力者(Collaborators)とすることもありますが、競合する中間顧客もあるためCustomerと表記します。

中間顧客は、自社事業の売れ行きに左右します。中間顧客の全体シェアや業界の位置付け、強み・弱み、協力方法などを理解し、ビジネスにプラスの影響を与えるのかなどを検討しましょう。

Community(ビジネスを取り巻く地域社会)とは

Communityとはビジネスを取り巻く社会的要因を指します。具体的には景気の変動や法律の改正、人口の増減などです。前述のPEST分析を用いることでカバーすることができます。5Cで気をつけたいポイントは地域社会です。

地域社会はビジネスに影響します。例えば路面店舗を構える場合、地域の習慣やライフスタイルなどによって売上を左右します。また地域独特の商習慣や商流なども事業に影響するでしょう。そのため自社事業に関係する地域社会についても理解すると良いでしょう。

3C分析の4つの事例

マクドナルド

マクドナルドはハンバーガー業界で不動の1位を持つファストフード店です。

低価格の商品をハイスピード提供する強みを持っています。また季節ごとに新商品を提供する商品開発力を持っており、ポケモンGOとの提携などチャレンジでおもしろい企画をする企業文化を持っています。

競合企業はファストフードチェーンであり、ロッテリアやバーガーキングなどが挙げられます。し

かし圧倒的なスピードと低価格な商品、気軽に入れる店舗という面でシェアを突き放しているため、顧客はマクドナルドを求めていることが分かります。

スターバックス

スターバックス

スターバックスはコーヒーチェーンで、喫茶店は年々減少傾向にある中、店舗数を増やしています。

一般的なコーヒーチェーン店と異なり、スターバックスはサードプレイスを提供しています。

そのため社員教育を徹底しており、最高級の豆を使った質の高いコーヒーの提供を行っています。また店内はソファや絵画、照明にこだわることで、スターバックスと言えば”くつろげる”を実現しています。

一方、競合企業であるコーヒー店はフランチャイズ形式で展開していることが多いです。そのためコーヒーの質やメニューなどにバラつきがあります。この結果、顧客はオフィスと自宅の間でコーヒーを飲むなら、スターバックスに行くという選択をしていることが分かります。

ニトリ

ニトリは1988年から増収増益を続けているインテリアストアです。

「お、ねだん以上、ニトリ」のキャッチコピーが有名で、店舗に行くと生活に必要なものが全て揃います。顧客はニトリが実現する低価格と、商品購入の手軽さからニトリを選択しています。

ニトリが低価格を実現する理由は、ほとんどの製品がプライベート商品であり、店舗までの物流も自社グループで行っています。

その結果ニトリは同じインテリア業界の良品計画と、1,500億円以上の売上差をつけて業界1位のポジションを獲得しています。

星野リゾート

星野リゾートは北海道のリゾート施設、アルファリゾート・トマムの再建などで知られているリゾート運営の達人です。

大手外資系ホテルが参入できない旅館経営で拡大しています。星野リゾートはターゲット顧客に刺さる旅館のコンセプトを打ち出し、従業員教育を徹底し無駄を省いた経営に強みがあります。

顧客はこの質の高い接客などに満足しリピートします。その結果、競合である外資系ホテルなどでは実現できない高利益率を実現し、5年で施設数が倍の80に達するほど成長している企業です。

まとめ-3C分析のポイントをおさらい

ここまで3C分析についてご紹介してきました。3C分析は自社・消費者・競合の理解から、自社の強みを生かした事業機会の発見に役立ちます。3C分析を活用し顧客が求めるプロダクトを、競争せずに提供する戦略を見つけ、ビジネスをより成長させて頂けたらと思います。

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「せっかくマーケティング戦略を立案したけど、費用対効果が悪い」などの悩みがある方もいるのではないでしょうか。その原因として、顧客を捉え違えたり、市場が変化してしまったなどの理由があると思います。そこで重要となるのが、マーケティングセグメンテーションです。本稿ではマーケティングセグメンテーションの基本的な説明と、効果的なセグメンテーションを行うポイントについて解説します。

