今週の注目5社:防衛向け物理AI / 企業向けAI動画編集 / インホイール電動モーター / AI解釈可能性分析 / 低炭素リニア発電機 - Scrum Ventures | Scrum Studio
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>一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。 1.「防衛向け物理AI」Scout AI 日本語読み:スカウトエーアイ カテゴリ:HW/防衛 ラウンド:Seed VC ($15M) 主な投資家:Align Ventures, Booz Allen Ventures, Bravo Victor Venture Capital, Decisive Point, Draper Associates, Evolution VC Partners, Expansion VC, FJ Labs, Gaingels, Habitat Partners, Monte Carlo Capital, Perot Jain, Piedmont Capital Investments, Revelry Venture Partners, Sigmas Group 防衛向けの物理AIプラットフォームの開発。 AIおよびロボット工学を駆使し、「Fury」と呼ばれる防衛向けの「Vision-Language-Action(VLA)」モデルを開発する防衛テックスタートアップ。同社の無人地上車両は、物理的な環境を認識しながら、命令などの自然言語を解釈することで、通信やGPSが利用できない環境下でも的確に行動することが可能という。すでに国防総省と複数の契約を締結し開発を進めている。今回の資金調達を機に、ステルスモードを脱却。 2024年創業、本社はカリフォルニア州サニーベール。Booz Allen Ventures等から今回調達した$15Mは、引き続き開発費用に活用する予定。 2.「企業向けAI動画編集」Capsule 日本語読み:カプセル カテゴリ:SaaS/動画編集 ラウンド:Series A ($12M) 主な投資家:Innovation Endeavors, Emery Wells, Francois Dufour, HubSpot Ventures, Karim Atiyeh, Laura Jones 企業向けのAI動画編集プラットフォーム。 企業のマーケティングや営業、メディアチーム向けにAIを搭載した動画編集アシスタントプラットフォームを開発するスタートアップ。自動の字幕作成や動画内容の要約機能に加え、直近ではAIによるストーリーテリングに関する提案やリアルタイムの共同編集作業などの新機能が追加され、企業は効果的な動画を短時間で作成することが可能。すでにHubSpot、Instacart、Rampなどの企業を顧客に持つ。 2020年創業、本社はマイアミ。Innovation Endeavors等から今回調達した$12Mは、チームの拡大に活用する予定。 3.「インホイール電動モーター」Conifer 日本語読み:コニファー カテゴリ:HW/モビリティ ラウンド:Seed VC ($20M) 主な投資家:HL Ventures, MFV Partners, Mac Ventures, SVB Financial Group, True Ventures, Voyager, Z21 Ventures フェライト磁石を用いた電動モーターの開発。 レアアースに頼らず、入手可能なフェライト磁石を用いた電動モーターを開発するモビリティテックスタートアップ。二輪や三輪、四輪の小型車両をターゲットとしており、芝刈り機やトラクターメーカーなどが興味を示しているという。サイズやコストだけでなく、サプライチェーンのリスクも軽減可能。Lucid MotorsやAppleの電気自動車プロジェクトに従事したメンバーが創業したことでも注目されている。 2022年創業、本社はカリフォルニア州サニーベール。True Ventures等から今回調達した$20Mは、サービスの拡大に活用する予定。 4.「AI解釈可能性分析」Goodfire 日本語読み:グッドファイア カテゴリ:SaaS/AI ラウンド:Series A ($50M) 主な投資家:Menlo Ventures, Anthropic, B Capital, Lightspeed Venture Partners, South Park Commons, Wing, Work-Bench AIモデルの解釈可能性を研究するプラットフォーム。 「Ember」と呼ばれるプラットフォームは、ブラックボックスになりがちな高度なAIモデル内のニューロンを解読(AIモデルがどのように推論し、意思決定を行うか)し、内部の思考に直接プログラム可能なアクセスを提供するプラットフォーム。OpenAIやGoogle DeepMind出身の専門家が創業したことでも注目されている。 2024年創業、本社はサンフランシスコ。Menlo Ventures等から今回調達した$50Mは、製品開発およびチームの拡大に活用する予定。 5.「低炭素リニア発電機」Mainspring Energy 日本語読み:メインスプリングエナジー カテゴリ:HW/エネルギー ラウンド:Series F ($258M) 主な投資家:General Catalyst, Climate Pledge Fund, DCVC, Gates Frontier, Khosla Ventures, LGT, Lightrock, M&G Investments, Marunouchi Innovation Partners, Pictet Group, Temasek 低炭素社会の実現を目指すリニア発電機。 大規模商業施設やマイクログリッド向けに、低排出かつ低コストで電力を供給可能なリニア発電機を開発するエネルギーテックスタートアップ。駐車スペースなどに設置できるサイズで、自然災害時のバックアップ用電力としての利用も期待されている。すでにデータセンターやEV充電用のマイクログリッド、商業ビル、病院、下水処理施設をはじめ、さまざまな施設で急速に導入が進んでいる。 2010年創業、本社はカリフォルニア州メンロパーク。General Catalyst等から今回調達した$258Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。