この記事のまとめ

セグメンテーションとは、ターゲティングを行うために「市場や消費者を一定の塊(セグメント)に分類する」ことであり、STP分析の一部です。

これににより、資源を集中させる事ができ、マーケティング効果を高めたり、新たなニースを発掘したりすることが出来ます。

セグメンテーションの方法は、行動変数・地理的変数・人口動態変数・心理変数・ファーモグラフィック変数の5つです。さらに、このセグメンテーションは、DIASSという5つのポイントの略称を意識するとより効果的になります。

 ・区別可能なのか(Differentiable)
 ・識別可能なのか(Identifiable)
 ・到達可能なのか(Accessible)
 ・ボリュームが十分なのか(Substantial)
 ・安定しているのか(Stable)

セグメンテーションを行う上で、セグメントを細かくしすぎたり、一つのセグメントに固執しすぎたり、市場が変化していることを忘れてしまうことで失敗に繋がります。

5つのポイントと失敗につながる点を意識することで効果的なマーケティングを行いましょう。

セグメンテーションとは?

セグメンテーションとは、「市場や消費者を一定の塊(セグメント)に分類すること」です。つまり、居住地、性別、年齢、ライフスタイルなどの指標で市場を細分化することです。

なぜ、マーケティングではセグメンテーションが重要なのか?

以前のマーケティングは、商品を大量生産し、マスメディアを使って消費者に向かってコミュニケーションを行い、販売するというマス・マーケティングが主流でした。

しかし、消費者の価値観が変化し、多様化していく中で、万人を対象にしたマーケティングでは効果を十分に発揮できなくなりました。

そこで、重要となったのがセグメンテーションです。市場を細分化することで、自社のターゲットを絞り込み、資源を集中させることで効果効率的なマーケティングが行えます。

活用するタイミングは「市場環境の調査」が終わってから

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の修正までが重要

セグメンテーションは、STP分析の一環であり、実施するタイミングは市場環境の調査が終了してからです。

市場環境の調査で自社がエントリーする競合環境や顧客に関して理解した上で、自社の戦略を規定していきます。

マーケティング施策は戦略的なプロセスによって生み出されます。正しいマーケティングプロセスを行うことで「自社の課題をクリア」にし「その課題を乗り越えるマーケティング施策」ができます。現在、新型コロナウイルスの影響でビジネスの在り方が変化しています。変化の時代だからこそ、BtoBをはじめとした企業はオンラインを活用したセールスなどマーケティングプロセスの見直しをしています。本稿ではマーケティング初心者向けにマーケティングプロセスを紹介しています。本稿を読むことで「正しい戦略的なマーケティングプロセス...
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STP分析の一環として機能させることが重要

上述したように、セグメンテーションはSTP分析の一環です。STP分析は、「セグメンテーション」、「ターゲティング」、「ポジショニング」の3ステップにわかれております。最初のステップのセグメンテーションを行ったうえで、それに基づきターゲティング、ポジショニングを行うことが重要です。

セグメンテーションは大きく5つに分類される

それでは具体的にセグメンテーションの種類に関してご紹介します。セグメンテーションは、大きく地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数、ファーモグラフィック変数の5つに分かれます。

セグメントは市場と共に常に変化します。常に複数種類のセグメントを検討できるようにしましょう

地理的変数

地理的変数とは、地理的な要因で分類するものです。
分類の指標としては、

  •  国
  •  都市の規模
  •  経済発展度合い
  •  文化
  •  宗教
  •  気候

などがあります。例えば日本では、関東と関西では好む味が異なるといわれていたり、グローバルの場合、宗教によって牛を食べないなど地域によって大きく特性が異なります。

人口動態変数

人口動態変数とは、デモグラフィック変数とも呼ばれ、人の属性などで分類するものです。
例えば、

  •  性別
  •  年齢
  •  家族構成
  •  職業
  •  年収

などがあります。30代男性や20代女性等の性別・年齢など多くの企業が最も一般的に活用しているセグメンテーションです。

分類のしやすさなどのメリットがある一方、近年価値観の多様化などに伴い人口動態による分類だけでは効果が限定的という懸念もあります。

心理的変数

心理的変数とは、消費者のライフスタイルや価値観により分類を行うセグメンテーションです。例えば、下記のような分類方法があります。

  •  ライフスタイル:インドア派 or アウトドア など
  •  価値観:高級志向 or 機能志向など

人口統計資料などに基づいた把握はできず、実際の市場規模を認識することが難しいです。

そのため、市場調査や顧客の行動データをもとにしたクラスター分析を行うなどして得ることが多いです。

行動変数

行動変数とは、サービスの利用頻度や購買行動などを軸に分類を行うものです。例えば、

  •  購買頻度:ヘビー、ライト
  •  購買経路:店舗で購入するか、ECサイトで購入するか
  •  使用目的:日常用、休日用

です。顧客の行動を分析することにより、顧客に合わせたコミュニケーションを取ることが可能です。

また、ヘビーユーザーのサービスやプロダクトの利用方法を調べる中で、企業が思いつかなかった使い方を発見できた場合、ライトユーザーの獲得に応用することも可能です。

ファーモグラフィック変数

ファーモグラフィック変数とは、BtoBマーケティングや投資などの特に用いる分類法です。例えば、下記のような分類方法があります。

  •  業績
  •  従業員数
  •  業種
  •  組織体制(株式会社か、非営利団体かなど)

ファーモグラフィック変数はふさわしい投資対象を探す際に有効です。

効果的なセグメンテーションを行うためのDIASS(ディアス)

セグメンテーションを行う上で正しくセグメンテーションが行われているのかを判断する必要があります。そのときの基準がDIASSという指標です。

効果的なフレームワークを実現する6つの概念がある

Differentiable-区別可能であること

1点目は、区別可能かということです。セグメンテーションを行うことで避けるべきなのがセグメントに同じ人がかぶっていることです。セグメントが別のセグメントと明らかに異なるニーズを持っているかを認識しましょう。

Identifiable-識別可能であること

2点目は識別可能であることです。セグメント内の消費者のデモグラフィックや購買行動、使用状況など、顧客の特性を測定、認識できる単位であることを確認しましょう。

Accessible-到達可能であること

3点目は到達可能かです。セグメントを設定してもコミュニケーション出来なかったり、購入できなかったら意味がありません。設定したセグメントに何かしらのコミュニケーションチャネルや流通チャネルなどを活用してその顧客に効果的に到達できるのかを確認しましょう。

Substantial-十分なボリュームがあること

4点目は、ボリュームが十分にあることです。

セグメンテーションによくある失敗として、自社に合ったセグメントを求め、市場を細分化しすぎた結果セグメントのボリュームが小さく、大きな利益を得ることができないケースがあります。

そのため、利益を大きくするためには、ある程度のボリュームが期待できるセグメントであることをしっかり確認しましょう。

Stable-安定していること

最後は、セグメントが安定しているかということです。マーケティング戦略が成功するには一定の期間セグメントが安定していることが望ましいです。

セグメントはトレンドや新たなサービスが登場するなどの市場の様々な環境要因で常に変化する可能性があります。特に、ライフスタイルやグローバルマーケット向けにセグメントする場合は注意しましょう。

よくあるセグメンテーションのミス

セグメンテーションのポイントについてご紹介してまいりましたが、ここでセグメンテーションを行う時によく起きる失敗をご紹介します。

失敗も理解し、効果的なセグメンテーションを行いましょう。

セグメントを細かくし過ぎてしまう

上述したように、十分な利益を獲得するためには十分なボリュームがあることが望ましいです。

しかし、自社が理想としているターゲットを求めてセグメントを細かくしすぎてしまった結果、CPAは目標通りだが利益が見込めないということがあります。そのため、セグメントはある程度ボリュームがあることを確認しましょう。

一つのセグメントに固執してしまう

マーケティング戦略やセグメントを一度決めたらそれに固執してしまうことは失敗に繋がります。マーケティング戦略は一発で成功することは稀です。

そのため、ROIが合わなくなったり、戦略が機能していないときは状況を変える必要があります。例えば、別のセグメントを検討するなど最適な戦略にアジャストしていきましょう。

戦略を検討する際は、常にROIなど定量的目標を意識することが重要です。

セグメントは市場と共に変化していることを忘れてしまう

市場や消費者は常に変化しています。新たなテクノロジーの登場や新型コロナウィルスの流行などの社会的変化などによりライフスタイル、価値観が突然変わる可能性もあります。

しかし、このような前提を忘れて、常に同じセグメントに固執していると失敗に繋がります。市場の変化に合わせて、常にセグメントをアップデート、再検討することを意識しましょう。

セグメンテーションを行う5つのメリット

最後になぜ、セグメンテーションを行うべきなのか、セグメンテーションのメリットをご紹介します。

効果的なマーケティング施策が設計できる

最も大きなメリットは、より効果的なマーケティング戦略の立案、施策の設計ができるということです。消費者のニーズ、生活スタイルなどを理解することでより効果的な施策の設計ができます。

効率的なROIを実現する

2点目は、効率的なROIを実現できるということです。セグメンテーションをせずにコミュニケーションを行ってしまう無駄になってしまう場合も少なからずあります。例えば、20代向けにコミュニケーションをするよりも、東京住まい20代後半男性の方が予算を抑えてマーケティングすることが可能です。このように上手なセグメンテーションを行うと効率的なROIが実現できます。

ニッチな市場を特定できることも

セグメンテーションを行うことで、それまで想定していなかった市場が見つかることがあります。このようなニッチな市場を特定できることで新たなニーズの発掘や新商品開発などに活用できます。

リテンションやLTVを向上させる

顧客のニーズを適切に理解することで顧客のニーズに合うマーケティング施策を実施することが出来ます。それにより顧客のLTVを高めたり、リテンションを向上させることが期待されます。

良質なリードを獲得できる

セグメンテーションを行うことで顧客を絞り込め、正しい顧客に向けてコミュニケーションを行うことで顧客に認知され、より良質な見込み顧客を獲得することが出来ます。

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【解説】ターゲティングとは?設定方法からマーケティング戦略での活用まで https://infohub.jp/media/2020/10/08/3126/ https://infohub.jp/media/2020/10/08/3126/#respond Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=3126 マーケティング戦略の中でターゲティングはとても重要です。プロダクトやサービスがいくら良くて...

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マーケティング戦略の中でターゲティングはとても重要です。プロダクトやサービスがいくら良くても、ターゲティングを間違えるとビジネスの成長曲線は鈍化します。本稿では、ターゲティングのやり方、ターゲティングを実施するときのポイントが知りたいという方に向けて、ターゲティングの基本からターゲティングの成功事例を紹介します。

この記事のまとめ

ターゲティングとは、市場の中から狙う顧客を設定することです。ターゲティングを行うことで、限りある資源で利益の最大化をすることを狙います。ターゲティングは、STP分析の一部であり、セグメンテーションの後に行うステップです。

ターゲティングを行うときの考えるポイントは下記の4つです。

・LTVを高める軸
・ROI(費用対効果)を高める軸
・支配戦略を考慮する軸
・環境要因・参入障壁を考慮する軸

また、効果的なターゲティングを行うときのフレームワークが6Rです。

 ・有効な市場規模(Realistic Scale)
 ・競合状況(Rival)
 ・成長性(Rate of Growth)
 ・波及効果(Ripple Effect)
 ・到達可能性(Reach)
 ・測定可能性(Response)

ターゲティングを行うときの注意点は、ターゲットを広く設定しすぎないことです。ターゲットを広く設定しすぎると、施策の精度が低くなったり、ブランドのメッセージが伝わらないという問題が起きます。

ターゲティングとは?

ターゲティングとは、市場の中から自社が狙う顧客を設定することで効率的なマーケティングを行うことです。全方位に資源を投資するのではなく、限りある資源をどこに投資するのかを決めることで、利益の最大化を狙うものです。

なぜ、マーケティングではターゲティングが重要なのか?

日本では第2次世界対戦以降のバブル時代まで、大量生産・大量消費の時代とも呼ばれ、商品を適正な価格で提供すれば売れていました。

そのため、マーケティングもターゲットを絞らないマス・マーケティングが主流でした。しかし、インターネットやSNSの普及に伴い、消費者の価値観が多様化そこで重要と言われたのがターゲティングです。

ターゲティングの設定は、STP分析を行うタイミングでする

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の修正までが重要

ターゲティングはSTP分析の一部です。STP分析とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングという自社が市場でどのように戦っていくのかを設定するフレームワークです。

マーケティング施策は戦略的なプロセスによって生み出されます。正しいマーケティングプロセスを行うことで「自社の課題をクリア」にし「その課題を乗り越えるマーケティング施策」ができます。現在、新型コロナウイルスの影響でビジネスの在り方が変化しています。変化の時代だからこそ、BtoBをはじめとした企業はオンラインを活用したセールスなどマーケティングプロセスの見直しをしています。本稿ではマーケティング初心者向けにマーケティングプロセスを紹介しています。本稿を読むことで「正しい戦略的なマーケティングプロセス...
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セグメンテーション

セグメンテーションとは、性・年齢やライフスタイルなど顧客の性質により市場を細分化することです。セグメンテーションはマーケティング戦略に大きく影響するため慎重に行う必要があります。

ターゲティング

セグメンテーションで細分化した市場の中から、どの層をターゲットとして狙っていくのを決めるのがターゲティングです。市場規模や競合状況などを元に自社にとって最も適切な市場を選びます。

ポジショニング

ポジショニングとは、ターゲティングした市場の中で自社の立ち位置を明確にすることです。競合の立ち位置や自社の強みなどを検討した上で行います。よくある手法としては、縦軸横軸を設定して競合含めたマッピングを行うというものです。

ターゲティング設定の軸

ご紹介したように、ターゲティングは絞り込むことで資源を集中させることが出来ます。その際、どのようにターゲティングを絞り込むべきなのでしょうか。

ターゲティングの絞り込みには4つの軸のいづれかを検討するとよい

LTVを高める軸

1つ目の軸は、顧客のLTVを重視する方法です。ターゲットを規定すると、販売機会が減ると考える人もいるかと思います。しかし、売上はターゲットリーチだけでなく、トライアル購入、リピート購入があったうえで成立します。

広く浅くターゲットを狙い、トライアル購入を促進するのではなく、狭く深くターゲットを狙い、リピート購入を促進するなど顧客のLTVを高めることで売上を狙うという方法もあります。

ROIを高める軸

2つ目の軸は、ROIを高められるかということです。

マーケティングの目的は利益を上げることです。利益を上げるためには、売上を上げながら、コストを下げることが必要になります。

つまり、施策の効果を最大化ということと、コストの最小化という効率化の両方の側面を検討することです。

ターゲットを規定する上でも、少ない資源で最も利益をあげられるのかが一つのポイントになります。例えば、長期的にファンになってくれそうな顧客を選ぶなどは効果的な選択肢と言えるでしょう。

支配戦略を考慮する軸

3つ目の軸は支配戦略が取れるのか否かです。

どのような市場であったとしても競合は存在します。そこで注意すべきなのは、例えば資金のある大手競合と同じ、「20代男性」という顧客層を狙っていた場合、マーケティング予算の関係上、負けてしまいビジネスの勝負にならないかもしれません。

そこで、ターゲティングを「20代 男性 目標がダイエット」と更に絞り込むことで、その顧客に対して最も予算を費やすことができ、市場支配を有利に進めることが期待できます。

競合の立ち位置も含めて検討し、自社が有利に立てることもターゲティングを行う上で重要な視点です。

環境要因・参入障壁を考慮する軸

最後は環境要因や参入障壁を考慮することです。

例えば、環境要因としては、ターゲティング候補となるセグメントの政治的環境、経済的環境、社会的環境、技術的環境など各環境要因の観点を考慮する必要があります。

また、参入に必要な資金等の障壁などの参入障壁も確認することも重要になります。

効果的なターゲティングを設定するための「6R」

効果的なターゲティングを設定するためのチェックポイントとなるのが「6R」というフレームワークです。6Rは、Realistic Scale・Rival・Rate of Growth・Ripple Effect・Reach・Responseの6つの頭文字から構成されます。

有効な市場規模(Realistic Scale):十分な市場規模があること

どれだけプロダクトが良質でターゲットが理想的でも、市場規模が十分でなければ売上がたちません。事業の維持に十分な利益を上がられるかを確認しましょう。

競合状況(Rival):強い競合ブランドが存在しないか

市場において強い競合がいるとそれだけマーケティングは難しくなります。大手などの強い競合がいないかを確認しましょう。

競合分析に有効なのが3C分析です。詳しく知りたい方はこちらもお読みください。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
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成長性(Rate of Growth):これから成長の見込めるマーケットか

市場規模が現在小さくても、今後大きくなる可能性があります。例えば、日本ではシニア市場、共働き市場などが今後大きく成長すると思われます。将来の市場成長性も意識しましょう。

波及効果(Ripple Effect):口コミによる波及が見込めるターゲットか

ターゲティングを行う際に、波及効果も見込みましょう。

波及効果がある顧客に利用してもらうと、その後自社でマーケティングを行わなくても口コミなどで波及し商品が広がっていく可能性があります。

到達可能性(Reach):チャネルやメディアを通じて到達可能か

いくら市場が魅力的で最適な顧客だったとしても、コミュニケーションやリーチが出来なければ意味がありません。

測定可能性(Response):アクションに対する効果が測定可能か

最後は測定可能性です。マーケティングは一回でうまく結果が出ることが少ないです。結果につなげるためには、常に施策を見直し、調節する必要があります。

施策を実施したらどれくらいの効果があったのか、顧客のリアクションをトラッキングできる環境があるかを確しましょう。

よくあるターゲティングのミス-ターゲットが広すぎる

ターゲティングでよくあるミスは、ターゲットをオールターゲットと設定したり、「10代」など広すぎるターゲットに設定したりすることです。これらは、ROIが悪くなるということに繋がります。

ターゲットが広すぎることを回避すべき理由

例えば、オールターゲットと設定してしまうと、組織の中で狙っているターゲット像が共有しづらくなり、部署ごとに行う施策がまとまりがなくなってしまうということがあります。

その結果、狙っている結果につながらなかったり、ブランドイメージもバラバラのものになってしまうという問題が発生してしまい、最終的にROIが悪くなってしまいます。

そのため、ターゲットを明確に絞ることを意識しましょう。

ターゲティングの3つの成功事例

最後にターゲティングの成功事例をご紹介します。

スターバックス

スターバックス

現在誰でも利用するようになったスターバックスですが、日本進出のタイミングでは都市圏のビジネスマンをターゲットとしていました。

スターバックス進出前、ビジネスマンがコーヒーを読みながら、調べごとや考え事をゆっくりできる場所といえば、ホテルのラウンジでした。

しかし、ホテルのラウンジは値段が高く、日常で利用するにはハードルが高かったのです。また、コーヒーが安く飲めるフードコードではゆっくり出来ないという難点がありました。

そこでスターバックスはフードコートのように騒がしくなく、ゆっくり過ごせるお店とサードプレイスというコンセプトで、ビジネスマン向けにコミュニケーションすることで成功を収めました。

リクナビ(リクルート)

リクナビを利用したことがある方も多いかと思います。リクナビはリクルートが提供する就職支援サイトです。就活生と企業というターゲットをつなげるプラットフォームとなることで大きく成功しました。

企業のことを調べたいと思う学生をターゲットにすることで、今までにない市場を創出したことが成功の要因です。

すき家

最後の例はすき家です。牛丼といえば、吉野家や松屋ですが、すき家はターゲットを他の競合と差別化することで大きく成功した事例です。

牛丼といえば、男性の食べ物というイメージが強いと思いと思います。このようなイメージに合わせ、吉野家や松屋は時間がないブルーワーカーやビジネスマンをターゲットとし、都心の駅近の立地での出店やガッツリ食べれるメニューなどを展開していました。

しかし、すき家は今までのイメージの差別化を狙うために、ターゲットを「郊外のファミリー層」と設定しました。この設定に合わせたマーケティング施策が成功することになります。

例えば、出店計画では地代が安い郊外で店舗数を増やし、競合と比べても大幅に店舗数を増やすことでブランド認知度を高めました。

また、TVCMでファミリーで楽しめるというイメージを展開するとともに、女性向けのメニューやおもちゃ付き子供向けメニューなど、家族で訪れても楽しめる環境作りに成功しています。

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